◆三代目JSB、デビュー15周年記念ライブにファン熱狂
2010年のデビューから音楽シーンに数々の歴史を刻んできたJSB3が目標としてきたスタジアム単独公演。
雨に包まれていた空も、開演直前には予報を覆す晴れ間が差し込む。そんな天の祝福もある中、オープニング映像が流れ始め、徐々にアリーナにいるMATEも、スタンドにいるMATEも立ち始める。映像はこのヤンマースタジアム長居が次第にJSB3のための王国に変わっていく様を描いており、迫力のある映像美とBGM、ライトスティックを使った演出、サポートダンサーのフラッグを用いたパフォーマンスによって、ライブへの高揚感を極限まで高めていく。
そして『J.S.B. DREAM』が鳴り出し、メンバーの姿が見えると、爆発の演出を凌ぐほどの凄まじい歓声がスタジアムを包み、早くも熱狂。そこから次第に楽曲に合わせてアリーナもスタンドも体を動かし始め、一体感が生まれていく様は圧巻。OMI(※「O」はストローク付き/登坂広臣)の歌声がスタジアムで綺麗に響くと、NAOTO、小林直己、ELLY、山下健二郎、岩田剛典もこの景色をじっくり味わうように踊っていた。
スタジアム中に「HEY!」や「OOH!」という声が響き渡り、その勢いを受けたOMIもさらにパワフルに歌い上げる。そこから夜空を思わす映像がモニターに映し出され、OMIが「準備はいいか、MATE!」と問いかけて『O.R.I.O.N.』がスタート。今度はハンズアップをしながらの「YEAH!」というレスポンスと、クラップがスタジアムを包む。OMIの「さぁいくぞ!」という掛け声から、息の合ったダンスでも会場を魅了。
また、この曲からメンバーはアリーナ中央を囲むムービングステージに乗り始め、客席付近を移動しながらパフォーマンス。全員そのステージのギリギリまで前に出てパフォーマンスする姿から、少しでも近い距離で思いを届けたい意志が伝わってきた。それに応えるように盛り上がり続けるMATEの様子を見て「あったまってきたか、スタジアム!」と煽ったOMI。終わると今度は全体が青に染まり「懐かしい曲いくぞ!」と2014年リリースの『JSB Blue』を披露し、OMIの爽やかな歌声が吹き抜ける。続くは一転ネオン感のある『Welcome to TOKYO』。色気と力強さを兼ね備えたダンスで魅せていく。
山下も「後ろまで見えてるぞ!」と言わんばかりのマイムを披露。360度どこから見ても隙のないパフォーマンスをメンバーは届け続ける。ムービングステージが最後方まで到着して始まったのは『FIGHTERS』。
ここでOMIが「改めて皆さん、三代目 J SOUL BROTHERSです!」と挨拶し「ここまで楽しんでくれてますか!」と尋ねると当然の歓声。「晴れましたね」とつぶやいた後「今日は感謝の気持ちをしっかり伝えて、最後まで1つになりましょう!」と伝え「次の曲も一緒に歌っていくよ。準備はいいか?」から『Feel The Soul』に。「一緒に歌って」「MATEの声聴かせて!」とOMIが言うと、全体から歌声が聴こえた。メインステージのモニターに歌詞が表示されていたが、観客の大半の目線はパフォーマンスが行われていた後方のステージ。それでも見事に歌われていたのは、楽曲そのものの良さがしっかりMATEに根付いている証拠だろう。
またアリーナにはカラフルなバルーンも投げ込まれワクワク感が増幅。パフォーマー5人も、ゆっくりムービングステージの上から全方位に手を振って、そして目を見て感謝を伝えていた。完全に全員の魂のチューニングが合わさっている無敵のスタジアム。「もっともっと俺たちにぶつけてください!」という『Yes we are』のコールアンドレスポンスも見事な一体感を見せた。
◆三代目JSB、これまでの軌跡振り返る
ざわめきの中、モニターに彼らの軌跡をまとめた映像が流れ出す。2025年から1年ずつ遡っていき、2010年のデビュー年まで遡った後、ステージで披露されたのは『Best Friend’s Girl』。デビュー曲だ。メインステージ上に設置された蔦苔で装飾された階段の上で、衣装も着替えたメンバーがパフォーマンス。しっとりとした曲調にOMIの甘美な歌声とパフォーマーの指先まで情感たっぷりなダンスはマッチし、この15年で磨き上げたものを感じさせた。「On Your Mark~ヒカリのキセキ~」でも、そのしっとりさは継続。もう陽もほとんど落ちたこの時間帯に合う。アッパーなチューンとは違う、NAOTOや小林の背中が語るダンスにも引き込まれた。
