フランスの伝統料理「ポトフ」。料理名は”火にかけた鍋”という意味で、野菜やお肉をじっくり煮て作ります。
フランス料理に精通しているタサン志麻さんも、YouTube『タサン志麻』で、「ポトフ」の作り方を紹介していました。野菜はその時にあるものでOK。お肉も、種類や部位を問わず、好きな量で作っていいそうです。ただし、具材は大きいまま長時間煮込むのがポイント。これさえ守れば、フランスの家庭の味を再現出来ますよ!

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時間をかけて煮るのがポイント!「ポトフ」を作ってみた♪

動画では4人分+αの分量で紹介していましたが、今回は半量で作ります。お肉や野菜は家にある材料でOKとのこと。そこで、紹介されていた材料を一部変更して作ってみます。

…と言いつつも、動画の概要欄にあった材料を半分にしたのが、下記分量。2~3人分くらいかな、と思って用意しましたが、実際に出来上がったら、4~6人分はありました!

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


【材料】(2人分+α) ※実際には4~6人分はあり
豚スペアリブ…2本 ※今回は鶏もも肉2枚(560g)で代用
玉ねぎ…1個
にんじん…2本
セロリ…1/2本
大根…1/6本 ※今回はかぶ2個で代用
じゃがいも…1個 ※今回はさつまいも1本で代用
キャベツ…1/4個 ※今回は未使用
薄切りベーコン…2~3枚 ※今回はハーフベーコン8枚使用
ソーセージ…2~3本 ※今回は2袋使用
塩・こしょう…各適量
タイム、ローリエ、セロリの葉など…適量 ※なくても可
コンソメ(固形)…2個程度 ※今回は3個使用
水…鍋にたっぷり ※今回は2.5L使用

1. キッチンペーパーでお肉の水分を拭き取り、しっかりめに塩を振って揉み込みます。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


フランスでは牛肉の塊肉を使うそうですが、日本では入手しづらいので、志麻さんは豚のスペアリブを使っていました。お肉は塊肉が理想ですが、薄切り肉でもよく、量もお好みでOKとのこと。牛、豚、鶏のお好きな部位を、お好きなだけご用意くださいね。


今回は鶏もも肉2枚に塩とこしょうを揉み込み、切らずに煮込んでみます。

2. 鍋に1とたっぷりの水を入れて中火で沸騰させます。沸騰直前に、出てきたアクを取り除きます。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


使う鍋や具材の量によって水の量が変わるため、水の明確な量は不明でした。”たっぷりの水”とのことなので、今回は2.5Lを注ぐことに。

強火で加熱するとお肉が硬くなるので、弱火から中火の火加減で沸騰させるのが、ポイントです。今回は中火で25分ほど加熱すると、鶏肉からアクが出てきました。沸騰直前でアクを取ると、一気に大量のアクを取り除けるので、アク取りの手間を省けますよ。

アクが出た状態で沸騰させ続けると、スープが濁ったような仕上がりになるそう。タイミングを逃さずにアクを取ってくださいね。

2. 玉ねぎ、にんじん、セロリの皮を剥き、ハーブをたこ糸で縛ります。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


野菜は大きいまま煮込む方がやわらかくなるので、鍋に入る大きさなら、切らずに煮込みましょう。
大根を使う場合は、皮を剥いてくださいね。今回はキャベツを入れませんが、キャベツや玉ねぎは、ばらけないよう芯を付けたままにしておきます。

今回は、香り付けにセロリの葉を用意したので、たこ糸で束ねておきました。ハーブは香り付けのためなので、無理に用意しなくてOKとのこと。ちなみに、ローズマリーは香りが強すぎるので、避けた方がいいそうです。

火の通りやすいじゃがいも、さつまいも、かぼちゃ、かぶなどは、にんじんがやわらかくなってから加えます。この段階では、皮を剥かずに置いておきましょう。

3. 火が通りにくい野菜から順に鍋に入れ、束ねたハーブとコンソメを加え、強火にして沸騰させます。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


