1974年、総理就任から約2年を迎えた田中角栄氏が、新潟県人大会で語った「五つの大切なこと」と「十の反省」。戦後日本のあり方を見つめ、人間の条件を問う言葉である。
作家・山岡荘八氏を迎え、約50分にわたり率直かつ真剣な議論が交わされた本対談。約50年の時を経て、田中氏が当時語っていたことをシリーズで振り返る。今回は、田中氏が外交に力を入れていた理由などについて振り返る。(全6回/4回目)
■田中氏が外交を重要視した理由
山岡荘八:
「今度は外国をずっと回られるんですが、回りになるやっぱり一番主な目的と言いますかな。それはなんですか?」
田中角栄:
「私は2年の間にいくらか回りましたかね。しかし、日本というのはもっと回っていかなきゃならなかったですね。今度の石油の問題などが起こったら、『なんで一体今まで行かなかったんだ』という問題がもう国論となっている。日本はやっぱり単独だけで生きられないんだと。日本人の生活、過去も現在も将来も、これはもう国際的な各国と共にある。各国から原材料をもらって、それを加工して、それをまた買ってもらわなきゃダメなんだから。生きるためにも最も諸外国と接触を多く持たなければならない日本なんだと。そのためにはやっぱりね、日本人というのはもっと回っていくべきでしたよ」
この時は、メキシコ、ブラジル、カナダを訪問し、その間にアメリカで新大統領のフォード氏と会う。その後は豪州、ニュージーランド、ビルマなどを訪れる予定だった。
田中角栄:
「みんな各国とも日本に何回も来てるわけですよ。で、日本が今まで全然行かなかったと。腰が重すぎたということでしてね。今度はどうしても来てくれと。日本、カナダ、ブラジル、豪州、インドネシアーー日本を除けば、みんなその資源を世界最大に持つ国ですね。こういう国々が、今までのアメリカ、イギリス、フランス、西ドイツというものだけではなく、日本との一つのグループを作りたいと。非常にね、日本としてはこっちからどんな苦労しても話しかけていかなきゃいかんというような提案を逆に向こうからもされておると。非常に受け入れられやすい状態が醸成されてますしね。ここで非常に、外交的というようなことよりも、日本全体の問題として非常に重要だと思いますよ」
■「日本人は世界で一番評価されている」
田中角栄:
「この10年、驚きましたのは。私が大蔵大臣の時、昭和37年、38年、39年、40年と、その頃の国際通貨問題とかいろんな当面しておった重要問題と組んでおった人が、みんな第一線から辞めたりなくなったりし、今フランスの大統領になったジスカール・デスタン、私と2人しか残ってない。その頃と比べましてね、この10年というものの、もう日本の評価というのは、日本人なんか考えられないぐらい高い評価なんです。日本人は今ね、世界的に一番評価されてますよ。日本人というものを評価してない国ってのはほとんどないでしょうな」
しかし、そういう時にテロなどが起こると、「日本人ってこんな面も持ってたんか」と評価の変わり方も激しい。
田中角栄:
「今、アメリカやEC(EUの前身)拡大の主要国も、日本、事実上ですね、もう世界の会議ではなくてはならない日本。日本の一挙手一投足というものは非常に注目されてる」
山岡荘八:
「これを落とさないようにしなきゃいけませんね」
田中角栄:
「やっぱり国民が作った思わざる財産でしょうな。大変な財産ですからね、これ」
■文化交流や商社競争にも言及
田中角栄:
「日本の首脳とか各大臣、それから経済界とか、これから今度も回るところでも一番大きなものはやっぱり文化交流でしょ。人間的な交流だ。向こうで少なくとも日本語とブラジル語とか、日本語とメキシコ語とか、両国の国語を教えて、どっちでも留学できるようにしようとかね。日本の文化とか文化研究のための講座を作るとか、そういうものが非常に幅広くなってますよ」
山岡荘八:
「幅広くして密接にしていくのが早くなるか、それとも変な反日の材料になるのもなくはないですからね。」
田中角栄:
「今度はね、あるところでちょっと問題が起きましたからね。そういう意味では、【安かろう悪かろう】とか【叩き合いをやる】というものは急速に無くしつつあります。政府と政府とも話をする。それから民間ベースでやるものも、その間に入って政府の援助でやった方が良いというようなものは総括的にやるようにして、一つの機構を作りました」
商社の競争についても、田中氏は新しい仕組みを説明する。
田中角栄:
「今まで商社なんか喧嘩ばっかしてましたから。今度はね、この製鉄場をやる場合にはAという商社を中心にして、他のB、C、Dも全部ジョイントベンチャーに参加する。次のアルミの場合には今度Bという商社がメインで、E、Cもみんなそれに参加する。
そうした調整や、現地でやってもいいという柔軟な対応、あるいは政府間ベースで長期安定供給を協定するなど、「首脳が回ることによって非常に片付いてる例」は、ヨーロッパを回った時にも「いっぱい」あったという。
田中角栄:
「片付けるために行くんじゃなく、お互いに交流をやっているためにいろんなものが自動的に片付くというのが、首脳外交ですね」

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