Appleが「iPhone 16e」を発表しました。日本では2025年2月21日(金)の22:00から予約注文がスタートし、販売が開始されるのは2月28日(金)からです。
ホワイトとブラックの2つのカラーがあり、価格は99,800円(税込)~となります。

【目次】

6.1インチの画面で「iPhone14」と同じサイズ

「iPhone 16e」はネーミングの法則が変更されましたが、事前にリーク情報が飛び交っていたように「iPhone SE」系列の新モデルと位置付けられるエントリー製品です。「iPhone 16e」の登場とともに「iPhone SE(第3世代)」は販売が終了しています。

Apple、iPhone SEシリーズの実質的な後継機と目される「iPhone 16e」を発売
「iPhone 16e」のディスプレイは6.1インチで、画面サイズが4.7インチであった「iPhone SE(第3世代)」より大型化しています。本体のサイズも従来の「iPhone SE」からは大きくなりました。画面が大きくなったのと引き換えに、ユーザーから根強い人気のあったホームボタンは撤廃されています。

「iPhone SE(第3世代)」や現行の「iPhone16」などとのサイズ比較 iPhone 16eiPhone SE(第3世代)iPhone 16iPhone 14ディスプレイ6.1インチ4.7インチ6.1インチ6.1インチ幅71.5mm67.3mm71.6mm71.5mm高さ146.7mm138.4mm147.6mm146.7mm厚み7.8mm7.3mm7.8mm7.8mm重量167g144g170g172g操作系では、「iPhone 16」にも採用された「アクションボタン」が実装されました。「設定」でカスタマイズし、さまざまなアプリや機能にアクセスできます。「アクションボタン」のデフォルトでの動作は着信と消音の切り替えになっています。

Apple、iPhone SEシリーズの実質的な後継機と目される「iPhone 16e」を発売

Apple Intelligenceを使えるモデル

本製品に搭載されたチップは、「iPhone16」と同じくA18チップです。2つの高性能コアと4つの高効率コアによる6コアのCPUで、16コアのNeural Engineを備えています。ただし、GPUが「iPhone16」では5コアであるのに対し、「iPhone16e」は4コアです。

プリインストールOSはiOS 18で、ホーム画面やロック画面の幅広いカスタマイズにも対応します。また、「iPhone16」シリーズは同社のAI機能のApple Intelligenceの活用を想定して設計されており、「iPhone16e」でも同じくエントリー機でありながらもApple Intelligence対応であることがアピールされています。


Apple、iPhone SEシリーズの実質的な後継機と目される「iPhone 16e」を発売
Apple、iPhone SEシリーズの実質的な後継機と目される「iPhone 16e」を発売
16コアのNeural Engineは大規模な生成モデル向けに最適化されており、同社の発表によると機械学習(ML)モデルの実行速度はA13 Bionicチップよりも最大6倍高速です。日本語でのApple Intelligenceの提供は2025年4月が予定されています。

バッテリー駆動時間の飛躍的な向上に注目

「iPhone16e」には、初の自社開発のセルラーモデムであるApple C1が採用されていることも発表されました。通信方式は「モデルA3409」とされており、使用環境によっては対応バンドの変化による影響は決して小さくはなさそうです。ただし、「iPhone SE(第3世代)」が2x2 MIMO対応であったのに対し、今回のモデルは4x4 MIMO対応となっています。

モデルA34095G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n26、n28、n30、n38、n40、n41、n48、n53、n66、n70、n75、n76、n77、n78、n79)
FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、18、19、20、25、26、28、30、32、66)
TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、48、53)
UMTS/HSPA+(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)

4×4 MIMO対応5G(sub-6 GHz)
4x4 MIMO対応ギガビットLTE
2x2 MIMO対応Wi-Fi 6(802.11ax)

同社の発表では「Apple C1により、高速でなめらかなパフォーマンスと画期的なバッテリー駆動時間を提供」とされています。バッテリー駆動時間はビデオ再生で最大26時間(ストリーミングは最大21時間)、オーディオ再生で最大90時間です。バッテリーの駆動時間は前モデルからは大幅に向上し、充電インターフェイスには新たにUSB Type-Cが採用されているので、その点では使い勝手はかなり良さそうです。

Apple、iPhone SEシリーズの実質的な後継機と目される「iPhone 16e」を発売

前モデルからカメラシステムも刷新

カメラシステムは、背面が2in1の48MP Fusionカメラ(F1.6)、前面が12MPのTrueDepthカメラ(F1.9)です。背面カメラは見た目は1つのカメラですが、48MPセンサーに加えて12MPの2倍望遠機能も組み込まれています。

Apple、iPhone SEシリーズの実質的な後継機と目される「iPhone 16e」を発売
このスペックは、解像度の面では「他のiPhone 16ファミリーと同等」です。「iPhone SE (第3世代)」からは大幅に強化されており、エントリー機としては十分な性能と言えるでしょう。

ムービー撮影機能は、最大60fpsの4Kドルビービジョンでの収録に対応し、記録フォーマットはHEVC/H.264です。
屋外での撮影に便利な風切り音を低減する機能も備えています。

ストレージは容量128GB/256GB/512GBから選べます。価格は99,800円~(税込)での購入のほかに、24回払いでは月額4,158円~(税込)となります。iPhone 11を下取りに出した場合は最大22,000円、iPhone 12を下取りに出した場合は最大30,000円といった割引を利用することも可能です。

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「iPhone16e」は製品単体で見ると十分なスペックを備えています。一方で、「別にここまでの性能は求めていない」というユーザーも多いでしょう。「iPhone16」の廉価版として考えると、特に価格面での優位性がそれほど大きくは感じられないことから、ユーザーのニーズとの隔たりは大きいような印象を受けました。バッテリー性能の向上などはとても魅力的ですが、これまで「iPhone SE」シリーズを愛用していたユーザーにとっては「後継機」とは意識しづらく、まったくの「別物」というラインになりそうです。

Apple
URL:https://www.apple.com/jp/

2025/02/21

Apple、iPhone SEシリーズの実質的な後継機と目される「iPhone 16e」を発売
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