◆大森元貴、フェーズ3初インタビュー
フェーズ2の終着点として臨んだ「レコ大」、そして「紅白歌合戦」。その大舞台を駆け抜けたMrs. GREEN APPLEは、立ち止まることなく、フェーズ3へと歩みを進めた。インタビューを行ったのは、お茶の間を和やかなムードで包んだ「Mrs. GREEN APPLE 2026年 元日生配信」の直後。これまでの活動を振り返りながら、フェーズ3開幕後初のデジタルシングル「lulu.」(1月12日リリース)に込めた思い、国立競技場4DAYSおよび大阪・ヤンマースタジアム長居でのツアー開催、さらに「DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”」の映画化まで――。新章に突入した今だからこそ語れる、フェーズ3の現在地をたっぷりと聞いた。
◆ミセス、フェーズ3までの休止期間がない理由
― デビュー10周年に向かって、フェーズ2は本当に速いスピードで駆け抜けた期間だったと思います。この約4年間を振り返って、今率直に「どんな時間だった」と感じていますか?
大森:「臨界期」「成し遂げる」そういったワードが浮かびます。僕にとって一番目まぐるしかったし、意義や大義をすごく考えて成し遂げたフェーズでした。
― 今回は、フェーズ2からフェーズ3までの間に休止期間を設けませんでした。それはフェーズ2の中での成熟度が新しいフェーズに行くにあたって十分であると判断されたのでしょうか。
大森:フェーズ1が完結してからの休止期間を例えるならば、陸地などの違う生体環境に身を置くための変態期だった気がするんです。
― フェーズ2を締めくくるにあたり「日本レコード大賞」3連覇、そして「紅白歌合戦」“大トリ”という、まさにデビュー10周年を締めくくるにふさわしい終わり方でした。現在の心境はいかがですか?
大森:嬉しい気持ちはもちろんありましたが、大前提として、それ以上に「1つ背負ったな」という感覚のほうが大きかったです。自分たちがやろうとしてきたこと、やってきたことの凄みのようなものを、1つの形にしていただいた感覚です。期待や責任をはっきりと突きつけられるきっかけだった気がします。だからこそ嬉しい気持ちと、互いに背中をさすり合うような感覚が同じくらいの比率でありました。
― 1回目、2回目の受賞とは、またちょっと違った心境でしたか?
大森:3回目は違いましたね。周りも「3連覇」と勝手に言うじゃないですか(笑)。
― メンバーの皆さんとはお祝いされましたか?
大森:余韻に浸る間もなく、すぐに紅白に突入しました(笑)。でも、チームとして、労いの気持ちを共有するようなことはちゃんとやりたいですね。
◆「レコ大」3連覇経て語る“怖さ”
― 「日本レコード大賞」の受賞コメントで、「3連覇という意味、大義をすごく考えます」と発言されました。大森さんはミセスの持つ“大義”は、フェーズ2からフェーズ3はどのように変わっていくと考えていますか?
大森:エンターテインメントという枠の中で、ありがたいことに、すごく大きな主語で形容してもらうことが増えて、それと同時に背負っているものが大きいと感じています。「日本の音楽を背負っている」なんて言うと、さすがに大きすぎるとは思いますが、でも冗談じゃなく、そういう節もある気がしていて。
たまたま僕らが、フェーズ2という目まぐるしい時期に、少しだけ時代に選ばれたという側面があっただけなんじゃないかな。フェーズ2で「売れたいから人に分かってもらえるように作ろう」といった気持ちで曲を書いた瞬間は1ミリもなかったので、根本は変わっていない気もします。これからは制作においてより「自分たちらしくいること」を改めて考えるフェーズに入っていくと思いますね。外的な評価や形に残る何かというのを気にしてしまうと、イタチごっこが始まっちゃうだけなので、なるべくそういうものに惑わされず、真摯であり続けられたらと思っています。
― 受賞のタイミングで、会場の皆さんがスタンディングオベーションをして祝福していて「やっぱり、ミセスだよね」という空気がすごく溢れていたと感じました。
大森:それはすごく怖いことですけどね。でもありがたい思いもあります。
― それは背負うものが大きすぎて怖いということでしょうか。
大森:だって変じゃないですか。僕は曲を作ることやメディアに出ることは、生活の一部ではなくて、毎回自分の中で火を起こさなきゃいけないことなんですよ。でもそれがきっと世間からはすごく当たり前のように見えていると思っています。ミセスという媒体がとてつもない存在として見られているとしたら、それはすごく恐ろしいことだなと思います。1つの花火を上げるために1つの灯火を灯すことは、ものすごいエネルギーが必要です。僕としては、常に着火し続けなきゃいけないので、毎回手や頭を動かして、その作業をしているわけです。それがずっと閃光のように光っているように見えているとしたら、そんなに恐ろしいことはないなと。
