そうした流れの中で、生成AIからアーティストを守るソーシャルプラットフォーム&ポートフォリオサービスである「Cara」というサービスが話題になっています。そこで今回は「Cara」の特徴と実際の使い勝手について紹介していきたいと思います。
※参照記事:AI規制に大統領令で先手(米国)(日本貿易振興機構)
目次
にわかに注目を集める「Cara」とは

Caraの創設者はデザイナーの張静娜氏で、プログラマーやエンジニア、AI研究者と協力してプロジェクトを運営しています。設立の経緯や、運営プロジェクトチームのプロフィールなどは、Caraの「linktr.ee(リンクツリー)」から公式の該当ページや各SNSアカウントのリンクがまとまっていますので、興味のある方はチェックしてみてください。
利用環境はWebブラウザから利用できるWeb版の他、iOS版、Android OS版も提供されており、マルチプラットフォームサービスです。
各プラットフォームへのリンク
プラットフォーム URLWeb版 Web版公式ページiOS版 App StoreのページAndroid版 Google Playのページ


「Cara」の特徴とアーティストにとっての利点
1.アーティストやクリエイターを生成AIから守るSNS
技術的には、このGlazeとの連携により生成AIより作品を保護していますが、それ以外にも投稿の際に生成AI画像は投稿しないように警告されるなど、随所に生成AIからアーティストを守ろうとするスタンスが伺えるのも頼もしいポイントです。
2.AIからの保護による画像の劣化は少ない

「Cara」の基本的な機能
CaraにはSNSとしての機能と、ポートフォリオとしての機能の両方が搭載されています。SNSとしての機能やUIは、X(旧Twitter)、Threads、BlueskyといったSNSに似ています。投稿に「いいね」したり、リポストすることが可能です。また、アカウントのフォローもアカウントのプロフィールをクリックして右上に表示される「Follow」ボタンから可能です。その他、Caraに搭載された基本的な機能について以下に紹介します。1.ホーム機能

2.エクスプロアー機能

3.ブログ機能

4.ジョブ機能

4.メッセージ機能

実際に「Cara」を使ってみた感想と使い勝手
個人的な見解になりますが、これまでいろいろなSNSを使ってみた中で使い勝手を含めた感想をお伝えしておきます。Glazeを使えるようになるまでのプロセスがなかなかハードルが高かったため、Caraについてもアカウント作成までが大変かと思っていましたが、Googleアカウントで登録したところ、非常に簡単に利用をスタートできました。英語のサービスではありますが、ブラウザの翻訳機能を使えば、英語が苦手な人も十分に使いこなすことができると思います。使い勝手も、他のSNSの良いところどりといった印象で、X(旧Twitter)やThreadsのような手軽さ、InstagramやBlueskyのようなビジュアルで見せていく機能、NoteやMediumのようなブログ投稿機能、PixivやXfolioのようなポートフォリオ機能、さらには英語ではありますがWantedlyやYOUTRUSTのようなキャリアSNS機能も搭載されており、機能面も充実しています。
一番大きな特徴であるGlazeと連携した生成AIからの保護機能に関しても、Glazeを使うより簡単に画像を保護できるので、使い勝手もかなり良い印象です。
アーティスト向けのソーシャルプラットフォームは、国内サービスも充実しており、ThreadsやBlueskyもかなりアーティスト向けの機能が充実しているので、改めて新しいSNSを始める必要性は少ないですが、それらに満足できていない方や、生成AIから自分の作品を保護したい方、海外にチャンスを求める方などにはおすすめできるサービスだと思いました。
まとめ
生成AIに対してモヤモヤした感情を抱える日々はまだまだ続きそうですが、Caraのように生成AIからアーティストやクリエイターの作品を保護しようといった考えやサービスが各地で広まっていることは、創作を生業にする人々にとって希望の光であるように思います。日本国内においても世論調査で約6割の人々が「規制を強化すべき」と回答するといったデータも報告されており、多くの人々が生成AIに関する技術は便利なだけでなく、様々なリスクを抱えるものであると捉え始めているようです。※参照記事:「生成AI」偽情報と規制 “規制強化すべき”61% (NHK NEWS WEB)
Caraが魅力的なのは、そうした生成AIからアーティスト・クリエイターを保護するサービスであるといった部分を意識しなくても、ソーシャルプラットフォームとして便利で楽しいツールである点かと思います。いろいろなSNSが登場する度にアカウントを作成するのは、少し面倒に感じるかもしれませんが、Caraとの相性の良さを感じる人も少なくないでしょう。本記事で興味を持った方は、ぜひ登録してみてください!
