【モデルプレス=2025/09/09】作家・永井紗耶⼦氏原作の⼩説 『⽊挽町のあだ討ち』(新潮社刊)が映画化決定(2026年2⽉27⽇公開)。俳優の柄本佑が主演を務め、渡辺謙が共演する。


◆小説「⽊挽町のあだ討ち」映画化決定

原作『⽊挽町のあだ討ち』は、23年に第169回直⽊賞、そして第36回⼭本周五郎賞をダブル受賞した傑作時代⼩説。江⼾の芝居町で語り草となった⼤事件をめぐるその物語は、「時代考証の確かさ」と「登場⼈物たちのリアルな感情描写」が各⽅⾯から⾼く評価され、江⼾の世界へと導かれるような⾒事なストーリー展開は、多くの読者の⼼を震わせた。さらに、芝居⼩屋を舞台にした⼈情作品でありながら、その巧妙な展開構成が称賛され、「このミステリーがすごい!2024年版」国内編や「ミステリが読みたい!2024年版」国内篇など、数多くのミステリー賞にランクイン。25年には歌舞伎の舞台化も決定し話題に。好評のうちに千秋楽を迎えた。

そして、満を持しての映画化となる今回、原作者の永井氏は「この作品は、読者の皆様を江⼾の芝居⼩屋にご案内するような気持ちで書いていました。それが、オーディブル、歌舞伎に続き、映画に。実際に撮影現場で芝居⼩屋のセットに⼊った時、まるでタイムスリップしたような臨場感がありました」と本作への期待と興奮を語った。

◆柄本佑&渡辺謙、初共演で“江⼾ミステリー”描く

主演を務めるのは、『きみの⿃はうたえる』(18年)で第73回毎⽇映画コンクール男優主演賞、第92回キネマ旬報ベスト・テンでは他2作品とともに主演男優賞を受賞するなど、数々の映画賞を受賞し、その類稀な表現⼒で観るものすべてを魅了する実⼒派俳優・柄本。24年に放送されたNHK⼤河ドラマ『光る君へ』での記憶も新しい、その確かな演技と⾊気で視聴者を虜にする柄本が演じるのは、仇討ちに隠された真実に迫る⽥舎侍・加瀬総⼀郎。刑事コロンボを思わせるチャーミングな性格でありながら、鋭い観察眼も持ち合わせ、探偵のように事件を暴いていく。柄本の軽妙さは今作でも存分に役に落とし込まれ、親しみやすいキャラクターとなっている。


柄本は、出演にあたって「原作を読んだことのある⽅は『あれ、どうやって映画にするのん??』と思われるかもですがご安⼼を。流⽯源(孝志)監督。ホンを読んで『そうきたかぁ』と唸りました。是⾮お楽しみにしていただけたら、これ幸い」とコメント。慣れ親しんだスタッフとともに作り上げる本作への⾃信を明かした。

共演には、03年公開の『ラスト サムライ』で第76回アカデミー賞助演男優賞他、数々の賞レースにノミネートされると共に、第30/第33回⽇本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞している⽇本映画界屈指の名優・渡辺。海外でも⾼く評価されるその演技⼒は今年の⼤河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(25年/NHK)の⽥沼意次役でも遺憾なく発揮され、視聴者に衝撃を与えた。今作では総⼀郎が訪れる芝居⼩屋「森⽥座」の中⼼⼈物であり、仇討ちを成し遂げたその裏で密かに謀略を巡らせていた⿊幕の⽴作者・篠⽥⾦治を重厚かつミステリアスに演じる(※⽴作者=江⼾時代の歌舞伎における、企画から脚本執筆の総指揮を執る⼈物)。

映画化が決まる前から原作ファンであったという渡辺は「原作を読んだ時、この作品映画でやりたいなと思っていました。源さんから出演をオファーされた時、2つ返事でした。脚本はミステリーと群像劇の要素が⼊り、東映らしい痛快なチャンバラ時代劇になりました」とコメントし、出演への喜びを語った。2⼈は今作が初共演。
映画界を牽引するこの2⼈の演技がどのような相乗効果を⽣み出すのか。

