株式会社日本デザインセンターが、テキストレンダリングエンジンの「stone engine」をオープンソース化しました。同社が提供している縦書き対応の文章作成アプリ「stone」のコアエンジン部分です。
【目次】
「stone」を提供する日本デザインセンターは、亀倉雄策氏(1915~1997年)や原弘氏(1903~1986)など、日本を代表するデザイナー、コピーライター、フォトグラファーが集まって1959年に設立された有名な広告制作会社です。現在は原研哉氏が代表取締役社長を務め、永井一正氏が最高顧問となっています。
その日本デザインセンターが培ってきた文字組みにまつわるノウハウが詰め込まれているのが「stone」です。日本語の文書は縦書きと横書き、ひらがな、カタカナ、漢字、英数字など多くの要素で複雑に構成されますが、「stone」ではそのような日本語特有の文字組版が重視されています。「書く気分を高める」をコンセプトにしたシンプルなUIも魅力です。
●オープンソースダウンロードURL(GitHub):
https://github.com/ndc-stone/stone_engine
一般的にWebサイトやアプリでは、書籍などの印刷物と比べると、文字がパラついて見えて読みにくいケースなども多くあります。「stone engine」のオープンソース化は、そのような状況を改善してアプリ上での日本語テキストの読みやすさを高めていくことを目指したものです。
「stone」の開発チームからは、プレスリリース上で「これまで実現できなかった印刷物水準の日本語組版をアプリ上で可能にしたstoneですが、stoneに限らず、より多くの方に使っていただきたいという思いでstone engineのオープンソース化に踏み切りました。今後、stone engineを多くの方にご活用いただき、ともに育てていただけたらと思っています」とのコメントが発表されています。
文字種ごとのフォント指定も可能です。文字種ごとのスケーリングにも対応し、たとえば日本語フォントとして1.0、ラテン文字フォントとして0.9のように値を変えて指定することで、違和感の少ない美しい和欧混植を実現できます。
* * * * * * * * * *
現状では、インターネット上のコンテンツやアプリ上の画面などでは、紙媒体と比べ、日本語組版の美しさの追求が「あきらめられている」ことも多いです。今回の「stone engine」のオープンソース化は、アプリの「stone」と同じく、そのような状況に一石を投じる取り組みとしても注目されます。
株式会社日本デザインセンター
URL:https://stone-type.jp/
2025/03/19
GitHubで公開されています。
【目次】
「stone」と日本デザインセンター
「stone」は、縦書きにも対応していることが大きな魅力の日本語向けテキストエディタです。2017年にmacOS版が登場し、2023年には「stone for iPad」もリリースされました。「stone」を提供する日本デザインセンターは、亀倉雄策氏(1915~1997年)や原弘氏(1903~1986)など、日本を代表するデザイナー、コピーライター、フォトグラファーが集まって1959年に設立された有名な広告制作会社です。現在は原研哉氏が代表取締役社長を務め、永井一正氏が最高顧問となっています。
その日本デザインセンターが培ってきた文字組みにまつわるノウハウが詰め込まれているのが「stone」です。日本語の文書は縦書きと横書き、ひらがな、カタカナ、漢字、英数字など多くの要素で複雑に構成されますが、「stone」ではそのような日本語特有の文字組版が重視されています。「書く気分を高める」をコンセプトにしたシンプルなUIも魅力です。

美しい日本語組版の普及に期待
今回、「stone」のコアエンジン部分の「stone engine」がオープンソースとして公開されたことで、誰でもiOS用のアプリに日本語特有の文字組版を実装できるようになります。macOSについても順次に対応される予定です。●オープンソースダウンロードURL(GitHub):
https://github.com/ndc-stone/stone_engine
一般的にWebサイトやアプリでは、書籍などの印刷物と比べると、文字がパラついて見えて読みにくいケースなども多くあります。「stone engine」のオープンソース化は、そのような状況を改善してアプリ上での日本語テキストの読みやすさを高めていくことを目指したものです。
「stone」の開発チームからは、プレスリリース上で「これまで実現できなかった印刷物水準の日本語組版をアプリ上で可能にしたstoneですが、stoneに限らず、より多くの方に使っていただきたいという思いでstone engineのオープンソース化に踏み切りました。今後、stone engineを多くの方にご活用いただき、ともに育てていただけたらと思っています」とのコメントが発表されています。


日本語の文書に特有の設定に対応
「stone engine」では、文字を描画する方向として縦書きを指定でき、縦書き表示ではフォントの描画の際に適切なグリフが選択されます。縦書きの文書に含まれた数字には「縦中横」が反映され、アルファベットは90度回転して表示される仕様です。禁則処理のON/OFFや、約物を全角で扱うか半角にするかの取り扱い方法(常に全角/常に半角/適切に判断されるstoneモード)も指定できます。文字種ごとのフォント指定も可能です。文字種ごとのスケーリングにも対応し、たとえば日本語フォントとして1.0、ラテン文字フォントとして0.9のように値を変えて指定することで、違和感の少ない美しい和欧混植を実現できます。
* * * * * * * * * *
現状では、インターネット上のコンテンツやアプリ上の画面などでは、紙媒体と比べ、日本語組版の美しさの追求が「あきらめられている」ことも多いです。今回の「stone engine」のオープンソース化は、アプリの「stone」と同じく、そのような状況に一石を投じる取り組みとしても注目されます。
株式会社日本デザインセンター
URL:https://stone-type.jp/
2025/03/19

編集部おすすめ