『SO RIGHT』での光の演出も合わないわけがない。
続いてムービーには花火の映像。それに合わせてライトスティックも反応し、和のBGMが流れると、ムービングステージでサポートダンサーが扇子、メインステージでは和傘などを用いて、情熱的なパフォーマンスを披露。一気に空気が変わり、花火の音が物寂しさを帯びてきたところで『花火』へ。代表曲の1つでもあるセンチメンタルなバラードが会場を染め上げた。
ここでピアノの伴奏の中、OMIが1人でMC。
◆三代目JSB、圧巻ステージで魅了
続く映像パートではパフォーマーメンバーを動物に模したキャラクターが活躍。恐竜に立ち向かう姿をコミカルに描き、笑いを誘っていた。そしてここからPERFORMERコーナーがスタート。ELLYの「ブチ上がれるかい!」という声かけを皮切りに、アウトサイダーなモード全開なユニゾンナンバーを展開。
ELLYは海外ドラマにありそうなワンシーンから始まり、「マジでヤバいですね!」と観客とコミュニケーションを取りながら、スタジアムを巨大なクラブへと変えて盛り上げた。そしてまた5人となり、女性ダンサーと共にムーディーな空気を充満させるダンスを見せた後、岩田が闘争心満点のドSモードで会場を煽る。その姿はバトルで成り上がっていくラッパーのよう。その強い言葉の弾丸からは決して15年間順風満帆ではなく、ここまで本気で戦ってきたことが伝わってきた。最後に山下がメインステージにハーレーダビットソンで登場。サポートダンサーと一体となったダンスは本能をビリビリと刺激し、「STORM RIDERS」のタイトル通り存在感を残した。ラストはまた5人でパフォーマンスし「これが三代目 J SOUL BROTHERS!」とELLYが叫ぶと、大爆発の演出でPERFORMERコーナーは終了した。
OMIの動物キャラクターが登場するムービーを挟み、ステージ上にØMIも合流すると『MUGEN ROAD』でまだまだ燃やしていくJSB3。心なしか演出の炎の量が増え、サポートダンサーのフラッグも熱気を煽り、チーム全体でスタジアムの熱を上げ燃やし尽く勢いでと始まった後半戦。続いてモニターに「LOVE」の文字が映し出されたら『Feel So Alive』だ。ELLYが見事なラップを決め、中毒性もある楽曲で会場を魅了した。今度はアリーナの真ん中を通っていくフロートステージに乗って、観客に近付いていくメンバー達。さらなる至近距離にアリーナは沸き立ち、グルーヴもまた一段階上がる。
そしてここからは9曲のメドレー。ダンスもジャンプもコールアンドレスポンスも止まらないラインアップだった。『Summer Madness feat. Afrojack』『Share The Love』『Rat-tat-tat』とダンスが話題になったナンバーから、爽やかで心が軽くなる楽曲達の応酬に天国級のピースフル。バルーンも再度投入された。メドレーの最後は『STARS』。辺り一面、一番星のように輝く笑顔に溢れ返っていた。
本編ラストは『R.Y.U.S.E.I.』。日本の音楽シーンにも燦然と輝く、誇り高きダンスナンバーがこのスタジアムライブの最後だ。OMIの「踊ってくれますか!?」もあり、アリーナもスタンドも思い思いのランニングマンを見せて熱唱する。曲中には本物の花火が打ち上げられたが、もう余裕で掻き消すコールアンドレスポンスとOMIのシャウト。これが正真正銘スタジアムアーティストのキラーチューンだということを見せつけた。マイクに全てをぶつけたOMIは「改めて、三代目 J SOUL BROTHERSでした!ありがとうございました!また会いましょう!」と告げ、最後はカメラに何度も投げキッスを送って、本編は終了した。
◆三代目JSB、アンコールでファンに感謝
アンコールの要求はすぐに起こり、幕間は客席参加型のダンスコーナーで楽しませる。続いて山下主催の山フェス2026、NAOTOの2度目となるソロツアーの開催決定を告知して盛り上げた。そしてロンドンバスがスタジアムに向かっていくムービーが流れると、前方下手側にバスの実物が。そしてバスの上にメンバーが登場し『BLAZE』のパフォーマンスからアンコールがスタートすると、バスはアリーナ側を回り、スタンドにいるMATEを喜ばせた。赤い衣装に身を包んだもちろんメンバーはまだまだヒートアップさせる気満々で全身で歌い踊る。続く『J.S.B. LOVE』では、今にでもバスから飛び降りてきそうなメンバーのアグレッシブさ。ダンスの体力や変わらぬハイトーンは、どれだけストイックにここまでやってきたのだろうか想像もつかない。途中バンドメンバーやサポートダンサーをスクリーンに映して紹介すると、メンバーだけでなく、サポートや裏方も含め、この日が生まれていることを改めて感じさせた。最後はこの日何度目かの大爆発演出でこの愛を締めた。