― 確かに、世間からは当たり前のように見えているかもしれないですね。
大森:勝手にLEDのように思われているのであれば全然違うんです。僕が体1つで、メンバー3人が体1つでやっていることだし、チームも含めて毎回ロウソクに火を灯すように、すごく繊細で力のいることをやってきているので、それが当たり前に見えてしまうと怖さを感じます。
◆大森元貴、国立競技場4DAYS開催の本音
― そして、元日の生配信では「ゼンジン未到」を冠したツアーの開催が発表されました。
大森:「国立をやりましょう」という話になって「ついに来たか」という感覚はありました。4DAYSはどうかという提案に東京ドーム4DAYSも一瞬よぎりましたが、違うなと。集客力の話も含めて、日本ではバンドとアイドルの文化が全然違うと思っていますが、そういう線引きはいい意味でだんだんなくなってきている気もしているんです。とはいえ、その枠に入ると思うと正直ちょっと恐ろしいです。国立4日間と聞いたときは「そんなこと、本当にやれるのか?」と感じましたが、それは毎回のことで、どの会場でも同じなんですよね。「埋まるの?」「人、来るの?」と毎回言っています。
決して楽観的に「来るっしょ」「やっちゃうっしょ」みたいな気持ちでやっているわけでは全然ありません。ライブハウスで150人のキャパを埋められなかったことも、自主企画のチケットを手売りしていた時期も経験してきているので、あの頃に養った感覚や培った思いは、ずっと頭の中にあるんです。だからどれだけ状況が変わっても、どこかでそれがクッションになってくれて、勘違いなんて出来ない。発表をした今もなお「本当に大丈夫かな」と思っています。
― 開催の規模も段階的に1つずつ大きくなっているのが、ファンの皆さんと一緒に大きく成長していく感じがしてとても素敵だと思います。
大森:「ゼンジン未到」は僕の中では、等身大の自分たちを見せるライブとして掲げてきたものです。自主企画から始まって、2014年から続いているライブシリーズなので、まだ等身大の自分たちしか見せられなかった時期からやっていますが、2024年に「ゼンジン未到とヴェルトラウム~銘銘編~」をスタジアムで開催したことがターニングポイントだったと思っています。その1つ前は2022年にZeppツアーとして開催した「ゼンジン未到とリライアンス~復誦編~」で、そのときはあえてZeppで、ちゃんと細かく回りたいという意識でやっていたので、そういう積み重ねの中で今があるんだと思います。
2024年のスタジアムで開催した時に僕が思ったことは、特別にきらびやかなことをしようとしていたわけではなく「今の等身大のライブを、どうやって見せるのがいいのだろう」「そもそも、今の等身大ってなんだろうね」ということです。そうやって考えていく中で、キラキラした演出や出で立ちも含めて「これが今の等身大なのか」とあとから客観的に観たときに、自分たちや「ゼンジン未到」というライブのポテンシャルを感じました。僕の中ではあくまで「等身大であるライブ」というのが「ゼンジン未到」の定義で、そう考えたときに、2026年の春頃の等身大のミセスってどうなっているのだろうなと。僕自身も楽しみにしています。
― 「MGA MAGICAL 10 YEARS ANNIVERSARY LIVE ~FJORD~」も大きなスケール感でしたが、それとはまた違う2026年のMrs. GREEN APPLEが見られるのでしょうか。
大森:どうなんでしょう(笑)。打ち合わせも始まっているのですが、本当にワクワクしています。どういう風に見せたいとか、自分がどういう風に立っているかのイメージはすでに出来ているので、しっかり形になると嬉しいですね。
◆「DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”」映画化…海外映像プロダクションチームとの撮影を振り返る
― 「DOME TOUR 2025 “BABEL no TOH”」の映画化も発表されました。作品になるお気持ちを教えてください。
大森:美術も細かいところまでこだわりましたし、音の質やキャストの方々、衣装も含めて、全部作品にならなきゃいけないだろうという規模感でしたよね。正直、目を凝らしても情報量としては処理しきれないくらい、いろんなアイデアがぎっしり詰まったツアーだったと思います。だからそれをまた違った形で楽しんでもらえたり、いろいろなことに気づいてもらえたり、そうやって届けられるのは何よりうれしいですね。
― ロサンゼルスのスタッフチームを招集して撮影をしたというお話も伺いました。撮影はいかがでしたか?
