新潟県内すべての小選挙区で前職が敗れるという結果となった中道改革連合。高市首相の人気が逆風となったことは言うまでもありませんが、その敗因は新党結成のタイミングにもありました。

■急ごしらえの新党結成に「時間足りなかった」

中道の前職が5つの小選挙区全てで敗れるという衝撃的な結果となった今回の衆院選。

【中道 西村智奈美 氏】
「時間がとにかく足りなかった」

【中道 梅谷守 氏】
「時間が足りなかったというのはあると思う」

候補者たちが口にしたのは「時間が足りなかった」という敗因。高市首相が仕掛けた超短期決戦が野党側の戦略に狂いを生じさせます。

この解散表明の直前、立憲民主党は連立を離脱していた公明党との新党結成に踏み切ります。ただ、この新党の結成当初の想定では…

【立憲民主党県連 西村智奈美 代表(当時)」
「できるだけ時間をかけて党の皆さんにも説明をし、ご理解をいただきつつ、このことを進めていこうということであったようだが」

しかし、突然の解散により急ごしらえで新党を結成することに。議員すら知らされておらず党名についても…

【中道 菊田真紀子 氏】
「新党名があまりにも昭和の香りがぷんぷんで」

■超短期決戦で体制は不完全…支持者からも戸惑いの声

それでも、この時は…

【中道 梅谷守 氏】
「入党届を書く」

【中道 黒岩宇洋 氏】
「高市政権という巨大な勢力に対抗する勢力を結集する」

【中道 西村智奈美 氏】
「とにかくおかしな道に日本が進まないように、私も今回立憲民主党を離党し、中道改革連合に入党させていただいた」

大きな塊となることで与党に対抗する力を手にできるという熱気も生まれ、元立憲民主党の県内候補は5人全員が新党に参加。立憲と公明の地方組織同士が連携していくことを確認し、選挙戦に突入していきます。

【中道 斉藤鉄夫 共同代表】
「大きな柱、生活者ファースト。そして、もう一つの柱が日本の平和を守る。同じ理念のもとに日本の政治を正していく、新しい中道政治をこれから船出していく」

元公明党代表で中道の斉藤鉄夫共同代表も県内入りし、新党での戦いをアピール。公明党関係者が立憲出身候補とともに街頭に立つ、今までは違った選挙戦が各地で展開されました。しかし…

【立憲 笠原晴彦 県議】
「時間がなかったものだから、一緒に組んでという状態までは、まだ連絡体制が取れていない」

【公明党県本部 市村浩二 代表】
「(Q.感触としては?)いいとは言えない。間に合うかという、本当に時間との勝負」

超短期決戦により、体制は不完全なまま。立憲・公明の従来の支持者からはこんな本音も…

【公明支持者】
「ショックというか、『え?』という感じだった」

【立憲支持者】
「若干の疑問はあった。

原発の問題とか安保法制、そういう関係で若干違いがあるというところ」

■新党結成にこれまで野党共闘体制を築いてきた共産党が反発

支持者ですら戸惑うこの新党結成。さらに立憲出身候補に痛手となったのが…

【新潟1区・共産 中村岳夫 氏】
「1区以外の党員の方からは、『我々はどこに投票すればいいんだ』と」

これまで野党共闘体制を築いていた共産党の反発です。

【共産 小池晃 書記局長】
「立憲民主党が消滅をしてしまって、新潟はこれまで市民と野党の共闘でこれまで皆さん、力を尽くしてきて、がっかりされているのでは。2区から5区までの方は自由に、どうぞお任せいたしますので、どこに入れろとか言いませんから。新潟はこの間の積み重ねはある。ただ、政党本部間では全く合意ができていないわけだから、いくら新潟の積み重ねがあっても特別な対応は難しい」

【共産党県委員会 樋渡士自夫 委員長】
「白紙投票になりそうなのが増えた。これは共産党の責任じゃなくて、立憲・中道改革、向こうの問題だから」

■自民は“高市旋風”追い風に 若い世代の支持拡大

新党の結成により、中道の候補が体制の再構築や新党結成の説明など、選挙期間中にも難しい対応を迫られる中…

【高市首相】
「日本列島を強く豊かに、高市早苗でございます」

自民党の候補は“政権選択”に争点を絞り、高市旋風の追い風に乗るという、単純でわかりやすい戦略を展開。

【若者】
「近くに高市さんが来ると知って来てみようかなと」

【若者】
「高市さんのつくる日本が見てみたいと思う」

【自民 高鳥修一 氏】
「選挙の集会に来たことがないような人がいっぱいいる。若い人、高校生」

演説会場などでこれまであまり見かけることのなかった若い世代にも支持を拡大。そして、自民党の圧勝劇へとつなげました。

出口調査の結果を見ると、無党派層の多い10代から30代までの支持を中道の候補は得られず、自民党の候補が大きく伸ばしているのがわかります。

【中道 黒岩宇洋 氏】
「今回掲げた中道政治、短期間だったこともあり、なかなか理解を得られなかったのが、結果として我々の責任だが…しかし、間違ってはいない。絶対に間違ってはいない」

共産党の理解を得られなかったように、原発政策・安保法制などでこれまで敵対してきた立憲と公明がタッグを組んだ意義を有権者に訴えるには時間が足りなかったと言えます。

【中道 菊田真紀子 氏】
「新党の目指すところ、政策等々を十分に皆様にお伝えできたかというと、それはできなかったと思うし、『なんで新党なんですか』『なんで中道なんですか』『なんで公明党さんと一緒にやるんですか』というお声も一部にはあった」

【中道 西村智奈美 氏】
「国会もやらずに、なかなか新党名を浸透させられない。

国会をやって、代表質問をやって、予算委員会をやって、それで徐々に浸透していくということなんだと思うが、いきなり選挙になってしまったので、そこが厳しかった」

■自民側 当初は公明票の行方懸念も…「正直影響感じていない」

初めて立憲出身の候補の支援に回った公明党。

【公明党県本部 市村浩二 代表】
「もともと選挙で対立してきた構図だったわけだから、これがなかなか短時間の間にすぐには」

各選挙区で1万票以上の票を持つとされ、自民党側からは当初、これまで連立を組んでいた公明党の影響を懸念する声も上がっていましたが…

【自民 高橋直揮 県議】
「(Q.公明の影響は?)あまり、正直感じていない」

【自民 佐藤純 県議】
「きのう、きょう他とくっついたからと言って、今まで培ってきた自由民主党との信頼関係が地域においても崩壊するということは、私はありえないと思っている」

■大きく議席減らした中道「大変な道のり始まる」

高市首相が仕掛けた超短期決戦という戦略に、新党の結成という策で応じた中道ですが、結果は自民党の圧勝。県内では比例復活で辛くも中道の候補2人が議席を得たという状態…

【中道 菊田真紀子 氏】
「焼け野原みたいな状況。これからどうやって立て直していくのか難しいし、正念場というか、大変な道のりが始まる」

大きく議席を減らした中道改革連合はどのような道をたどっていくのか、新たな代表の選出からその一歩が始まります。

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