株式会社モリサワは、本田技研工業株式会社(Honda)のコーポレートフォントとして「Honda Global Font」ファミリーを開発・提供しました。モビリティに求められる瞬間認知などの機能性を前提に、1人ひとりの強い意思を感じさせるフォントとしてデザインされています。


【目次】

ブランディングの一環としてのフォント開発の背景

モリサワは、数々の一般向けのフォントの提供で広く知られるとともに、コーポレートフォントや製品サービス向けの専用フォントなどの包括的な提案も手掛けています。これまでにもさまざまな企業のブランディングに寄与するフォントを開発しており、その幅広い事例は同社Webサイトでも閲覧することが可能です。

総合モビリティカンパニーであるHondaは、2001年に策定されたグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams」を2023年に再定義し、副文を加えて「The Power of Dreams How we move you.」と定めました。それを起点としたブランディングの一環としてコーポレートフォントの策定も検討され、多くのオリジナルフォントの開発実績を持つモリサワとのタッグが実現しています。

両社がアイデアを出し合いながら誕生したフォント

「Honda Global Font」ファミリーは、Hondaのブランドデザインを手掛けるブランド・コミュニケーションセンターのチームと、モリサワのプロジェクトメンバーにより、両社の垣根を越えてアイデアを交わし合いながら開発が進められました。最終的に、欧文フォントの「Honda Global Font EN」と和文フォントの「Honda Global Font JP」、さらに長体幅にしたUIフォントが誕生しています。

モリサワ、本田技研工業のコーポレートフォント「Honda Global Font」ファミリーを開発
完成した「Honda Global Font」ファミリーは、既にHondaの社内文書をはじめ名刺や封筒といったビジネスツールなどで活用されています。今後は対外発信でも標準フォントとして使用される予定で、製品のディスプレイやメーターやカタログなどへも段階的に採用が拡大されていく見通しです。

モリサワ、本田技研工業のコーポレートフォント「Honda Global Font」ファミリーを開発
フォント利用のイメージ

欧文と和文のそれぞれのデザインの特徴

欧文の「Honda Global Font EN」はサンセリフ体で、モリサワの「Clarimo UD PE」をベースとしてカスタマイズされました。字面を大きくしたり開口部をよりオープンにしたりといった工夫で、走行中でも瞬時に認知しやすいよう配慮されています。先進性やこだわりも感じさせるモダンな印象のフォントです。

和文の「Honda Global Font JP」はゴシック体で、モリサワの「あおとゴシック」がベースとなっています。有限会社字游工房の書体設計士である鳥海修氏も監修に入って開発されました。欧文と同じく視認性に配慮されていることはもちろん、かな文字の横画が右上りに傾けられていることも特徴です。
これにより、和文ならではの自然なリズムが表現されています。ストロークや骨格に、筆のニュアンスも取り入れられました。

モリサワ、本田技研工業のコーポレートフォント「Honda Global Font」ファミリーを開発
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「Honda Global Font」ファミリーは、Hondaのブランドメッセージが体現された新たなコーポレートフォントです。モリサワとの協業によって高い視認性と独自のデザイン性が両立され、「Hondaの想い」が込められたフォントに仕上げられています。今後は製品やカタログなど幅広い領域での活用が見込まれ、Hondaブランドの統一感と発信力を支える存在となるでしょう。

株式会社モリサワ
URL:https://www.morisawa.co.jp/

2025/08/22

モリサワ、本田技研工業のコーポレートフォント「Honda Global Font」ファミリーを開発
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