何かとコスパが重視される時代ですので仕方ないことなのかもしれませんが、「煮込み料理は煮込んでこそ煮込み料理なのでは?」と思わず突っ込みたくなるようなタイトルですよね。10分…じゃあ、ねぇ。
YouTubeでいつもながらに楽しそうに作り方を紹介していたのはイタリアンの桝谷シェフ。本当にたった10分で”コクまろ”なカレーが出来るのか、実際に検証してみたいと思います。

【ココイチカレー完全再現byサイゲン大介】驚異のジェネリックレシピ!ガチで挑んだひと皿を作ってみた

15歳から料理の道に入り、国内外で修行後、25歳で代官山に「オステリア ルッカ」を開業した桝谷周一郎シェフ。芸人コンビ「北陽」の虻川美穂子さんと結婚し、今は一児の父です。賛否両論の笠原シェフとは25年来の友人で、笠原シェフのYouTubeに触発されたかは定かではありませんが、2024年にYouTubeチャンネル『桝谷のSimple is best』を開設し、料理を作りながら持ち前のユーモアあふれるトーク全開で配信をしています。

桝谷シェフの「10分本格カレー」の材料と作り方

【煮込まずに“10分で煮込み風カレー”の裏ワザ】コクまろが叶う!秘密は野菜をおろすことと…え、海苔!?


【材料】※3人分
豚バラ薄切り肉…200g
玉ねぎ…1/2個
にんじん…1/2本
カレールウ…115g(今回はジャワカレー中辛を使っています)
水…700ml
のりの佃煮…大さじ1
ご飯…適量

【下準備】
玉ねぎとにんじん:すりおろします。
豚肉:1cm幅に切ります。
カレールウ:分量の3/4を包丁で刻みます。

【作り方】※調理時間:10分
1. フッ素樹脂加工のフライパンに油をひかずに玉ねぎ、にんじん、豚肉を入れ、強火で炒めます。

【煮込まずに“10分で煮込み風カレー”の裏ワザ】コクまろが叶う!秘密は野菜をおろすことと…え、海苔!?


2. 弱火にして、刻んだカレールウを入れて炒めます。

【煮込まずに“10分で煮込み風カレー”の裏ワザ】コクまろが叶う!秘密は野菜をおろすことと…え、海苔!?


3. カレールウがなじんだら、水350mlを入れて強火にします。

【煮込まずに“10分で煮込み風カレー”の裏ワザ】コクまろが叶う!秘密は野菜をおろすことと…え、海苔!?


4. トロミが強くなったら残りの水を加え、残りのカレールウを入れます。


【煮込まずに“10分で煮込み風カレー”の裏ワザ】コクまろが叶う!秘密は野菜をおろすことと…え、海苔!?


5. 煮たったら弱火にし、のりの佃煮を加えます。

【煮込まずに“10分で煮込み風カレー”の裏ワザ】コクまろが叶う!秘密は野菜をおろすことと…え、海苔!?

※さらにとろとろにしたい場合は、5分程度弱火で煮込んでください。

6. ご飯を盛り付け、5をかけて出来上がりです。

【煮込まずに“10分で煮込み風カレー”の裏ワザ】コクまろが叶う!秘密は野菜をおろすことと…え、海苔!?


どうやって煮込まずに10分で作るのかと思ったら、すりおろしでしたね。確かにすりおろしなら野菜がやわらかくなるのを待つ必要がありませんし、具が全て溶けたカレーだと思えばまったく違和感もありません。さすがに肉はすりおろすわけにはいきませんが、唯一形のある具ですので出来上がりはちゃんとポークカレーになっていました。
まさかと思ったのりの佃煮はしっかりとコク出しと隠し味として働いていて、こんな風にカレーに使えるとは驚きました。
カレールウは今回はスパイシーなジャワカレーの中辛にしましたが、好みで選んでいいとのこと。ぜひ、お好きな味で作ってみてください。このレシピではトロミも好きなやわらかさに調節できますが、好みで生クリームなどをかける場合は少しトロミ強めの方がバランスよくなりますのでおススメです。

のりの佃煮は湿気ってしまったのりを使って作ると立派なSDGsですが、ご飯のお供として有名な某のりの佃煮を使うとずっと簡単です。ただし、普段のりの佃煮を食べない人にとっては逆に冷蔵庫の負担になってしまいます。
今回のカレーに入れるという裏技で分かりましたが、のりの佃煮と思わずに濃いめのコクのあるしょうゆだと思えば案外と使い道はあるような気がします。そもそもがご飯のお供として作られている製品ですので、どこまでアレンジできるか残りで試してみようと思います。

小麦粉をバターで炒めたものをフランス語でルウと呼びますが、日本ではそこにカレー粉を混ぜたものを固めて固形にしてカレールウという名称で販売しています。このカレールウをベースにしてカレーを作りますので、カレーライスにかかっているトロミのある液体は厳密にはカレールウとは呼びません。ですが世間でよく「ルウお代わり自由」とか「ルウ多めで」という使われ方をしているように、「カレーライスにかかっている液体=カレールウ」という認識が広まってしまっています。それでもたぶん誰も困らないし話も通じるので、なんとなく分かっていながら放置されているのだと思います。日本にはこうしたゆるゆるな文化がたくさんありますので、これもそのひとつなのだととりあえず納得です。

10分で本当においしいカレーができますので、ぜひ作ってみてください!
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