◆二宮和也、撮影を回顧
全国8劇場限定で舞台挨拶を生中継しながら、ネタバレ=秘密を共有する、異例づくしのシークレットミーティング。上映終了後、熱が冷めやらぬまま会場にテーマ曲のボレロが流れると、主演の二宮、川村元気監督が登壇。「本日はお越しいただきありがとうございます!そして、中継先の皆さんもありがとうございます!今日は色々お話できたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします(二宮)」、「まずは日本最速上映に参加できた皆さん、おめでとうございます(笑)。いままで僕たちは内容全体の半分も話せない状態だったので、今日は思い切り中身について皆さんと共有できたらと思います。観ていただいたからわかると思いますが、映像はもちろん、音にもとてもこだわって作っていたので、最初にこの作品を観ていただく方には世界最高の音で観ていただきたいという想いがありました(監督)」と、各々挨拶をすると、会場からは大きな拍手が。その拍手に応えるように「映画公開前に有料の先行上映なんていままで経験がなかったので、お金を出していただいて、しかも全国の映画館でこの映像が流れるなんて、すごいことですよね(二宮)」と、二宮は嬉しそうにコメントした。
まずは、映画を観終えたばかりの観客を前に「感想がやっぱり気になります。原作が好きで映画を観ようって方もいますからね。最初に話を聞いたとき、一本の映画になるのだろうか…?と、多くの皆さんと同じように不安な気持ちでした」と二宮が言うと、川村監督は「僕にはそんな不安な様子を見せていなかったけど、やはり不安だった?確かに、最初に原作のゲームに出会ったとき、あの日本的な白くてきれいな空間でループする映像をスクリーンでみたら面白いだろうな、『異変がある』『異変がない』の2択の繰り返しのルールが大きな人間ドラマに関わってきたら面白いだろうなと思ってプロットを作ったんです。その後、すぐに二宮くんに見せたけど、そのときの二宮くんは確かに不安そうな顔をしていました(笑)。二宮くんも脚本協力でクレジットされているけど、もはや誰がどのアイデアを出したのかわからないくらい、最初からディスカッションしてみんなで作っていきましたね」と話した。
本作では、登場人物に全員、名前がない。
本作では「脚本協力」として、製作に深く携わっていた二宮。監督とのコンビネーションは、ある意味無限ループのようだったそう。川村監督は「一緒に編集した映像を観て、夜に現場で“次の日にこのシーンを録り直そう”“構成を変えよう”みたいな打ち合わせをして、共同脚本の平瀬くんと脚本を修正して、夜のうちに二宮くんに送って、修正して、翌朝打ち合わせをして、また同じシーンを撮影する…みたいな本当にゲームのテストプレイのような撮影でした」とコメント。二宮は「みなさん“今日、何を撮るの?”みたいな感じでしたよね。そんな作業を繰り返す毎日でした」と話した。
「ずっとループしているようなぐるぐるしている話なので、本当にしびれました」と話すように、今まで多くの作品に出演してきた二宮も初めてだったという特殊な撮影方法。川村監督は「ゲームと映画の境目が曖昧な映画体験をしてほしくて。ゲーム実況も同じですよね。なので、この作品も同じように観てもらって、途中で頑張ってゲームをクリアしようとする二宮くんをみて楽しい!みたいな、ゲームを見ているような体験が映画になっていれば、それは史上初かなと思って作りました」と明かした。
本作の演技について二宮は、「塩・胡椒くらいの味付けしかしていない」と言う。それに対し、「映像を編集していて気付くんですよ。ここのシーンは二宮くん、動きが早すぎでは…って思っても、編集してみたら、早いほうがよかったみたいなことが多くて。ペース配分に関しても天才なんだって思いました」と、監督が話すとにっこりと笑顔になってご満悦な様子の二宮。場内から中継先まで拍手が巻き起こると「ありがとうございます!」と嬉しそうに全方位に向けてお辞儀をし、感謝を伝えていた。
◆二宮和也、観客と秘密を共有
その他、まだ明かせない映画製作の裏側をたっぷり話したところで、イベントの本題へ。映画公開まで3週間となった本作だが、「二宮さんから全国のお客様へお話したいことがあるんですよね?」とMCに聞かれると、二宮が「公開に先駆けてご覧いただいた皆様に、お願いがあります」と手紙を読み上げ、約3,000人の共犯者(観客)に向けてネタバレに関するお願い事を発表。ここでしか聞けない秘密の共有に、会場全体が真剣に耳を傾けていた。
「作った僕たちも一回どのような映画なんだろうって、カンヌ国際映画祭で拍手を浴びてもまだ実感が湧かなくて。こういうところがおもしろかった、なんて感想を聞きたいので、是非ネタバレを回避しながらコメントを書いてほしいですね(監督)」、「皆さんもいままで数々の映画を観てきた中でも、本作は異質な作品に入ってくると思います。だからこそ感想を聞いてみたい。ネタバレを気にして書くことがなかったら“良かった”だけでもいいので(笑)、是非多くの声を聞かせてほしいです(二宮)」と締め、異例づくしのシークレットミーティングが終了した。
◆“歩く男(河内大和)”も登場
トークセッションが終了し、一旦、二宮と監督が降壇すると、本編の中で異質な存在感を放つ“歩く男(河内大和)”が場内にサプライズで出現。「え…!?」と、ざわざわする場内をよそに、真顔で客席をぐるっと一周すると、ポツンと空席になっていたシートに着席。そのまま二宮、監督が再入場しフォトセッションがスタート。“歩く男”のうちわを掲げたお客様に混じって“歩く男”が写り込む、異変だらけのフォトセッションとなった。
◆二宮和也主演「8番出口」
2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏がたったひとりで制作し、累計販売本数190万超の世界的ヒットを記録したゲーム『8番出口』が実写映画として劇場公開。これまでに数々の映画を製作し、初監督作『百花』(22)で第70回サン・セバスティアン国際映画祭にて日本人初となる最優秀監督賞を受賞した川村氏が監督・脚本を務めた本作は、既にアジア、ヨーロッパなど100以上の国と地域での上映が決定している。
2025年5月には、第78回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション【ミッドナイト・スクリーニング部門】へ正式招待され、二宮と小松菜奈、川村監督がフランス・カンヌの地へ。さらに先日、国内初となるイベント「88m無限ループカーペットアライバル」を開催。レッドカーペットならぬ、88mのイエローカーペットを二宮と小松、「8番出口」といえばの“おじさん”河内大和と、川村監督が歩き、8つの異変を探しながら、集まった多くのファンと交流した。(modelpress編集部)
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