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「まさか仮想通貨をもう一回やるなんて」
仮想通貨への疑念や不安の原点となった事件が、2014年に発生したMT Gox(マウントゴックス)事件である。世界最大級の取引所がハッキングを受け、約80万BTCが消失。
あの事件は単なる企業破綻ではなく、仮想通貨という新しい市場に「危険」「怪しい」というイメージを決定的に刻み込んだ象徴的な出来事でもあった。その後も、約580億円相当が流出したコインチェック事件、ICO詐欺の横行、海外取引所の破綻などネガティブなニュースは断続的に続いた。見出しだけを追えば、「仮想通貨は危険なモノ」として投資家が距離を置く判断をしたことは合理的だったのかもしれない。
筆者のような金融ライターでさえ、当初はその値動きの激しさ、セキュリティへの不安、専門用語の難解さなどから、「近寄ってはいけない領域」という印象を持っていたぐらいだ。
しかし、近年、そのイメージは大きく変容している。制度と市場データを冷静に追い始めたとき、当時の記憶と現在の実態の間に、明確な断絶があるからだ。本稿では、仮想通貨の現在について、改めて説明してみたい。特に、興味はあるけど、どこか恐怖を感じている、初心者投資家の方にはぜひ熟読していただきたい。
<制度は「想像以上」に進化している>
2017年4月、日本では改正資金決済法が施行され、仮想通貨交換業は登録制となった。顧客資産と事業者資産の分別管理は法的義務となり、内部管理体制、システム監査、本人確認(KYC)の厳格化が求められるようになった。
それ以降、我が国の仮想通貨環境は急速且つ段階的な規制強化が進んだ。まずはマネーロンダリング対策の高度化だ。そしてトラベルルールの導入、コールドウォレット管理比率の厳格化。そして本年、2026年には責任準備金の義務化が予定されている。これは、万一ハッキングが発生した場合でも、利用者保護の原資を確保するための制度だ。仮想通貨はもはや投機のためのものではない。完全に銀行にも匹敵する金融機関の様相を呈しているのだ。
世界的な事件が起きたことは、怪我の功名なのだろう。市場の淘汰が進み、制度進化は急速に進んだ。結果として、現在の仮想通貨業界の安全性は劇的に向上している。
その結果、仮想通貨のユーザー層も変容し、若者層中心に拡大しているが、金融庁のデータによれば、利用者層は20代・30代だけでなく、40代以上にも広がっているというから驚きだ。「仮想通貨は一部の投機家だけの市場ではない」という認識も広まっている。もちろん、投資にはリスクはつきものだ。しかし、かつて多くの人たちが恐れていた恐怖は今やない。一定のリスク認識のもと、資産形成の一部として組み入れる層が着実に増えているというわけだ。
<構造変化:機関投資家の参入という転換点>
仮想通貨において、近年最大の転換点は、機関投資家の本格参入であると言われる。米国ではビットコイン現物ETF(上場投資信託)が承認され、大手資産運用会社が提供する商品に資金が流入している。ETFのような既存の金融インフラを通じて投資できるようになったことで、これまで参入できなかった年金基金や保険会社の資金が市場に入ってきた。
さらに、米国の上場企業が財務戦略の一環としてビットコインを保有する事例も拡大している。インフレヘッジや資産分散の一部として位置づけられ、企業のバランスシートに計上される。これは象徴的な変化といえるだろう。
価格でいえば、2024年初頭には約630万円だったビットコインは2025年10月、1,800万円越えを記録した。
現在の仮想通貨投資が、かつての暴騰や狂乱と決定的に違う点は、これが一時的なブームではなく、「世界中の投資家が現金の代わりに持ちたがる資産」としての地位を確立したという点であろう。発行枚数に限りがあるその希少性は、今や「デジタル版の金(ゴールド)」として、国家レベルで備蓄が検討されるほどの信頼を得ているのが現状だ。
<「安全」だけでは資産は増えない>
とはいえ、仮想通貨投資に挫折した人が多いのも事実だろう。その最大の理由は、「タイミングを読もうとする」ことにあると言われている。価格が上がれば焦り、下がれば恐怖する。確かに仮想通貨はその振幅の幅と速度は激しい。投資家感情がこの振幅に振り回される構造が、離脱の原因になるのだろう。
