昨今の一眼レフやミラーレスカメラは高性能で、誰でもそれなりにキレイな写真を撮ることができます。しかし、被写体の周囲が寂しかったり、色味が地味だったり、あるいはスタジオのような整った環境で撮影できなかったりしたとき、写真のクオリティに物足りなさを感じた経験はあるのではないでしょうか。
もくじ
実際に「レインボーハロ」をつけて道端のタンポポや公園のハトを撮影してみたところ、渦巻きのボケ効果でとても華やかさや雰囲気のある写真になりました。また、まわりにそうした効果が入ることで、中心の被写体がより引き立ちます。
「レインボーハロ」無しで撮った道端のタンポポ
「レインボーハロ」をつけて撮ると、タンポポの周囲に黄色のボケが現れ華やかに
「レインボーハロ」無しで撮った公園のハト
「レインボーハロ」をつけて撮ると、ハトの周囲にボケが現れ柔らかい雰囲気に「レインボーハロ」によって出る渦巻き状のボケは、被写体の色が反映されます。そのため、単色の被写体を撮れば単色のボケが、多色の被写体を撮れば多色のボケが出ます。
オレンジの花にフォーカスすると周囲のボケの色はオレンジに
オレンジ、紫、えんじ、白と複数色の花を被写体にすると、ボケの色もカラフルになるガラスや水面など反射するものを撮影すると、光の輪が出現することもあります。
グラスに入れたフルーツポンチを撮影したら、2重の光の輪が出現したまた、本来的な使い方とは少しズレるかもしれませんが、螺旋状のボケが出るので被写体が螺旋など輪が連なるようなものだと、さらに外側に輪があるような不思議な写真になります。
このようにさまざまなものを魅力的に撮れる「レインボーハロ」ですが、周囲との境界線が曖昧な被写体は、うずまき状のボケが入ってもぼんやりした構図になってしまい、あまり向いていないかもしれません。
輪が連なる遊具を撮影すると、さらに外側に輪があるような写真になる
紅葉した細かい葉のついた木は、ボケと被写体の差が少なく、ぼんやりとして見せたいものが曖昧に
光の入る角度によって光の輪の出方がどのように違ってくるのか比べてみます。ここでは、逆光とサイド光、順光で撮ってみました。逆光やサイド光は神々しい光の輪が出ましたが、順光ではただ空間がぼやけているような写真になりました。「レインボーハロ」らしい光の輪などの効果は、レンズに光が入ってこないとあまり発揮されません。被写体にもよりますが、基本的に順光での撮影は向いてなさそうです。また、サイド光のように斜めに強い光が入ると虹色のゴーストが出る場合があり、それも美しいアクセントになります。
逆光では、神々しい青い光の輪が現れた
サイド光では、太陽のある左側のボケが大きくなり、右側に虹色のゴーストが出た
順光では光の輪は出ず、ただ空間が歪んでいるだけのようなボケに次に、光の入る面積による違いを見ていきます。お香の点のような光と、キャンドルの大きい光で比べてみると、お香は細い光の輪が、キャンドルは太い光の輪が出ました。しかもキャンドルは炎がある上側の光の輪が太くなっていることから、光の面積応じて光の輪の太さが変わることがわかります。
お香の小さい光では光の輪が細くなった
キャンドルの大きい光では光の輪が太くなった夜景は街灯や信号、クルマのヘッドライトなど、さまざまな角度から複数の色の光源があるので、「レインボーハロ」をつけて撮ると、多様な効果が現れます。
2つの街灯の周りに光の輪が重なって出現し、幻想的な雰囲気に
「OPEN」のネオンの周囲に派手な光の輪が
さまざまな角度から色の違う光が入るので、中心の異なる光の輪が現れておもしろい効果に
F値4で撮影
F値22で撮影また、焦点距離によってもボケの出方は変わってきます。焦点距離が小さいほど渦巻きが出る部分の幅が広く、中央のフォーカスするエリアが狭くなります。焦点距離が大きくなると渦巻きの幅は狭くなり、フォーカスするエリアが広くなります。「レインボー・ハロ」の公式サイトでは、渦巻きを控えめに出したい場合には50mm~100mm程度の焦点距離がオススメだと書かれていました。
焦点距離18mmで撮影すると、渦巻き部分の幅が広くなる
焦点距離52mmで撮影
焦点距離105mmで撮影すると、渦巻き部分の幅が狭くなる同じ焦点距離でも、カメラと被写体の距離によってボケの度合いが変わってきます。距離が近いと周囲の渦巻きのボケが弱くなり、離れるとボケが強くなります。
焦点距離49mmで被写体に近づいて撮ると、周囲のボケの度合いが弱くなる
同じく焦点距離49mmで少し被写体から離れると、周囲のボケが強くなるここまでの写真はすべて18mm-105mmのレンズで撮っていて、どれもよい感じのボケが出ました。レンズの種類を変えるとどのような違いが出るのか、70mm-300mmの望遠レンズと2.8-50mmのマクロレンズで試してみます。望遠レンズは、先述のように焦点距離が大きくなる分ボケが出る幅が狭くなりますが、F値で調整できます。ボケが薄くなるため、自然な効果をつけたい場合によいでしょう。ただ、F値を低くしすぎると画面全体がボケてしまいます。
