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「給料は上がらないのに物価だけ上がっていく・・・」「NISAを始めてはみたけれど、これだけで老後は安心できるのだろうか?」「老後資金2,000万円問題の準備なんて、ぜんぜんできていない・・・」
現役世代の会社員であれば、誰もが一度はこのような漠然とした不安を抱えたことがあるだろう。物価の上昇に比べて賃金の伸びが追いつかず、資産形成へのプレッシャーは強まる一方だ。
その一方で、日経平均株価は2025年に入り過去最高値を更新している。株式市場全体は好調であるにもかかわらず、「自分の資産は増えていない」という現実。従来の資産形成だけでは老後の準備、将来の不安払拭の対策は十分ではない・・・という意識が生まれてくるのも当然だ。
資産形成といっても、さまざまなサービスや商品が登場して、いささか混乱している人も多いだろう。その一方で、堅実性の高いNISAでは「不十分」という指摘が最近のトレンドになっている。
こうしたなかで注目を集めているのが、新しい資産形成の手段として台頭している仮想通貨だ。特に、米国ではトランプ大統領が仮想通貨推進の大統領令に署名し、国家として仮想通貨を経済の柱に据える方針を示したことでも世界的な話題となった。
このように、世界規模で金融の在り方が変わり始めているのだ。
2024年時点で世界の暗号資産保有者は5億6,000万人を超え、世界人口の約6.8%に達している(https://www.triple-a.io/cryptocurrency-ownership-data)。特に25~34歳の若年層がユーザー全体の34%を占め、仮想通貨が “日常の資産手段”として受け入れられていることがわかる。
例えば、英国では2024年8月時点で成人の約12%にあたる700万人が仮想通貨を保有しており(Research Note: Cryptoassets consumer research 2024,FCA,2024.11.26)、その普及は確実に広がっている。このような現実を前にして、「自分も仮想通貨をやった方がいいのではないだろうか」と考える日本人も急増している。
確かに、いきなり仮想通貨の口座を開設して取引を開始しても、何のノウハウもセオリーもなければ「単なるギャンブル」になってしまう。そこで本稿では、仮想通貨をどのように運用し、どういったやり方で安全・健全に資産形成をするか、という方法について説明したい。
<資産分散としての仮想通貨>
仮想通貨といえば「ハイリスク・ハイリターン」の印象が強い。一方で近年、仮想通貨が資産分散の一環として、安定した資産運用にも取り入れられるようになっており、まだまだその金額が上昇することも確実視されていると耳にする人も多いだろう。その背景には、大手の金融機関が仮想通貨を積極的に扱い、さまざまなサービスを提供、安全性の高い環境も提供できるようになってきたことも大きい。
しかしながら、初心者にとっては、そもそも仮想通貨とはどのように扱ってゆくべきなのか? 最初の一歩が分からないという人は多いだろう。そこで紹介したいのが、「NISAで資産形成の土台を築き、仮想通貨で成長を狙う」という投資メソッドだ。
資産運用には「コア」と「サテライト」という考え方がある。
コア(中心)とは堅実に守りを固める資産、サテライト(衛星)はリスクを取りつつリターンを狙う攻めの資産のことである。具体例をあげよう。
投資の基本は、「すべてを一つの資産に依存すること」が最も避けたいリスクであるとされる。株だけ、預貯金だけ、NISAだけ・・・では、市場環境の変化に大きく左右され、不安定でリスクは自ずと増大する。そこで重要なことは、性質が異なる資産を組み合わせる、ということになる。ようはリスクの分散である。コアで堅実に稼ぎ、サテライトで積極的に伸びを狙うことがポイントだ。
コア(=NISA)で制度上の優遇措置を活かし、長期的に安定的に資産を増やしていく方法と、サテライト(=仮想通貨)のもつ値動きの大きさを活かした投資で、成長の可能性を取り込んでゆくことで、初心者でも安心して仮想通貨の取引にチャレンジできるというわけだ。