監督・脚本は、『グレースの履歴』で第42回向⽥邦⼦賞をはじめ数々のドラマ賞を受賞し、『スローな武⼠にしてくれ~京都撮影所ラプソディー~』(19年/NHK BS)、『忠⾂蔵狂詩曲No.5中村仲蔵 出世階段』(21年/NHK BS)など画期的な時代劇ドラマで⾼い評価を得ている源氏が務める。また、『東京タワー』(05年)や『⼤停電の夜に』(05年)、『TRUE COLORS』(24年/NHK)など、その卓越した映像美と⼼の機微を丁寧に描いた⼈間ドラマに定評のある源氏は、この作品のメガホンをとるにあたり「役者の顔が⾒えてきたら、脚本は⼀気呵成に書き終えた。まだ完成前だが、原作を読んだ読まないにかかわらず、最後まで疾⾛感を感じるエンターテイメントになっていると思う」と意気込んだ。

本作のプロデューサーを務めた須藤泰司氏は「柄本佑を筆頭に、全員クセ者、訳あり男⼥。締めるは⼤ボス渡辺謙。誰がホントか嘘なのか?時代劇が再び脚光を浴びる中、東映京都の職⼈たちが咲かせた『あだ討ち』の花、とくとご覧あれ!!」と期待を込めてコメントを寄せている。

◆「⽊挽町のあだ討ち」謎が深まるティザービジュアル公開

さらに、ティザービジュアル2種も解禁。3分割されたビジュアルには、何か思案するような仕草でこちらを⾒つめる総⼀郎と、険しい表情とともに鋭い眼光を向ける⾦治の姿が。その2⼈の間には、鮮やかな⾚⾊が映える美しい着物を纏い、雪道を歩く⼥性の姿が⽬を引くルックとなっている。この⼥性は何者で、どこへ向かっているのか。そして⼥性と2⼈の関係は。
「この町が、観客を⽬撃者に変えた」のコピーが⽰す、観客が⽬撃したものとは⼀体何なのか、謎が深まる。

もう⼀⽅のビジュアルは、⼀⾯に積もった雪の中、事件現場を彷彿とさせる⾚い花弁を前に考え込むような総⼀郎の姿と、その傍に意味深げに落ちている⾚い和傘が印象的なデザイン。2つのビジュアルにある雪⾯と⾚い傘は何を意味するのか。「謎は、『江⼾の町』で花開く」のコピーが表すように、ここで起こった事件の謎を総⼀郎が追いかけるような構図となっており、1枚⽬のビジュアルと合わせて楽しむことができる。(modelpress編集部)

◆柄本佑コメント

何を隠そううちの⽗は⽊挽町の⽣まれでして、今作の⼩説が出た時に「これは読まなければ」と、あまり本を読まない僕が珍しく買って読んでた⼩説なわけなのですが、まさか⾃分にお話が来ようとは思いもしませんでした。源監督は出演数の1番多い監督。スタッフも勝⼿知ったる旧知の仲間。皆さんとのお仕事はいつも楽しいばかり。加えて京都太秦撮影所でのがっつり撮影ですから、隅から隅まで俺得でしかない現場でした。原作を読んだことのある⽅は「あれ、どうやって映画にするのん??」と思われるかもですがご安⼼を。流⽯源監督。ホンを読んで「そうきたかぁ」と唸りました。
是⾮お楽しみにしていただけたら、これ幸い。

◆渡辺謙コメント

原作を読んだ時、この作品映画でやりたいなと思っていました。源さんから出演をオファーされた時、2つ返事でした。脚本はミステリーと群像劇の要素が⼊り、東映らしい痛快なチャンバラ時代劇になりました。

