大日本印刷株式会社(DNP)と株式会社DNPコミュニケーションデザイン(DCD)が、リフレクトアート株式会社と共同で「ほんの切れ端」を発売しました。書籍の製本工程で生まれる “紙の切れ端” を使ったアップサイクルアート商品です。


【目次】

三方裁ちの天と地の部分を活用

「ほんの切れ端」は、埼玉県にあるDNPの久喜工場での書籍の製造プロセスで、裁断の時に生じる紙の周辺部分に価値を見出したプロダクトです。

大日本印刷など3社が共同で、製本工程で生まれる断裁の「切れ端」をアート商品にアップサイクル
DNP久喜工場DNPグループでは、製本工程で生まれる “紙の切れ端” も大事な資源ととらえており、これまでもほぼ全量を古紙としてリサイクルしてきました。 “紙の切れ端” を新たに1点もののアート商品へと生まれ変わらせたのが、今回発売された「ほんの切れ端」です。

大日本印刷など3社が共同で、製本工程で生まれる断裁の「切れ端」をアート商品にアップサイクル
製本の工程で生じる “切れ端” は糊付けされた冊子の状態製本工程の「三方裁ち」の仕上げでは、本の天・地・小口が断裁されます。このうち天と地を断裁して生じる切れ端は、ノドが糊で固められた “本” の体裁として使えるものです。そこに注目し、「ほんの切れ端」では天・地の断裁で生じた切れ端が商品へとアップサイクルされます。小口を断裁して生まれた切れ端は紙が1枚ずつバラバラな状態であるため、従来通りにリサイクルへと回されます。

アップサイクルアート商品「ほんの切れ端」(YouTubeより)

表紙はアーティストが手描きで彩色

切れ端を「アップサイクルアート」にするため、リフレクトアートのアーティストが表紙のビジュアルを描きます。リフレクトアートは、アート作品のプロデュースなどを手掛けている会社です。表紙は1つずつ手描きで彩色され、1点もののアップサイクルアートとして完成します。

大日本印刷など3社が共同で、製本工程で生まれる断裁の「切れ端」をアート商品にアップサイクル
アーティストが彩色した「ほんの切れ端」「ほんの切れ端」の本文は200~300ページで、サイズには5×15cmや5×20cmなどの複数のタイプがあります。本文用紙に絵を描いたり、メモ帳として使ったりと、購入者の活用の仕方は自由です。

価格は1,100円(税込)で、収益の一部は参加アーティストに還元されます。資源の無駄を防ぐとともに、若手を中心としたアーティストの支援にもつながる取り組みです。


「ほんの切れ端」はどこで買える?

本商品は、リフレクトアートのアンテナショップである「ものとアート」の成田空港第2ターミナル店や、グランスタ東京店(JR東京駅構内)で販売が開始されました。横浜赤レンガ倉庫店でも、順次に販売が開始される予定です。

大日本印刷など3社が共同で、製本工程で生まれる断裁の「切れ端」をアート商品にアップサイクル
左は2023年の成田空港への「ものとアート」出展時の様子。右はグランスタ東京店取り扱い店舗ものとアート 成田国際空港第2ターミナル店
千葉県成田市古込字古込1-1 成田国際空港第2旅客ターミナルビル 本館4Fものとアート グランスタ東京店(JR東京駅構内)
東京都千代田区丸の内1-9-1 グランスタ東京 1Fものとアート 横浜赤レンガ倉庫店
神奈川県横浜市中区新港1-1-2 横浜赤レンガ倉庫2号館 1FDNPとDCDは、今後も “切れ端” などのさらなる活用方法を検討し、提供する商品のラインナップも拡充していくことを計画しています。再生可能資源である紙の有効活用など、循環型社会の実現に取り組む企業・自治体などと連携し、アップサイクル商品の開発/各種キャンペーン/ブランド価値の向上なども支援していく予定です。

アップサイクルアート商品「ほんの切れ端」インタビュー編(YouTubeより)

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「ほんの切れ端」は、資源の循環の大切さも伝える商品です。普段はほとんど意識することがない書籍製造で生じる “切れ端” を、アーティストの彩色によって価値あるものへと生まれ変わらせました。本商品を通じて “紙” という資源について考えるきっかけにもなり、自分の生活にリサイクル商品を取り入れる体験ができます。

大日本印刷株式会社(DNP)/株式会社DNPコミュニケーションデザイン(DCD)/リフレクトアート株式会社
価格:1,100円(税込)
URL:https://reflectart.co.jp/mono-art

2024/07/11

大日本印刷など3社が共同で、製本工程で生まれる断裁の「切れ端」をアート商品にアップサイクル
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