【目次】
趣味や仕事でイラストを描く500人に調査
アタムは、オンラインイラスト教室を運営している企業です。小中学生を中心に、日本全国の生徒が学ぶイラスト教室として展開されています。「アイビスペイント」や「スケッチブック」といったアプリを活用し、基本的なツールの使い方からフィルターなどを活用した表現技法まで、実践的なスキルを段階的に習得できることが特徴です。同社はこれまでにも定期的にさまざまな切り口のアンケート調査を実施し、イラスト制作にまつわる実態を探ってきました。今回の「イラスト制作でよく使うツールに関する意識調査」は2025年10月27日(月)~11月5日(水)の期間にインターネット調査のかたちで実施され、有効回答数は500人(女性367人/男性133人)です。
回答者の年代10代20代30代40代50代以上2.2%26.4%35.6%21.6%14.2%
アナログのツールもデジタル派に負けない根強い人気
今回の調査では、まず初めにイラスト制作でよく使うツールは「アナログかデジタルか」が探られました。タブレットやペイントソフトが普及した現代においては、デジタル派が圧倒的な結果になることも予想されましたが、アナログを選んだ人とデジタルを選んだ人の数は意外にも拮抗しています。「断然アナログ」と「どちらかといえばアナログ」を合わせた「アナログ派」は46.4%で、「断然デジタル」と「どちらかといえばデジタル」を合わせた「デジタル派」は43.8%です。
アナログツールをよく使う理由の例・デジタルだと機能が多すぎて使い方を覚えられず、すぐには慣れないから(10代女性)・画のタッチや描く感覚が、アナログのほうが好きだから(20代女性)・小さい頃からずっとアナログでのイラスト描きに慣れているので、自然とアナログを選んでしまいます。自分の筆圧が再現されやすいことや、アナログならではの仕上がりも好きで、アナログを続けています(40代女性)一方、デジタルツールを選ぶ人の多くは「便利さ」や「効率の良さ」を重視しているようで、画材の準備や片付けの手間が少ないこともポイントとなっているようです。
デジタルツールをよく使う理由の例・「描いた線をパッと消せない」「拡大縮小や投げ縄機能がない」など、アナログは難しい(10代女性)・手軽に修正でき、暗い場所でも色彩がはっきりわかるので、デジタルで描くことが多いです。デジタルデータとして保存でき、SNSへの投稿が綺麗にできるのも理由(20代男性)・初めからデジタルで描き始めたという理由がひとつ。
各種のデジタルツールを抑えて1位に選ばれた「色鉛筆」
具体的に「イラスト制作でもっともよく使うツール」を複数回答可で尋ねる質問では、1位に色鉛筆(29.8%)が選ばれました。2位は「アイビスペイント」(20.2%)、3位は「CLIP STUDIO PAINT」(13.6%)、4位は「Adobe Photoshop」(11.2%)で、デジタルツールの定番が並んでいます。
上位5位までのそれぞれの画材・ツールが選ばれた主な理由は以下の通りです。
1位
色鉛筆 ・メーカーによって塗り心地が違って楽しい。繊細な色表現ができる(20代女性) ・高い道具なんて揃えなくてOK。十分ですし、コスパ最強なので気軽に練習できます。気軽に始められる点がとても大事です(30代男性) ・色鉛筆は扱いやすく、色の重ね方で温かみのある表現ができるからです(50代以上男性)2位
アイビスペイント ・無料で多くの機能を使えるから。
CLIP STUDIO PAINT ・イラストよりも漫画を描くほうが多く、漫画制作ソフトとして使い慣れているためイラストでも使用しています。ペンや素材が多く、選ぶのが楽しいのもあります(30代女性) ・持ってるアプリの中では一番多機能。また使用人口が多いのでHow to情報もネットで探しやすい(40代男性)4位
Adobe Photoshop ・昔からあるツールのため、改善改良がされており、とても使いやすいから(30代女性) ・Photoshopやillustratorは昔から使ってますし、業界標準で副業をやるには必要になるからです。ゆっくりムービーメーカーで立ち絵を作るときには、Photoshopを使用しています(40代男性)5位
鉛筆 ・濃淡で影と光の感じが綺麗に出るから好きです。儚い系から漫画みたいな力強い感じも再現しやすくて楽しいです(20代女性) ・シンプルな分、純粋な表現力で勝負できるからです(30代男性)
今後使ってみたいツールの1位は「生成AI」
最後に、今回の調査では「イラスト制作で今後使ってみたいツール」についても質問しています。最も多い回答は、ほかの選択肢に大きな差をつけて28.0%の票を集めた「生成AIを利用したツール」でした。2位の「CLIP STUDIO PAINT」と比べても3倍以上の数値で、生成AIに対するユーザーの意識の強さを感じさせます。
「今後使ってみたいツール」に生成AIを選んだ理由の例・生成AIには少し期待している。イメージを簡単に描けば、それをリアルにしてくれるなど(20代男性)・AI作成ツールや、ChatGPTを使用したイラスト作成に興味をもっています。
今回の調査では、色鉛筆をはじめとするアナログツールが、現在でも想像以上に根強い人気を保っていることが強く印象に残りました。なお、本アンケートは20~40代がメインで10代の回答者は比較的に少なかったため、10代とそれ以外で年代によってはどのくらいの差が見られるのかも気になるところです。
アナログの画材では、色鉛筆のほかにも、鉛筆/シャープペンシル/ボールペンといった比較的に身近なアイテムの人気が高かったことも興味深い結果でした。本調査で監修を務めたイラストレーター・田上千晶氏も「やはり気軽で親しみやすく、利便性の高いものが選ばれやすいのでしょう」と考察を加えています。「絵の具」が10位以内にランクインしていなかったこともやや意外で、「準備や後片付けを気にせずに楽に描きたい」という志向の表れと言えるかもしれません。
●出典「アタムアカデミー」:
https://atam-academy.com/
株式会社アタム
URL:https://atam-academy.com/
2025/12/26











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