2024年10月20日(日)から11月24日(日)まで、一般財団法人家具の博物館 展示場にて「日本と世界18カ国の椅子展」が開催されます。日本はもちろん、欧米や中国やアフリカなど、世界各地で製作された椅子に焦点を当てている展覧会です。


【目次】

椅子の歴史と文化を知ることができる展覧会

本展では、人々の暮らしの中で使用されてきた約30点の多種多様な椅子が紹介されます。椅子の歴史と文化について知ることができる内容です。

日本だけでなく、世界各地の椅子に注目していることも特徴となっています。世界の椅子の歴史を紐解いてみると、欧米では、イギリスのウィンザーチェアや、ドイツのト―ネット社の技術による曲木椅子が誕生し、チャールズ・イームズ氏(1907~1978年)やハリー・ベルトイア氏(1915~1978年)といった多くのデザイナーが機能的なデザイン椅子を生み出しました。

中国では、14世紀から17世紀まで続いた明の時代の椅子が、近代の椅子のデザインに大きな影響を与えたとされているそうです。ちなみに日本では、明治時代以降に欧米の椅子を模倣することから本格的な椅子づくりが展開されるようになりました。

有名なデザインの椅子を含む約30点の展示

展示作品の一例として、オランダのヘリット・トーマス・リートフェルト氏(1888~1964年)が手掛けた有名なデザインの「赤と青の椅子」があります。この椅子には、同じ断面を持つ細いフレームや薄い合板が用いられており、木ネジだけで組み立てられています。フレームを黒、カットした断面(木口)を黄、背を赤、座面を青に塗り分けた秀逸なデザインです。

約30点の展示を通して世界各地の椅子の歴史や文化に触れられる「日本と世界18カ国の椅子展」
赤と青の椅子日本の椅子の展示作品の1つが、剣持勇氏(1912~1971年)のデザインによる「籐丸椅子」です。「籐丸椅子」は、1960年にホテルのラウンジで使われる休息椅子として製作されました。曲面を編むことができる籐の性質を生かし、太くて軽い太民籐で構造を作ったうえで芯籐を編み、独特なボリュームのある形に仕上げられています。

約30点の展示を通して世界各地の椅子の歴史や文化に触れられる「日本と世界18カ国の椅子展」
籐丸椅子

気軽に訪れやすい家具の博物館

会場となる一般財団法人家具の博物館は、フランスベッドホールディングス株式会社の東京工場の敷地内にあり、伝統ある歴史的な家具を収集・保存しています。家具の伝統を後世に伝えるとともに、新たな時代の家具の創造や研究に貢献することを目的として設立された博物館です。


約30点の展示を通して世界各地の椅子の歴史や文化に触れられる「日本と世界18カ国の椅子展」
一般財団法人家具の博物館 Webサイト「日本と世界18カ国の椅子展」は、入館料が一般200円であることからも、気軽に椅子の歴史や文化に触れられる機会となっています。高校生以下・65歳以上・身障者手帳の所有者とその付添者は無料で入場が可能です。

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■期間:
2024年10月20日(日)~11月24日(日)

■開催場所:
一般財団法人家具の博物館 展示場
東京都昭島市中神町1148 フランスベッド東京工場敷地内

■問い合わせ先:
一般財団法人家具の博物館
tel. 042-500-0636
url. https://www.kaguhaku.or.jp/

約30点の展示を通して世界各地の椅子の歴史や文化に触れられる「日本と世界18カ国の椅子展」
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