一方、マクロレンズではほとんどボケが出ませんでした。公式サイトによると、径が小さいレンズで使用した場合、周囲の渦巻き効果のエリアが少なくなることがあるそうです。「レインボーハロ」の径は82mmですが、このマクロレンズは55mmなので、もしかしたら径の小ささが渦巻きが現れない理由かもしれません。
70mm-300mmの望遠レンズで焦点距離300mm、F値29で撮影。幅は狭いが、外側に柔らかいボケが出ている
望遠レンズで焦点距離300mm、F値11で撮影。ボケは薄めだが幅が広がり、中央の被写体が引き立っている
望遠レンズで焦点距離300mm、F値5.6で撮影。虹色のゴーストが出て幻想的ではあるが、画面全体がボケてしまった
径55mmの2.8-50mmのマクロレンズを使い、焦点距離50mmで撮影。F値を変えてもボケは出なかった
「レインボーハロ」は手持ちのカメラレンズに装着するだけで使用できるレンズフィルターです。写真はもちろん動画も渦巻き状のボケなどの効果をつけて撮影することができます。光学ガラス製のため少し重たく、出っ張っている形状なので、使用時はぶつけないよう注意が必要です。
筆者の計りではレンズフィルターだけで121gだった
「レインボーハロ」は前に出っ張った形状となっているまた、出っ張っているということはレンズキャップをつけられないので、撮影のたびに「レインボーハロ」を取り付け、取り外す必要があります。特に屋外などでは、取り付け時、取り外し時に落とさないよう注意しましょう。ソフトケースとクロスが付属しているので、使用後は速やかにクロスに包んでソフトケースにしまうと安心です。
付属のソフトケースとクロス前述したように「レインボーハロ」の径は82mmですが、手持ちのレンズがそれより小さい場合はステップアップリングを使用することで装着できます。発売元であるケンコー・トキナーでもさまざまなサイズのステップアップリングが販売されているので、たいていのレンズに付けることができるでしょう。
また、被写体の周囲がボケることで、周りの映り込ませたくないものを隠すことができます。建物など移動できないものの近くに都合の悪いものがある場合や、スタジオなど状況が整った撮影場所を押さえられないという場合にも有用でしょう。
注意点は、レンズが出っ張っているのでぶつけて傷つけたり、取り外し取り付け時に落としたりしないよう気を付ける必要があることです。また、ステップアップリングでさまざまなサイズのレンズにつけられますが、あまり径の小さいレンズでは効果が出ない場合もあります。
「レインボーハロ」をレンズにつけるだけで、なんてことない被写体もフォトジェニックになり、写真撮影がとても楽しくなります。特に屋外や夜景などは予想外の光の効果が出ることもあり、おもしろいです。ぜひプライベートでもお仕事の撮影でも活用してみてください。
DATA製品名:レインボーハロ
参考販売価格:11,801円(税込)
発売元:ケンコー・トキナー
商品情報サイト:https://www.kenko-tokina.co.jp/lp/rainbow-halo/
公式ECサイト:https://shop.kenko-tokina.co.jp/view/item/000000013088?category_page_id=ct2390
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B0DPQ2TDJH/
※販売価格は現時点のものです。価格は変更される可能性があります
レンズフィルター「レインボーハロ」を使うと、被写体の周囲に渦巻き状のボケなどの効果をつけてくれます。これにより、被写体が際立ち、なんてことない写真もとてもフォトジェニックになります。今回は、この「レインボーハロ」についてご紹介していきます。
もくじ
被写体が際立つ「レインボーハロ」のボケ効果
レンズフィルター「レインボーハロ」をカメラのレンズにつけて撮影すると、中心にある被写体のまわりに渦巻き状のボケが出ます。また、光の量や取り込み方によっては、ハロ現象(太陽の周囲に見える光の輪)のような光の輪や、虹色のゴースト(レンズ内に光が反射して光が模様のように映る現象)が出現します。実際に「レインボーハロ」をつけて道端のタンポポや公園のハトを撮影してみたところ、渦巻きのボケ効果でとても華やかさや雰囲気のある写真になりました。また、まわりにそうした効果が入ることで、中心の被写体がより引き立ちます。