◆永井紗耶⼦氏(原作者)コメント

この作品は、読者の皆様を江⼾の芝居⼩屋にご案内するような気持ちで書いていました。それが、オーディブル、歌舞伎に続き、映画に。実際に撮影現場で芝居⼩屋のセットに⼊った時、まるでタイムスリップしたような臨場感がありました。監督、スタッフのみなさんのパワーと、役者さんたちの熱演によって、新しい⾓度から表現される『⽊挽町のあだ討ち』。ぜひ多くの⽅に、楽しんで頂きたいと思っています。

◆源孝志監督コメント

直⽊賞を受賞して間もない『⽊挽町のあだ討ち』を映画化したい、監督してもらえないか?というオファーを受けたのは、「⾚坂⼤歌舞伎」「中村仲蔵」など、江⼾歌舞伎の世界を舞台とした作品が続いていた時期だった。正直、私的には歌舞伎ものはお腹いっぱいで、半ば断ろうと思っていた。思っていたのだが…渡された原作を、ついつい⼀晩で読んでしまった。
⽣き場所を失って芝居⼩屋に流れ着いた江⼾の演劇⼈たち。彼らの細やかな悲しみが丁寧に織り込まれたエピソードが、重層的にストーリーを動かし、次第に仇討へと収斂されていく展開が⾒事だった。脚本をどう書くべきか?と悩んでいた頃、別作品のミーティングでたまたま会った渡辺謙さんが、「『⽊挽町のあだ討ち』読んだ?あれ、⾯⽩いよね。映画にならないかなぁ」と私に⾔った。私はシレッと聞き返した。「謙さんなら、どの役がやりたいですか?」「そりゃ〇〇〇でしょう?」「いや、△△の⽅がいいと思いますよ」「何それ?源さんが撮るの?」「いやいやいや…」キナ臭い役者と監督の会話である。この作品を映画化するにあたって、1つ難度の⾼い問題があった。私に監督を依頼したプロデューサーは、この⼈情溢れる物語を、サスペンスタッチのエンターテイメントに仕⽴て上げて欲しいという。無茶な話である。この無茶振りに対する打開策を数⽇ぐるぐると悩み、やがて唐突に「解」を得た。ダラっと家で⾒ていた『刑事コロンボ』の再放送が、その『解』をもたらしてくれた。コロンボの如く、ニュルっと仇討ちに隠された謎に切り込んでいくのは、原作では⼀⾔も喋らない男。
すぐに、柄本佑のニュルっとした笑顔が思い浮かんだ。その前に⽴ちはだかるのは、渡辺謙率いる、クセ強めの“森⽥座アヴェンジャーズ”。彼らが守ろうとしたものはいったい何なのか?役者の顔が⾒えてきたら、脚本は⼀気呵成に書き終えた。まだ完成前だが、原作を読んだ読まないにかかわらず、最後まで疾⾛感を感じるエンターテイメントになっていると思う。

◆須藤泰司氏(プロデューサー)コメント

クリスティの『オリエント急⾏殺⼈事件』を江⼾の町に置き換えたような上質のミステリー、粋で痛快なストーリー。そして歌舞伎の華やかさ。そんな原作⼩説の持つ魅⼒をさらに膨らませ、極上のエンタメ作品が誕⽣しました!柄本佑を筆頭に、全員クセ者、訳あり男⼥。締めるは⼤ボス渡辺謙。誰がホントか嘘なのか?時代劇が再び脚光を浴びる中、東映京都の職⼈たちが咲かせた「あだ討ち」の花、とくとご覧あれ!!

◆「⽊挽町のあだ討ち」ストーリー

ある雪の降る夜、芝居⼩屋のすぐそばで美しい若衆・菊之助による仇討ちが⾒事に成し遂げられた。その事件は多くの⼈々の⽬撃により美談として語られることとなる。1年半後、菊之助の縁者と名乗る侍・総⼀郎が「仇討ちの顛末を知りたい」と芝居⼩屋を訪れるが…。菊之助に関わった⼈々から事件の経緯を聞く中で徐々に明らかになっていく事実。果たして仇討ちの裏に隠されたその「秘密」とは。そこには、想像を超える展開が待ち受けていた。

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