Appleが新しい「Mac Studio」を発表しました。M4 Maxチップのほか、新登場のM3 Ultraチップを搭載したモデルも用意されています。
プロ向けの小型デスクトップ機で、M4 Max機が328,800円~(税込)、M3 Ultra機が668,800円~(税込)です。

【目次】

Ultra機とMax機の計2モデル

2022年3月にApple M1チップを搭載して初登場した「Mac Studio」は、2023年6月にM2を搭載する機種へとアップグレードされていました。今回の製品は、約1年9カ月ぶりの新機種となります。

まず目を引くのは、チップが強化されたことです。これまではM1 MaxとM1 Ultra、M2 MaxとM2 Ultraという同じファミリーでのラインナップが展開されていましたが、今回はMax機が2024年10月発表のM4 Max、上位版のUltra機が遅れて新登場となったM3 Ultraを採用しています。

Appleが新しい「Mac Studio」を発売。新登場のM3 Ultraチップを採用したモデルも3月12日から販売
筐体のサイズや全体的なデザインには前モデルからの変更はありません。本体サイズは19.7(幅)×9.5(高さ)×19.7(奥行)mmで、重量は2.74kg(M4 Max)/3.64kg(M3 Ultra)です。コンパクトなボディながら、超ハイエンドなMac Proとコンシューマー向けのMac miniの中間を埋める存在で、プロのクリエイティブな作業にも十分に活躍する性能を備えています。

チップの変更による着実なスペック向上

M3 Ultraチップは、最大32コアのCPU(24の高性能コア+8の高効率コア)、最大80コアのGPU、32コアのNeural Engine、800GB/s以上のメモリ帯域幅を備えています。また、最大120Gb/sのThunderbolt 5にも対応しています。このデータ転送速度は、Thunderbolt 4の2倍以上です。

Appleが新しい「Mac Studio」を発売。新登場のM3 Ultraチップを採用したモデルも3月12日から販売
今回発売される「Mac Studio(M3 Ultra)」に標準で採用されたチップは28コアのCPUと60コアのGPUを搭載しています。オプションで、32コアのCPUと80コアのGPUへの変更が可能です。

「Mac Studio(M4 Max)」は、標準で14コアのCPUと32コアのGPUを搭載しました。
オプションで、16コアのCPUと40コアのGPUへ変更できます。Neural Engineは16コアで、メモリ帯域幅は410GB/s(オプションで546GB/sへの変更可)です。

標準モデルのチップ比較発売年2023年2023年2025年2025年モデルM2 Max機M2 Ultra機M4 Max機M3 Ultra機CPU12コア
(高性能8
+高効率4)24コア
(高性能16
+高効率8)14コア
(高性能10+
高効率4)28コア
(高性能20
+高効率8)GPU30コア60コア32コア60コアNeural Engine16コア32コア16コア32コアメモリ帯域幅400GB/s800GB/s410GB/s819GB/s

メモリ容量が大幅にアップしたUltra機

チップの進化により、さらに大容量のメモリ積載がサポートされたことも特徴です。「Mac Studio(M3 Ultra)」では、デフォルトでのメモリ容量が96GBとなり、オプションで最大512GBまで選べるように大きく強化されました。M4 Max機のメモリは36GB/最大128GBで、こちらも前モデルからは強化されています。

標準構成でのSSDの容量は、M4 Max機が512GB、M3 Ultra機が1TBで前モデルからの増加はありません。ただし、Ultra機ではオプションで選べる上限が増えており、16TBへの変更も可能となっています。

メモリとストレージの比較(括弧内はオプション)発売年2023年2023年2025年2025年モデルM2 Max機M2 Ultra機M4 Max機M3 Ultra機メモリ32GB
(最大96GB)64GB
(最大192GB)36GB
(最大128GB)96GB
(最大512GB)SSD512GB
(最大8TB)1TB
(最大8TB)512GB
(最大4TB)1TB
(最大16TB)また、新しい「Mac Studio」では、両モデルともにThunderbolt 5を利用できるようになりました。共通して、本体の背面に4基を備えています。さらにM3 Ultra機では前面にも2基を搭載して合計6基となっていますが、M4 Max機の前面の2基は最大10GB/sのUSB Type-Cポートです。いずれのモデルでも、そのほかには2基のUSB Aポート(最大5Gb/s)、HDMI 2.1ポート、10ギガビットEthernet、SDXCカードスロット(UHS-II)などを備えています。

Appleが新しい「Mac Studio」を発売。新登場のM3 Ultraチップを採用したモデルも3月12日から販売
Appleが新しい「Mac Studio」を発売。新登場のM3 Ultraチップを採用したモデルも3月12日から販売

過去モデルとの比較での性能の目安

M3 Ultra機の性能の目安としては、同社のリリースによると同時発売のM4 Max機より「約2倍高速」です。過去のモデルとの比較では「M1 Ultra搭載のMac Studioより最大2.6倍高速」「16コアのIntel Xeon WベースのMac Proより最大6.4倍高速」と紹介されています。


M4 Max機は「M1 Max搭載のMac Studioより最大3.5倍高速」「最もパワフルなIntelベースの27インチiMacより最大6.1倍高速」です。Adobe Photoshopによる画像処理の例では「M1 Max搭載Mac Studioと比較して最大1.6倍高速」「Core i9搭載27インチiMacと比較して最大2.9倍高速」とも紹介されています。

Appleが新しい「Mac Studio」を発売。新登場のM3 Ultraチップを採用したモデルも3月12日から販売
今回の「Mac Studio」は、「Apple Intelligenceのために設計」とアピールされている製品群に含まれる機種でもあります。デバイス上のAIモデルの実行にも、高いパフォーマンスを発揮する製品です。

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新しい「Mac Studio」はApple Storeアプリを通じた予約注文受付が開始されており、2025年3月12日(水)からApple Store直営店やApple製品取扱店での販売がスタートします。上位のUltra機にM3チップ、下位のMax機にM4チップが採用され、さらにM4 MaxよりM3 Ultraが後に登場したことからやや複雑な関係となっていますが、「Mac Studio」についてはシンプルに「Ultraが上位機でMaxが下位機」と把握しておくと理解しやすいでしょう。

Apple
URL:https://www.apple.com/jp/

2025/03/11

Appleが新しい「Mac Studio」を発売。新登場のM3 Ultraチップを採用したモデルも3月12日から販売
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