このようにさまざまなものを魅力的に撮れる「レインボーハロ」ですが、周囲との境界線が曖昧な被写体は、うずまき状のボケが入ってもぼんやりした構図になってしまい、あまり向いていないかもしれません。


光の取り込み方による効果の違い
「レインボーハロ」によって出る光の輪や虹色のゴーストなどが撮影条件によってどのように変化するのかを知っておくと、狙い通りに効果を活かした写真が撮りやすくなります。まずは、光の取り込み方による効果の違いを見ていきましょう。光の入る角度によって光の輪の出方がどのように違ってくるのか比べてみます。ここでは、逆光とサイド光、順光で撮ってみました。逆光やサイド光は神々しい光の輪が出ましたが、順光ではただ空間がぼやけているような写真になりました。「レインボーハロ」らしい光の輪などの効果は、レンズに光が入ってこないとあまり発揮されません。被写体にもよりますが、基本的に順光での撮影は向いてなさそうです。また、サイド光のように斜めに強い光が入ると虹色のゴーストが出る場合があり、それも美しいアクセントになります。








カメラの設定やレンズによる効果の違い
カメラの設定やレンズによっても、ボケの出方は変わってきます。まずは、カメラのF値(絞り値)を変えて、違いを見てみます。F値4と22で撮ったものを比べると、F値が低いとボケの度合いが強く被写体との境界線が自然になり、F値が高いとボケ度合いが弱まり被写体との境界線がくっきりしました。被写体や撮りたい写真次第ではありますが、多くの場合ではF値を低めにして自然なボケにした方が雰囲気のよい写真になりやすいのではないかと思います。







一方、マクロレンズではほとんどボケが出ませんでした。公式サイトによると、径が小さいレンズで使用した場合、周囲の渦巻き効果のエリアが少なくなることがあるそうです。「レインボーハロ」の径は82mmですが、このマクロレンズは55mmなので、もしかしたら径の小ささが渦巻きが現れない理由かもしれません。




「レインボーハロ」の仕様




まとめ
「レインボーハロ」は、被写体の周囲に渦巻き状のボケや光の輪、虹色のゴーストなどの効果をつけてくれるレンズフィルターです。それによりメインの被写体を引き立て、フォトジェニックな写真になります。プロのカメラマンさんやハイアマチュアの方が使えば当然素敵な写真が撮れるはずですが、それほど写真の腕がない素人が撮っても、素敵な雰囲気の写真になりやすいです。また、被写体の周囲がボケることで、周りの映り込ませたくないものを隠すことができます。建物など移動できないものの近くに都合の悪いものがある場合や、スタジオなど状況が整った撮影場所を押さえられないという場合にも有用でしょう。
注意点は、レンズが出っ張っているのでぶつけて傷つけたり、取り外し取り付け時に落としたりしないよう気を付ける必要があることです。また、ステップアップリングでさまざまなサイズのレンズにつけられますが、あまり径の小さいレンズでは効果が出ない場合もあります。
「レインボーハロ」をレンズにつけるだけで、なんてことない被写体もフォトジェニックになり、写真撮影がとても楽しくなります。特に屋外や夜景などは予想外の光の効果が出ることもあり、おもしろいです。ぜひプライベートでもお仕事の撮影でも活用してみてください。
DATA製品名:レインボーハロ
参考販売価格:11,801円(税込)
発売元:ケンコー・トキナー
商品情報サイト:https://www.kenko-tokina.co.jp/lp/rainbow-halo/
公式ECサイト:https://shop.kenko-tokina.co.jp/view/item/000000013088?category_page_id=ct2390
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/B0DPQ2TDJH/
※販売価格は現時点のものです。価格は変更される可能性があります

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