大森:本当に一流でしたね。「こういうことをやってみたいよね」という話はしていましたが「じゃあ、どうやってやるか」という発想ではなくて、「もうその人たちを連れてきちゃおう」みたいな…ちょっと謎の発想で実現したところがあって。結果的にたくさんの海外の方たちが来てくれて、カメラマンもそうですし、いろんなポジションの方々が関わってくれた中で「1つひとつの発想って、こういうことなんだな」と感じる瞬間がすごく多かったです。
― 海外の方と作品を作るのは大変だったのでは?
大森:スタッフはきっと大変だったと思いますが、作品を作る中で言葉の壁がまったくなくなる瞬間がやっぱりあるんだなと思って、その感覚がすごく楽しかったです。言葉で細かいところまで説明できるわけじゃないから、「こうやって」「じゃあ俺はここから撮るよ」みたいなやり取りをその場の即興で重ねていく感じで、それらの積み重ねで形が一気に固まっていくんです。結局はその場のバイブスで作っていくものですし、ライブはそうやって生まれていくものだからこそ、グループとしても言語じゃない部分で一緒に何かを作れた、一緒に遊んだという感覚がすごくあります。
◆大森元貴、フェーズ3は「目的地じゃなくて現在地」
― 改めて、フェーズ3を迎えたということで今後の展望について教えてください。
大森:曲を作ることや、その尊さみたいなもの、100年後にも残っていく作品をちゃんと作るということは意識しています。どこで、どんなふうに巡り合うか分からないけれど、そういうポテンシャルや潜在能力を持った作品を作っていきたいです。もちろんテレビやいろんなメディアに出させていただいて、フェスにも楽しく参加させてもらいましたけど、だからといってそこを緩めるわけではなくて創作や制作そのものにもっとストイックに向き合いたいなと思っているので、これからどうなっていくんでしょうね。
フェーズ3の展望については、あえて明確なことを決めていなくて、1曲1曲を大切に作っていけば、きっとどこかで繋がっていくものがあるんじゃないかな。フェーズ2は「こうなりたい」「ここでこうしておかないと次に行けない」とずっと思い描いていました。フェーズ3は「目標や目的地じゃなくて、現在地のフェーズなんです」と話したことがあって、常に進んでいく自分たちに視点がある、そんな状態でいられたらいいなと思っています。
― 100年後に残る曲というのは、これまでも意識してきたことかと思います。グループが大きくなるにつれて、より意識するようになったのではないでしょうか。
大森:そうですね。改めて振り返ると、すごいという訳ではなく、これは音楽史に残っちゃうなという恐ろしさを感じていた、いろんな意味で激動の中にいる自覚が芽生えたフェーズ2でした。手を抜いたことは1回もないと言い切れるぐらいやっていましたけど、手探りで未開拓な部分を進んでいく怖さじゃなく、そこに対する楽しさをエネルギーに変えていけたらいいなと思います。1度未開拓のところを開いたという自負があるので、そういう経験があるからこそ楽しみたいですね。
― フェーズ2は息をつく間もなく走り続けてきたと思われますが、息をつく瞬間はありそうですか?
大森:なきゃいけないと思っていますよ。心身的、組織的にもそうですし、それこそ音楽史的にもそうですし、これだけ働いていないと1位を取れないんだと思われるのは癪なので、ちゃんと休息の時間も大切にしたいです!
1月10日18時公開のVol.2では、フェーズ3開幕後初のデジタルシングル「lulu.」(1月12日リリース)の制作秘話について深掘りする。(modelpress編集部)
インタビュアー:高田 景太
◆大森元貴(おおもり・もとき)プロフィール
1996年9月14日生まれの音楽家。作詞家・作曲家であり、バンドMrs. GREEN APPLEのフロントマン。Mrs. GREEN APPLEでは全楽曲の作詞/作曲/編曲、 さらに作品のアートワークおよびミュージックビデオのアイデアまで、楽曲に関するすべての要素を担当している。その楽曲は、主要ストリーミングサービスにおいて31曲が総再生数1億回を突破(アーティスト別単独1位)、全楽曲での国内累計ストリーミング数が110億回を超える史上初のアーティストとなった。
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