8月24日、表彰式が行われた『不登校生動画甲子園』。全国から寄せられた400本を超える応募の中から、新潟県長岡市のフリースクールに通う中学3年生の動画が頂点に輝きました。

■長岡市のフリースクールに通う中学3年生の作品が頂点に!

24日、横浜市で開かれた『不登校生動画甲子園』の表彰式。

このコンテストで栄えある最優秀作品賞に選ばれたのが、長岡市のフリースクールに通うヒナちゃんです。

【ヒナちゃんの動画】
「私はブスなんだ…劣っている気がした」

【ヒナちゃん】
「今もつらい人がたくさんいる。私はこの気持ちをどうしても伝えたかった。逃げて幸せになっていいんだよ」

不登校を経験した人が同じ悩みを抱える人へのメッセージを動画に込める『不登校生動画甲子園』。400を超える応募作品の頂点に輝いたヒナちゃんに受賞直後の思いを聞きました。

【ヒナちゃん】
「来年は高校生になるから今年で最後にしようと思っていて。それで最優秀賞をとれて本当にうれしかった。授賞式で私の作品を見て救われたという女の子がいて、本当にうれしくて涙が出そうになった」

■ヒナちゃん“最後の挑戦” 妥協許さず制作した動画には自信も

中学1年生のころから3年連続で受賞を果たし、動画制作の中心人物として活躍してきたヒナちゃん。“最後の挑戦”と意気込んだ今年は一貫して伝えたい思いがありました。

【ヒナちゃん】
「よく絵を描いてイライラとか不安を和らげていたので、逃げ道をつくると楽になるということを伝えたい」

小学生のころに浴びた容姿への心ない言葉の数々。絵に没頭することで自分を守ったその経験が作品の核になっていました。

撮影ではイメージを形にするのに一切の妥協を許さず、カメラを回し続ける姿が印象的だったヒナちゃん。表現に対する自信は取材中のこんな言葉にも…

【ヒナちゃん】
「自分の動画に対しては、結構ナルシストだからめっちゃ見ている。

(Q.動画の出来は?)100点満点」

そんな彼女を間近で見守ってきた先生も今回の受賞をこう語ります。

【あうるの森 山田竹紘 代表】
「コンプレックスや本当に悩んでいることを外に出すというのは、大人でも勇気がいること。自分の悩んでいることを表現できるということは成長だと感じている」

■最優秀作品賞を受賞したヒナちゃんの“新たな夢”

等身大の自分を映した動画が多くの人の心に届いた3回目の挑戦。その経験は自信につながり、彼女には今、新たな夢が芽生えていました。

【ヒナちゃん】
「色んな人に届いて、私の一言で救われたとか色んなことを言ってくれてすごくうれしかったから、(動画を作る)職業につけたらうれしい」

不登校生動画甲子園を通して、痛みや過去を少しずつ肯定できるようになったヒナちゃん。

あの日選んだ逃げ道は、いま、多くの人の道しるべになっています。

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