先日、北海道日本ハムファイターズは、千葉県鎌ケ谷市にある2軍本拠地を2030年をめどに北海道内に移転する方針を発表。札幌市・北広島市・恵庭市・苫小牧市・江別市・千歳市の6市のほか、道内2位の人口を誇る旭川市も誘致に乗り気となっている。

球団が移転を検討する背景にあるのは、1997年に完成した現本拠地「鎌ケ谷スタジアム」の老朽化と1・2軍の連携の取りにくさにある。04年に1軍本拠地が東京ドームから北海道に移転したことで1・2軍の距離が離れた状態が続いている。道内に移転すれば1、2軍の間で選手の入れ替えや首脳陣の視察などがしやすくなり、控え選手や若手選手が経験を積むために1日に両方の試合に出場する親子ゲームも現実的になる。

1・2軍の連携と親子ゲームの実現がひとつの目的となると、旭川市はかなり不利になる。旭川市中心部から1軍本拠地がある北広島市までは車で2時間以上の移動時間がかかるため、2軍の試合に数イニング出場して1軍のナイターに向かうとかなりギリギリのスケジュールになってしまう。

現実的なのは札幌市・北広島市・恵庭市・苫小牧市・江別市・千歳市の6市だろう。
札幌市は22年まで日本ハムが1軍本拠地としていた大和ハウスプレミストドーム(札幌ドーム)を保有するが、誘致には後ろ向き。24年夏に移転の話題が浮上した際に、秋元克広市長は「十分な広さの土地を提供していくのは難しい」と発言。新庄剛志監督が札幌ドームの使用について言及したが、それも「他のイベントとバッティングする」と現実的ではないとしている。確かに、2軍の本拠地は試合以外にも練習でほぼ365日稼働するため、コンサドーレ札幌の本拠地としてやイベント、コンサート会場にもなるプレミストドームは適切ではないだろう。

新千歳空港があり、交通の便の良さでは群を抜いている千歳市も札幌市と同様に市街地に広大な土地を確保することは難しいとしている。

となると1軍本拠地がある北広島市、そのお隣の駅である恵庭市、駅前の土地を含め複数の候補地をすでに用意しているという苫小牧市、北広島市・札幌市に隣接する江別市の4市が有力になってくるのではないだろうか。

栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサーは今回のプロジェクトについて「ファイターズは長年、育成とスカウティングを重要視してきました。本当の意味での育成拠点を北海道につくらせてもらいたい。世界に誇れる人材を育成したい」と発言。関東在住ファンとしては寂しくなるが、球団が描く新しい姿を楽しみにして見守りたいと思う。


(Written by 大井川鉄朗)



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