もちろん、仮想通貨とNISAの組み合わせの効果はそれだけではない。株や債券に比べ、仮想通貨は値動きが独特であることが知られている。米S&P500指数や日本株のようなものとの相関は低く、時に逆の動きをすることすらある。そのため、ポートフォリオに少しでも仮想通貨を組み込むだけで、リスク分散効果が非常に高まりうる、というわけだ。
<ビットコインの価格推移が示すもの>
仮想通貨はNISAと組み合わせた運用などは我々初心者の発想にはまったくなかったものだ。
「NISA=コア」+「仮想通貨=サテライト」という組み合わせは攻守併せ持ってなかなかの投資メソッドだろう。例えば、仮想通貨の代表格であるビットコインの例を見てみよう。
2016年1月時点ではわずか5万円だったビットコインが、2017年11月には100万円を超え、2025年1月には1500万円超と約300倍の成長を遂げている。長期で見れば右肩上がりであり、投資期間が長いほど収益が出ていることがわかる。もちろん、「過去の成長が未来を保証するわけではない」という点には注意が必要だ。仮想通貨も投資の一つであると理解した上で、あくまでもリスク分散の一環として、無理のない範囲で余剰資金を使うのが基本だ。利益が約束されているわけではないので、くれぐれもご注意を。
<仮想通貨は「積立」が王道>
とはいえ、仮想通貨初心者には「いつ買えばいいのかわからない」、「値動きが激しくて怖い」といったことが、仮想通貨に抱くイメージだろう。通常の株式相場とは連動しないとなれば、これまである程度投資を経験した人にとってもまったく未知の領域だろう。じゃ、やりようがないではないか?!と言われるかもしれないが、実際には、タイミングを気にせず少額から始められる「積立投資」が仮想通貨にも存在する。仮想通貨投資は、もうその段階まできているのだ。
積立投資の大きなメリットは、ドルコスト平均法を自然に取り入れられる点だ。
この仕組みは、投資初心者にとって心強い味方である。デイトレーダーでもない限り「今が安いから多めに買おう」と判断するのは意外と難しい。しかし積立設定をしておけば、自動で価格変動を吸収してくれるため、投資判断の手間をかけずに資産形成を続けられるのは大きな利点だ。
<積立サービスの比較>
つまり、NISAとの組み合わせによる仮想通貨の運用は、まずは積立から、を強く推奨する、というわけだ。そうなると次に考えるのは、「どの証券会社(取引所)で仮想通貨の積立をするのが初心者には最適か」ということである。
では早速、主要な取引所の積立条件を見てみたい。
・SBI VCトレード:500円~200万円/日次・週次・月次の設定可能。34銘柄。手数料無料。
・GMOコイン:500円~5万円/日次・週次・月次の設定可能。19銘柄。手数料無料。
・Coincheck:1万円~100万円/日次・月次の設定可能。30銘柄。手数料0.1%から4%
・bitbank:積立サービスなし。
まず、bitbankには積立サービスがない、というのは意外だ。まず初心者に気にするのは手数料などのランニングコストだが、SBI VCトレードとGMOは無料。Coincheckは0.1%~4%と幅がある。事情に明るくない初心者としては、後から後悔しないためにも、まずは手数料無料の一択だろう。
次に取り扱い銘柄数だ。これは非常に明白で、SBI VCトレードが34銘柄と頭ひとつ抜けている。
そして最後に最低取引金額だ。SBI VCトレードとGMOコインがいずれも500円とワンコイン投資が可能である。しかし、上限価格を見ると、SBI VCトレードが200万円であるのに対し、GMOコインは5万円。初心者にとっては、上限が大きい方がいいのか、それとも少額の方がよいのか、は個人の投資スタイルにもよるだろうが、将来的な伸び代だけを見れば、GMOコインの5万円はいささか心許ない。Coincheckは、最低金額が1万円に跳ね上がる。もちろん、手数料が無料ではない、という点もあり、候補から外れる。
