そこで今回は、作品の見どころはもちろん、鑑賞後の買い物やグルメも楽しめる、「再開館記念『不在』ートゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」を紹介します。
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再開館記念展の主役はロートレックとソフィ・カル!
リニューアルオープンを飾るのは、「再開館記念『不在』―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」。19世紀末のパリを彩ったロートレックと、現代のフランスを代表する美術家ソフィ・カルの展覧会です。三菱一号館美術館では、時代の変化に応じた活動を行うための現代アーティストとの協働プロジェクトとして、2020年の開館10周年記念展「1894 Visions ルドン、ロートレック」にソフィ・カルを招聘しましたが、コロナウイルスの流行で見送りに。本展はその企画を4年越しで実現しました。
テーマの「不在」は、カルの提案によるもの。ロートレックが残した「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない。」という言葉にも着目し、表裏の関係にある「不在」と「存在」をゆるやかにつなげる構成で、3Fではロートレック、2Fではカルの作品(一部3F)を展示しています。
「単色」の作品でロートレックの魅力をさらに深掘り

そうしたロートレックの評価を再び高め、「存在」へのきっかけを作った1人が、彼の友人で画商のモーリス・ジョワイヤンでした。ロートレックが手元に残していた作品を受け継ぎ、ロートレックの故郷アルビの「ロートレック美術館」の開館などに尽力。
本展では、そんなジョワイヤン由来のコレクションを含む三菱一号館美術館所蔵の作品に、フランス国立図書館より来日した11点を加えた136点を全6章に分けて展示しています。



試し刷りや、多色刷りの工程が見て取れる作品にも注目。版画作品が完成するまでの一つひとつの工程も大切にしていたロートレックの思いが伝わってくるように感じます。
民衆歌手でキャバレーの主人アリスティド・ブリュアン、踊り子のジャヌ・アヴリルをモデルにした作品など代表作も公開。多彩な作品群から「存在」と「不在」を感じ取りながら鑑賞してみるのも良いでしょう。

ソフィ・カルの新作を本展で世界初公開

2Fでは、額装された写真の上にテキストを刺繍した布が吊るされ、その布をめくると写真が現れる《なぜなら》、カル自身と家族の死にまつわる《自伝》など、テキストと写真を融合したカルの代表的なシリーズを中心に展示されています。
さらに三菱一号館美術館のコレクション、オディロン・ルドン《グラン・ブーケ(大きな花束)》に着想を得て制作した新作「ソフィ・カルの《グラン・ブーケ》」を初公開。長年にわたって「喪失」や「不在」について考えを巡らせているカルの世界観に、感性が研ぎ澄まされていくようです。
新たに誕生した小展示室では年3回の企画展を開催



「Café 1894」で展覧会タイアップメニューに舌鼓!

カフェタイム(14:00~17:00)はクレープ仕立て、ディナータイム(17:00~)はパフェスタイルで提供される、ルドンの《グラン・ブーケ(大きな花束)》をイメージしたデザートなども揃うので、鑑賞の余韻に浸りつつ優雅なひとときを過ごすのも良いでしょう。
※営業時間などの詳細はCafé 1894の公式サイトをご確認ください
「Store 1894」で展覧会限定グッズを手に入れて




フランス人のBRIGITTEと日本人のTANAKAによるデュオグループ・BRIGITTE TANAKAと、ソフィ・カルがコラボしたトートバッグやポーチも用意され、多彩な品ぞろえに心は躍るばかりです。
DATA
※会期、開館時間、チケット情報などの詳細や最新の開催状況は公式サイトにてご確認をお願いします
展覧会名再開館記念「不在」―トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル会期~2025年1月26日(日)
※年末年始の開館時間は美術館サイト、SNSなどで確認休館日月曜日、 12/31、1/1※トークフリーデー(12/30)と1/13・20は開館開館時間10:00~18:00
祝日を除く金曜日と会期最終週平日、第2水曜日は20時まで(入館は閉館の30分前まで)入館料一般2,300円、大学生1,300円、高校1,000円、小・中学生無料施設名三菱一号館美術館(https://mimt.jp/)住所東京都千代田区丸の内2-6-2アクセスJR「東京駅」丸の内南口より徒歩5分
東京メトロ千代田線「二重橋前駅」1番出口より徒歩3分ほか問い合わせ050-5541-8600(ハローダイヤル)公式サイトhttps://mimt.jp/ex/ls2024/
