今回はPhotoshopで、液体の塊のような抽象的なビジュアルを表現するテクニックを解説します。過去記事「液状のロゴを作る方法(液体の質感・立体感・輪郭のにじみを表現)」も併せて参考にしてみてください。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
【Photoshop】液体の塊のようなビジュアル表現:
まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1000ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、ブラシツールを選択してオプションバーのブラシプリセットピッカーで[ソフト円ブラシ]、[直径:400px]、[硬さ:25%]に設定(図1)。
図1。ブラシツールのオプションバーでブラシプリセットピッカーを開き、[ソフト円ブラシ]、[直径:400px]、[硬さ:25%]に設定する新規レイヤーを作成したら、[描画色]を黒に設定してカンバス上をクリックし、エッジがにじんだ円をひとつ描画する(図2)。
図2。カンバス上をクリックしてエッジがにじんだ円を描く続いて新規レイヤーを前面に作成したら、ブラシの[直径]を変更してサイズの異なる円を描画。移動ツールでふたつの円をそれぞれドラッグして位置を調整しておく(図3)。
図3。ここでは、最初に描いた円よりも少し大きめの円を描き、ふたつの円が斜めになるよう位置を調整した【Photoshop】液体の塊のようなビジュアル表現:
液体の塊を表現していく。まず、レイヤーパネルで最前面(いちばん上)のレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“グラデーションマップ...”を選択。「新規レイヤー」ダイアログが表示されるので、そのまま[OK]をクリックする(図4)(図5)。
図4。「新規レイヤー」ダイアログが表示されるので、そのまま[OK]をクリックする
図5。「グラデーションマップ」調整レイヤーを適用すると、画像の明暗差に合わせて色が置き換えられる。
図6。赤枠部分がグラデーションサンプル。バーの上をクリックするとグラデーションエディターを開くことができるグラデーションエディターが表示されたら、グラデーションサンプルのカラー分岐点を設定して黄色、水色、青、黒のグラデーションを作成して適用する(図7)(図8)。
図7。グラデーションエディターで、グラデーションサンプルの下辺をクリックしてカラー分岐点をふたつ追加して計4つとし、それぞれ[カラー]と[位置]を設定する。赤丸部分のような頭に三角形の乗った小さな四角がカラー分岐点。ここでは、いちばん左の[カラー]を黄色(16進数カラーコード[#f6ff00])、[位置:0]に、左から2番目の[カラー]を水色(16進数カラーコード[#00c5dc])、[位置:35]に、左から3番目の[カラー]を青(16進数カラーコード[#3b00b4])、[位置:75]に、いちばん右の[カラー]を黒(16進数カラーコード[#000000])、[位置:100]に設定した
図8次に、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“レベル補正...”を選び、「新規レイヤー」ダイアログをデフォルトのまま実行(図9)。
図9。「新規レイヤー」ダイアログが表示されるので、そのまま[OK]をクリックするプロパティパネルでヒストグラムの下の三角形(スライダー)を動かして、円のコントラストを少し強める。ここでは黒いスライダーを動かして[シャドウ:70]に調整した(図10)(図11)。
図10。
図11移動ツールでふたつの円をそれぞれドラッグし、円と円がくっつくように位置を調整する(図12)。
図12これらの円のレイヤーを複製し、サイズや位置を調整しながら配置していく(図13)(図14)。
図13
図14そのうち一部の円については、フィルターメニュー→“ぼかし”→“ぼかし(ガウス)...”を[半径:85pixel]程度で適用して、にじみ具合を調整する(図15)(図16)。
図15。ここでは[半径:85pixel]に設定した
図16ここでは、さらに円を複製したりサイズを調整したりしながら、液体の塊を表現していった(図17)。
図17【Photoshop】液体の塊のようなビジュアル表現:
ビジュアルを仕上げていく。まず、レイヤーパネルで最前面に新規レイヤーを作成したら、編集メニュー→“塗りつぶし…”を[内容:50%グレー]、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]で適用する(図18)(図19)。
図18。[内容:50%グレー]、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]に設定する
図19続いて、レイヤーパネルでこの塗りつぶしたレイヤーを[描画モード:ソフトライト]に変更(図20)(図21)。
図20
図21。この時点のレイヤーの状態。塗りつぶしたレイヤーを[描画モード:ソフトライト]に変更するさらにフィルターメニュー→“ノイズ”→“ノイズを加える…”を[量:20%]、[分布方法:均等に分布]、[グレースケールノイズ]で適用する(図22)(図23)。
図22。[量:20%]、[分布方法:均等に分布]、[グレースケールノイズ]に設定する
図23レイヤーパネルで、このノイズを加えたレイヤーと、「レベル補正」調整レイヤー、「グラデーションマップ」調整レイヤーを3つとも選択したあと(図24)、レイヤーメニュー→“レイヤーをグループ化”を実行(図25)。3つのレイヤーがレイヤーグループにまとまるので、そのグループが選択された状態のままレイヤーパネルの[ロック:すべての属性をロック]をクリックしてロックしておく(図26)。
図24。この時点のレイヤーの状態。グレーに塗りつぶしてノイズを加えたレイヤーと、「レベル補正」調整レイヤー、「グラデーションマップ」調整レイヤーを3つとも選択する
図25。この時点のレイヤーの状態。3つのレイヤーがグループ化される
図26。この時点のレイヤーの状態。赤枠部分の[ロック:すべての属性をロック]をクリックしてレイヤーグループをロックしておく。これによって、後工程で円のモチーフ(液体の塊)の位置を微調整する際、作業しやすくなる必要に応じて、移動ツールで各円をドラッグして位置を微調整しておく(図27)。
図27ここでは、さらに文字要素などを配置して完成とした(図28)。
図28。完成ビジュアル以上、Photoshopで液体の塊のような抽象的なビジュアルを表現するテクニックでした。
*本連載はPhotoshopで作る定番グラフィックの制作工程を、一から手順通りに解説するHow to記事です。
■使用する機能「ブラシツール」「グラデーションマップ」「レベル補正」「移動ツール」「ぼかし(ガウス)」「塗りつぶし」「描画モード」「ノイズを加える」
目次【Photoshop】液体の塊のようなビジュアル表現:
1.ベースとなる円のモチーフを描く
まずは新規ファイルを[幅:1200ピクセル]、[高さ:1000ピクセル]、[解像度:350ピクセル/インチ]で作成したら、ブラシツールを選択してオプションバーのブラシプリセットピッカーで[ソフト円ブラシ]、[直径:400px]、[硬さ:25%]に設定(図1)。


【Photoshop】液体の塊のようなビジュアル表現:
2.円に色を着けて液体の塊を表現する
液体の塊を表現していく。まず、レイヤーパネルで最前面(いちばん上)のレイヤーを選択したら、レイヤーメニュー→“新規調整レイヤー”→“グラデーションマップ...”を選択。「新規レイヤー」ダイアログが表示されるので、そのまま[OK]をクリックする(図4)(図5)。

この場合は、初期設定の黒白のグラデーションで色が置き換えられたため見た目はあまり変わらないが、陰影が少し濃くなっている続いて、プロパティパネルのグラデーションサンプル(マウスポインターを合わせると「クリックでグラデーションを編集」とヒントが表示されるバー状のグラデーション見本)をクリックして(図6)、グラデーションエディターを開く。





ここでは、プロパティパネルで黒いスライダーを動かして[シャドウ:70]に調整した







【Photoshop】液体の塊のようなビジュアル表現:
3.液体の塊に質感をつけてビジュアルを仕上げる
ビジュアルを仕上げていく。まず、レイヤーパネルで最前面に新規レイヤーを作成したら、編集メニュー→“塗りつぶし…”を[内容:50%グレー]、[描画モード:通常]、[不透明度:100%]で適用する(図18)(図19)。











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