こうして手数料、銘柄数、取引金額という基本要素から比較してみると、少額から柔軟に始められ、上限額にも伸びしろがありつつ、銘柄数も豊富で、手数料も無料のSBI VCトレードがもっともよい条件であるといえる。
<「積立×レンディング」で最強の運用スタイル>
次に「レンディング」という聞きなれない言葉の紹介だ。実はこれが意外にも仮想通貨投資のキモになっているから侮れない。
積立で着実に資産を増やしながら、さらなる成長を狙うにはどうすればよいのか。その答えが「レンディング」なのである。レンディングとは、仮想通貨をただ持っているだけでなく、取引所に貸し出して利息を得られるサービスのことである。銀行の定期預金に似た仕組みだが、年率は銀行とは比べものにならない。
主要取引所のレンディング最大年率は以下の通り。
・SBI VCトレード:20%
・GMOコイン:10%
・Coincheck:5%
・bitbank:5%
仮想通貨は値上がりばかりが注目される投資であるため見落とされがちであるが、実はこのレンディングこそが長期運用や安定的な投資のためには非常に重要である。単に積立で資産を増やすだけでなく、レンディングを組み合わせることで、効率的かつ大きな成長を狙えるのだ。例えば、最大年率20%を出しているSBI VCトレードは圧巻だ。これだけでも十分に利益性がある。
<長期投資だからこそ信頼できるパートナー選びを>
仮想通貨取引を始めるのであれば、自分の投資スタイルや目的にあった取引所=パートナー選びが重要だ。広告や一時のキャンペーンに釣られて安易な契約をした結果、後々からやりづらくなる、使いづらくなる・・・は初心者が陥るよくあるパターンだ。
積立投資は長期間にわたるものだ。だからこそ、取引所の信頼性は最重要ポイントとなる。例えば、手数料、銘柄数、取引金額、レンディングの基本要素からSBI VCトレードが最適解であるという結論になるが、重要性はその数値だけではない、ということを忘れてはらない。投資家に魅力的な「数値」だけなら、怪しげな投資ファンドがいくらでもネット上に転がっている。
例えば、SBI VCトレードを例にとって考えてみよう。まず、SBI VCトレードは、ネット金融最大手・SBIグループに属している。言うまでもなく、証券、銀行、保険など多角的な金融サービスを展開しており、金融庁監督下で数多くのライセンスを持って運営されている極めて安定性と信頼性の高い会社である。
逆にいえば、そういった安定的な企業であるからこそ、投資家に魅力的な「数値」を安心感と合わせて提供できている、というわけだ。「数値が良いからその企業は信頼できる」のではなく、「信頼できる企業だから、数値が良い」のである。一見同じように見えるが、実は全然違う。SBI VCトレード巨大金融グループだからこそできるNISAや貯蓄と仮想通貨投資を一元的に管理ももちろん安心感の一要素だ。SBI VCトレードその点でSBI VCトレードは、SBIグループの堅実な金融基盤が後ろ盾となっていることで、他社が部分的に優れているのに対し、SBI VCトレードは万能方取引所として、総合力で一歩抜きんでていると言えるだろう。
<NISAで土台を築き、仮想通貨で夢を切り開く>
将来の不安を抱えるビジネスパーソンにとって、最も大切なのは「バランスの取れた資産形成」である。NISAでコア資産をしっかり守りつつ、仮想通貨をサテライト資産として取り入れる。さらに積立とレンディングを活用し、長期的にリスクを抑えながら成長を狙う。この戦略こそが、これからの時代に必要な新しい投資スタイルだ。
仮想通貨は、インフレに強く、分散投資の効果も高い。米国を中心とした法整備の進展やETF承認など、環境も整いつつある。もはや「投機的な存在」ではなく、長期的な資産形成における一つの選択肢として確固たる地位を築き始めている。
不確実性が高まる世界で、ただ不安を抱えて立ち止まるのか。それとも、一歩踏み出して未来の可能性をつかむのか。本稿を参考にして、まずは少額からSBI VCトレード仮想通貨を始めてみてはいかがだろうか。