上記の動画は、美容系などの表現に使える水滴のフレームです。こうした表現はプラグインで作られることが多いのですが、標準機能だけでも工夫次第でうるおい感を演出することができます。
なお本稿は本書のP.007~P.008にある[環境設定][プロジェクト構成][コンポジション設定]を前提に解説を進めています。記事を読んで作例を再現いただく際は、こちらの設定環境を参考にしてください。

【主な使用機能】  4色グラデーションCCSphere波形ワープ※本稿は『After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳』の一部を再編集したものです。

目次

Step1 背景を作る

[1-1] グラデーションを作る
「Main」コンポジションに新規平面レイヤーをCtrl〔Macでは⌘〕+Yで作成します。レイヤー名は「4-Color」とします。「4-Color」平面レイヤーに、メニューバー“エフェクト”→“描画”→“4色グラデーション”を適用します。それぞれの色は次のように設定しましょう。

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うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
[1-2] プリコンポーズ
「4-Color」平面レイヤーを選択した状態でCtrl〔⌘〕+Shift+Cで「プリコンポーズ」をします。コンポジション名を「Gradation」とします。

Step2 水滴を作る

[2-1]反射用マップを作る

新規コンポジションをCtrl〔⌘〕+Nで作成し、コンポジション名を「Reflection_Map」とし、[幅:1920px][高さ:1080px]とします。そこにシェイプレイヤーで右の画像のような絵を作ります。ツールパネルから「長方形ツール」を選択し、ビュー上に描いていきましょう。

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
次に新規調整レイヤーをCtrl+Alt〔⌘+option〕+Yで作成し、メニューバー“エフェクト”→“ブラー&シャープ”→“ブラー(ガウス)”を適用します。[ブラー:80.0]に値を変更して絵をぼかします。


うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
「Main」コンポジションに戻り、プロジェクトパネルからさきほど作った「Reflection_Map」コンポジションをドラッグ&ドロップで配置します。配置した「Reflection_Map」コンポジションレイヤーは非表示にしておきましょう。

[2-2]球体を作る

1-2で作成した「Gradation」コンポジションレイヤーを複製します。複製された上の方のレイヤー名を「Waterdrop_1」に変更しておきます。

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
「Waterdrop_1」コンポジションレイヤーに、メニューバー“エフェクト”→“遠近”→“CCSphere”を適用します。次のようにプロパティの値を変更し、[ReflectionMap]の値には2-1で配置した「Reflection_Map」レイヤーを設定します。

[Radius:300]
Light
[LightColor:#FFC572]
[LightHeight:80]
[LightDirection:45°]
Shading
[Diffuse:80]
[Reflective:100]
[ReflectionMap:Reflection_Mapソース]

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方

[2-3]球体をゆがませて光らせる

「Waterdrop_1」コンポジションレイヤーにメニューバー“エフェクト”→“ディストーション”→“波形ワープ”を適用します。プロパティの値を[波形の幅:180][波形の速度:0.5]に変更します。

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
次に「Waterdrop_1」コンポジションレイヤーにレイヤースタイルの[シャドウ(内側)]と[光彩(外側)]を適用します。メニューバー“レイヤー”→“レイヤースタイル”→“シャドウ(内側)”を適用し、[カラー:#62BAA9][角度:300°][距離:24]に変更します。同様に、メニューバー“レイヤー”→“レイヤースタイル”→“光彩(外側)”を適用し、[サイズ:100]に変更します。これで一つの水滴ができあがりました。

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方

[2-4]複製して配置する

「Waterdrop_1」コンポジションレイヤーを3つ複製します。複製したレイヤーは、「Waterdrop_2~4」にレイヤー名を変えておきましょう。それぞれのレイヤーのトランフォーム[スケール]の値を調整しながら、画面にバランス良く配置します。


うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方

Step3 テキストを作る

[3-1]テキストレイヤーを作成する

「Main」コンポジションにテキストレイヤーを作成します。この作例では、AdobeFontsから提供されている「しっぽり明朝」を使用し、[塗りのカラー:#4CAAB9]に設定しています。フォントサイズや位置を調整しながら、それぞれ水滴の上に配置します。

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
[3-2]テキストレイヤーを親子づけする
テキストレイヤーの[親とリンク]を配置している下の水滴のレイヤーに設定し、親子づけをします。これで水滴フレームのできあがりです。仕上げの演出として、アニメーションをつけたり明るさや色味を調整するなどさまざまなアレンジをしてみましょう。

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方
MEMO「親とリンク」は、本書のP.267で解説しています。

【WHAT’S MORE】
影のラインを走らせる
作例では斜めの影のラインを走らせて透明感を演出しています。「Gradation」コンポジション内に効果を加えると水滴の映り込みにも反映されます。

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After Effectsモーションデザイン すぐに使える実用アイデア見本帳
 この / サプライズ栄作 / ナカドウガ / ヌル1/ minmooba 共著

うるおい成分を表現する「水滴フレーム」の作り方


●本書について「モーションデザイン(モーショングラフィックス)」という分野が成熟するに連れ、「映像制作」と「デザイン」との垣根が無くなってきました。映像クリエイターがグラフィックを手掛けたり、Webデザイナー/グラフィックデザイナーがモーションを制作するなど、表現の幅が広がっています。本書はこうした需要に応えるため、After Effectsの中でも「モーションデザイン」に特化した一冊としています。
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