いよいよアンコールも終盤。最後の曲の前にMCが設けられる。いつの間にか雨は日中のように強く降り出しており、メンバーは「MATEも濡れてるから俺らも濡れよう。みんなでビショビショになろう」とステージの前で話す。岩田は「ほんまおおきに」の後「(このスタジアム単独公演は)10年近く言い続けたステージ。夢が叶いました!ありがとうございます!」重ねて感謝する。「今後の活躍も楽しみにしてほしいですし、さらに盛り上がっていくぞ!」と伝えた。京都出身の山下は煽り煽って「関西ただいまー!」と叫ぶと「おかえりー!」と返ってきて「気持ちいい…!」と一言。ここまで来れたのはMATEのおかげと感謝を伝える。また『1st Place』で盛り上がったのが嬉しかった」と15年という歴史を共に歩んできたファンの姿に喜びをにじませた。NAOTOはMATEに「あんたらすごいわ」と伝え、「俺たちの力を見せつけるぞ!と思ってたんですけど、MATEの力をまざまざと見せつけられたライブでした。このステージまで伝わってきました!」と感謝する。MATEのダンスも成長していとると感じたと話し「これからも僕らとMATEで歴史を一緒に作っていきましょう!」と約束した。
続くELLYが「楽しかったですか!」と聞くと大歓声。「俺らのライブのスタイルはどこのグループにも負けないNo.1のライブの作り方だと思う」と自信を示し「この先も一緒に楽しんでいけますか!」と最後に問いかけ、再び大きな声が返ってきた。小林は「感動しました」と感慨深げに伝える。それは1曲目に登場した瞬間から、スタジアムの景色、歓声を聞いて感じたとのこと。みなさんもこのライブに「絶対に来るんだ!」という強い思いを持ってさまざまな準備をして、このスタジアムに臨んでくれたことが伝わったと話す。15年の中からいろんな曲をやって、客席がそれを「あの時ああだった」というのを噛み締めながら楽しんでいるように見えたと振り返ると「一生忘れられない日になりましたか!」と問いかけ、「今日しかできないライブができた」感謝を伝えた。
最後のOMIは「なるべくベストを尽くそうと」と話すと、メンバーと客席から労いの言葉と拍手が届く。「みんなに助けられた」と感謝し「雨が止めば、虹がかかります」「皆さんにもいろんな大事な人がいると思います。僕らにとっても大事な人がいますので、どうかその虹の向こうに届くように、一緒に歌ってください」と伝え、最後の曲「RAINBOW」に繋げた。ライトスティックで虹色に染まるスタジアムはメンバーと一体となって歌う。一体となって手を振る。その手をメンバーに向けると、たしかに手を取り合った感触がそこにはあった。いろんな感情が押し寄せたのか、ELLYは感極まるとからの道のりを思い返すように空を見上げ、OMIの目にも光るものがあった。そしてOMIは「大丈夫。また会えるよ」と伝えた後、最後の1パートを歌い上げた。感動的なアウトロの中「三代目 J SOUL BROTHERSでした!ありがとうございました!今日来れなかった全てのMATEにも感謝してます!本当にありがとうございました!」とOMIが感謝を伝えステージを後にしたメンバー。そして最後にモニターに”FOR MATE”という言葉が映し出されて、スタジアムライブ初日は終了した。
この日は5万人が集まったが、会場は完全に一体となり、スタンドの最上階の端の方まで楽しむ姿が見られた。その理由はいろいろあると思うが、このスタジアムライブで印象的だったのは、MATEとメンバーとの絆が1本1本強く繋がっているということ。15年の歩みを経て、タイトルの“ONE”のように強く結びついていたことだった。1人1人との出会いに彼らは本当に感謝しているからこそ、MATEも記念すべきスタジアムで15年間の思いを重ねながら全身でその一体感を感じられたのだろう。その共鳴が止まらないライブだった。そんな彼らが約束してくれたこれからもずっとMATEと一緒に紡いでいく未来を心待ちにしている。(modelpress編集部)
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