しかし、最近ではそういった価格に感情が振り回される不安を回避する投資手法も登場しており、より投資家不安を軽減できるようにもなっている。代表的な手法として有名なのはドルコスト平均法による積立投資だろう。ドルコスト平均法は、定額で定期的なペースで購入を続ける手法である。
価格が高い時には自動的に少なく、安い時には多く買う仕組みにより、平均購入単価を安定化させることができる。この手法を使えば、投資家が専門的な知識は不要で、相場を読む必要もない。仕組みに任せることで、心理的負担は大きく軽減できるだろう。
<それでも重要なのは「どこで始めるか」>
仮想通貨投資の環境、ルールの整備や手法の確立によって、かつてのような恐怖はもはやないということは理解できた。では最後に残る懸念事項はなんだろうか? 仮想通貨投資にトライしたいと考えている初心者は何もチェックポイントにすればよいのか。
その答えは簡単だ。
仮想通貨の売買と取り扱う「取引所」をどこにするか、という選択である。制度が整い、市場が拡大した今、多様な条件、異なるサービスでリターンもそれぞれで大きく異なる取引所選びこそが、投資家にとってのもっと重要な最初の「選択」になっているのだ。ここだけは投資家自身が真剣に吟味し、選択しなければならない。こればっかりは全自動ではない。
仮想通貨の取引所は、ざっくりと分けて大きく2系統に分られる。新興のIT系・ベンチャー系による取引所と、大手金融グループ参加の大手取引所の2つだ。
そこで今回は代表的な事例として大手金融グループ傘下の取引所について見てみよう。まず、大手取引所の代名詞と言えば、SBI VCトレードと言われる。言うまでもなく、国内最大級の金融グループSBI直下の取引所である。質・量ともに、凌駕するラインナップであることは、これまでも本誌で取材し、紹介してきた。
SBI VCトレードは、SBI証券・SBI新生銀行などを擁する総合金融グループの一角として運営。証券・銀行・保険を横断する金融インフラを持ち、長年にわたり金融規制に対応してきた実績が手堅い。もちろん、大手の背骨を活かして顧客サービスにも余念はない。日本円入出金手数料無料、仮想通貨送金手数料無料といったとコスト設計も特徴だ。金融コスト構造を熟知した企業だからこそ実現できる設計思想が随所に見られる。
例えば先ほど紹介したドルコスト平均法を叶える積立条件を国内主要取引所で見てみよう。
・SBI VCトレード:500円~
・GMOコイン:500円~
・Coincheck:1万円/月~
・bitbank:積立なし
SBIとGMOが500円からであるのに対し、Coincheckは1万円からとなっている。取引所によってその金額の差はあまりにも多い。もちろん、金額だけでなくそれに付随したサービス内容も重要だから、安かろう・不味かろうにならないように、吟味は必要だ。ただこれだけは言えることが、取引所はどこも同じではない、ということだ。取引所選び一つで、投資スタイル自体が大きく変わるからだ。
<「怖い」は過去のもの?>
2014年の不安を、2026年の市場にそのまま当てはめるのは合理的だろうか。人によって意見はさまざまであるが、確実に言えることは、この10年間が仮想通貨の環境とルールの整備は飛躍的に進んだということだ。もちろん、投資である以上、リスクはある。だがそれは無秩序な混乱リスクではなく、価格変動という投資固有のリスクであることを忘れてはならない。
筆者は本稿の取材を通して痛感したことは、分散投資の重要性だ。それは「円の代わりにドルを」といった発想ではない。もっと根本的な分散の必要性である。現金ではなく、他の形態で投資をすることこそが、真の分散投資といえるだろう。月1万円でもいい。資産の5%でもいいので、仮想通貨にチャレンジすることは、分散投資による資産防衛・資産管理の最初に一歩になるかもしれない。
とはいえ、本稿で強く言いたいことは、仮想通貨投資の第一歩は、何よりも「信頼できる取引所」を選ぶということだ。そして、低リスクな少額積立から始めてみる、これに尽きる。市場はすでに次のフェーズに進んでいる。再び一歩を踏み出すかどうかは、いまの判断次第だ。











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