デビュー7年目を迎えた歌手の谷村奈南が3年ぶり3冊目の写真集となる『7』(ワニブックス)をリリース。透け乳首に挑戦するなど、新たな試みでAmazonのタレント写真集部門では売り上げベスト5にランクイン。

発売日の9月7日には発売記念イベントを敢行し、その変わらぬ美貌と健在ぶりを披露している。

 だが、その一方で「歌手全盛時にもっと出していれば...」「見どころは表紙や雑誌に出ている写真のみ」「年のせいかボディの艶、減った?」など厳しい声があるのも事実。確かに4年前の1st写真集リリース時に比べると、その衝撃度やファンからの注目度の衰えは否めなく、本業である歌手活動も精細を欠いているのが実情だ。

 そんな彼女が歌手デビューしたのは2007年5月のこと。ハワイ育ち、英語が堪能でソウルシンガー志望、青山学院大学法学部在学、ミス青学にも出場した抜群のビジュアルなどの触れ込みで華麗にデビュー。スマッシュ・ヒットを記録した1stシングル『Again』に続き、2ndシングル『Say Good-bye』は、プロモーションビデオがYahoo!動画のアクセス数で週間1位を記録し、一躍、人気アーティストの仲間入りすることとなった。
'08年には『JUNGLE DANCE』で第50回日本レコード大賞優秀作品賞を獲得し、その活動は盤石なものになったかに見えた。

「事務所のヴィジョンファクトリーがイチオシで力を入れたこともあり、デビュー以来、リリースする曲はすべてがタイアップをゲット。プロモーションを兼ねたテレビやラジオへの出演攻勢も凄まじいものがありましたね。ただ、結果のほうはというとこれがいまいち振るわず。2010年までに8枚のシングルをリリースしましたが、最高位は4thシングル『If I'm not the one/SEXY SENORITA』の8位。原因はいくつか考えられますが、一番大きかったのはサウンドが斬新すぎて、女性の支持が得られなかったこと。
カラオケで女性に歌われるケースがほとんどなく、もう少し、倖田來未浜崎あゆみのようなわかりやすい音作りをしていれば違っていたとは思うのですが...」(音楽ライター)

 実は2010年に1st写真集をリリースしたいきさつも、歌のプロモーションが目的だった。歌手デビュー以前に『ミスマガジングランプリ』にエントリーされるなど、グラビア活動も経験していた彼女。その辺の事情に加え、ステージやPVで披露される魅惑の88センチFカップ(本人談。一部でGカップの声も)の巨乳ボディを「もっと見たい!」と願うファンに応えてのものだったが、写真集はそれなりのセールスを記録したものの、その直後にリリースされたシングルは39位止まりという散々な結果に。翌年、同時期にリリースされた2nd写真集と初のベスト盤も、健闘した写真集とは裏腹に、CDのほうの売り上げはさっぱりだった...。加えて、追い討ちをかけるような事態が彼女に降りかかる。


「2012年、元彼と思われる者により、プライベートのH動画とされるものがネット上にアップされたんです。内容は、男が女性のビキニを脱がしたり、女性が全裸で乱れる様など、相当に過激な映像。ただし、そこに映っている女性が彼女かどうかは微妙で、なんらかの対応が望まれましたが、本人含め、事務所、マスコミは完全に黙殺を決め込む形に。結果的にその騒動を機に、活動が失速に繋がったのは残念な限りです」(前同)

 一時は一部で引退説も囁かれた彼女だったが、今年の春ぐらいから活動を再開。ライブイベントを中心にコンスタントに活動を続ける中、3年ぶりとなる作品リリースが今回の写真集となる。ちなみに、今回の写真集のテーマは「ありのまま」。
先の発売記念イベントでも彼女自身「ありのままの自分を出せました」と語っており、本人としてはかなりの自信作のようだが、前述のとおり、ファンの反応はなかなか厳しい様子。グラビアと音楽事情に詳しい芸能ライターが改めて解説してくれた。

「グラビアに関しては、1st写真集の時点でデビュー3年を経ての披露であり、遅すぎという声があったのも事実。今回も3年ぶりということで、タイミングを逃し続けているというのが率直な感想です。あと、本業である肝心の音楽活動ですが、当分、新曲のリリース予定はないとのことで依然、前途は多難。本人に言わせると、『この3年、ニューヨークやロスに行って音楽の勉強をしていました』ということですが、だったら、一刻も早くその成果を新曲という形で披露したほうがいいでしょう。
数年後に『○年ぶりに新曲発表!』とやっても、またタイミングを逃す危険性があるので」

 確かに現在の彼女の活動を見ると、「歌手」活動と「グラビア」活動、どちらも中途半端に映ってしまうのも事実。グラビア・ファンとしては、思い切ってしばらくの期間、グラビアメインに活動の舵を切るのも一手だと思えるのだが...。

 むろん、彼女としてはあくまで本業は「歌」なのだろうが、それならそれで「シンガーとしての明確なヴィジョン」なるものをファン(新たなファン含めて)に向けて提示する必要があるのではないか。実績は十分、実力も十分、美貌はさらに十分の彼女。ここは一つ、乾坤一擲、背水の陣の気持ちでもっての"Again"のスタートに期待したい!
(文=織田祐二/『グラビアアイドル「幻想」論』著者)