2025年11月30日(日)まで、CREATIVE MUSEUM TOKYOにて「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」が開催されています。
漫画やアニメのルーツとして葛飾北斎に注目した展覧会です。「北斎漫画」全15編や初公開の肉筆画16図をはじめ、300点を超える作品が展示されています。

【目次】

漫画やアニメの表現の原点でもある葛飾北斎

浮世絵の大家として知られる葛飾北斎は、約90年の生涯で30,000点もの作品を残しました。93回も引っ越しをしたり、30以上の画号を使い分けたりと、自由奔放な生き様でも知られています。「冨嶽三十六景」をはじめ、ダイナミックな構図と色彩による作品は、国内のみならず海外のアーティストにも大きな影響を与えてきました。

漫画やアニメの原点としての葛飾北斎に注目した「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」個人蔵また、葛飾北斎の表現は、日本の代表的なエンターテインメント文化である漫画やアニメのルーツとも言われることがあります。今回の展覧会は、葛飾北斎が現代の漫画やアニメの表現に及ぼした影響に注目し、「集中線」「ギャグ描写」「アニメ原画」などに通じる作品に着目した展示企画です。

漫画やアニメの原点としての葛飾北斎に注目した「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
葛飾北斎「椿説弓張月」続編 浦上蒼穹堂蔵

最晩年の「日新除魔図」の16図を初公開

本展では、葛飾北斎の代表作である「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」、森羅万象を描いた全15編の絵手本「北斎漫画」、北斎絵本の傑作である「富嶽百景」全3編102図など、珠玉の北斎コレクションが一挙公開されています。出展作品の総数は300点以上です。この充実の展示は、「北斎漫画」1,700冊を所蔵する浦上満氏(浦上蒼穹堂)の全面協力のもとで実現しました。

漫画やアニメの原点としての葛飾北斎に注目した「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
葛飾北斎「富嶽百景」二編「海上の不二」浦上蒼穹堂蔵新たに発見されて浦上コレクションに加わった葛飾北斎の “幻の肉筆画” 16図が初公開されていることにも注目です。それらの作品は「日新除魔図」で、葛飾北斎が最晩年に「毎日、新たに魔物を蹴散らす」ことを願って描き続けた作品シリーズとなっています。

今にも動き出しそうな葛飾北斎の画を実際にアニメ化

本展は、現代の漫画やアニメの表現におけるルーツとしての葛飾北斎に特に注目していることが特徴です。集中線や効果線はもちろん、爆発と閃光、波や風などの自然現象、時間の経過、妖怪や幽霊、略画と一筆画、ギャグ描写、アニメ原画風といったさまざまな切り口で葛飾北斎の魅力が紹介されています。


漫画やアニメの原点としての葛飾北斎に注目した「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
葛飾北斎「唐詩選画本 七言律」巻之二 浦上蒼穹堂蔵
漫画やアニメの原点としての葛飾北斎に注目した「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
葛飾北斎「北斎漫画」十編 浦上蒼穹堂蔵さらに、スペシャルコンテンツとして、「踊独稽古」や北斎漫画の「雀踊り」と「武芸(棒術)」がアニメーション化も実現されました。今にも動き出しそうな北斎画の人物たちを実際にアニメにした作品が、特設ミニシアターで紹介されています。

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■期間:
2025年9月13日(土)~11月30日(日)

■開催場所:
CREATIVE MUSEUM TOKYO
東京都中央区京橋1-7-1 TODA BUILDING 6F

■問い合わせ先:
日本テレビ放送網/CREATIVE MUSEUM TOKYO/BS日テレ/WOWOW
tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)
url. https://hokusai2025.jp/

漫画やアニメの原点としての葛飾北斎に注目した「HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展」
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