今回はにんじん、玉ねぎ、セロリの順に入れました。コンソメは水の量によって異なるので、味見して量を決めるとのこと。今回は3個加えました。

野菜を加えると温度が下がるので、強火にして一旦沸騰させます。
野菜のアクはそれほど味に影響しないので、お好みで取り除いてくださいね。

4. スープがポコポコと沸くくらいの火加減で、フタをして1時間ほど煮込みます。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


今回はIHコンロの「3」の火加減で、45分ほど煮込みました。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


45分煮込んだ状態が、こちら。黄金色のコンソメスープに、鶏肉の脂が浮いています。

にんじんや大根など硬い野菜に竹串を刺して、火の通りを確認。にんじんを丸ごと1本煮込みましたが、竹串がスッと入るくらいにやわらかく煮えていました。

5. 皮を剥いたさつまいもとかぶを加え、フタをして5分ほど煮ます。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


この後、ベーコンやソーセージを加えてさらに煮るので、いも類は半分くらい火が入る程度まで、煮るのが目安。今回は、半分に切ったさつまいもと皮付きのかぶを丸ごと加えたので、フタをして10分ほど煮込みました。

ちなみに、皮付きのまま野菜を煮込む場合は、きれいに洗ってから使ってくださいね。

6. 食べやすい大きさに切ったベーコンとソーセージを加えてフタをし、さつまいもとかぶがやわらかくなるまで煮込みます。
最後に味見して、塩やコンソメで味を調えます。

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


ベーコンとソーセージは味が抜けやすいので、最後に加えます。今回は、さつまいももかぶもすでにやわらかくなっていたので、フタをして、ソーセージが温まる程度に5分ほど煮ました。

味見するとちょうどいい味だったので、塩などは何も加えず作り終えることに。鶏肉を煮込み始めてから、約1時間半。こんなに煮込んだポトフは初めて!

お肉と野菜を食べやすい大きさに切り、お皿に盛り付けたら、スープを注いでいただきます♪

具材が大ぶりなのにお肉も野菜もほろっほろ♪特ににんじんが激甘!

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


タサン志麻さん直伝の「ポトフ」が、完成しました。野菜も鶏肉も切らずに丸ごと煮込み、取り分ける時、食べやすい大きさに切るスタイルだったので、野菜は大ぶりに切りました。鶏肉は、少し触るとほろっと崩れたので、切らずに大きくほぐしました。

まずは鶏肉から食べてみると、お肉なのに口の中でほどけます。今まで食べたことがない、鶏もも肉の食感にビックリ!焼いて食べる時は脂が程よく乗ってジューシーな鶏もも肉も、1時間半ほど煮込むと脂はほぼ抜け、さっぱりとした味わいに。

スープを飲んでみると、コンソメのやさしい味わいに、野菜の甘味と鶏肉の旨味が溶け込んでいて、まろやかさがアップ♪セロリは香り付け用に葉も加えましたが、セロリの香りはほとんど感じず、一体感が出ています。

ベーコンとソーセージは最後に加えたので、味が抜けずにコクのあるおいしさ♪

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


丸ごと1本煮込んだにんじんは、スプーンが簡単に入るくらいにトロトロ。
食べてみると、ものすごく甘い!いつも食べているにんじんの10倍くらい甘く感じます。

動画で志麻さんが、「子どもたちはにんじんが大好きなので、たっぷり入れています」と語っていたのも、納得です。コンソメスープで1時間弱煮たにんじんは激甘で、子どもなら一番好きな具に選ぶはず!

セロリは最初に入れたので煮崩れるやわらかさで、玉ねぎとさつまいもも、噛まなくてもいいくらい♪かぶは皮付きのまま最後に入れたので、やわらかいながらも一番食感が残っていました。それでも中までやわらかく、どの具材も大ぶりに切っても軽く食べられる、絶品ポトフでしたよ。

野菜とお肉をひたすら煮るだけ♪時間をかけた分だけ素材の旨味が凝縮!

【志麻さんの料理基本のき】春を彩る味♡王道な「ポトフ」炊こう!具材を丸ごと、時間をかけて煮込むべし


タサン志麻さんのYouTubeチャンネル『タサン志麻』で見つけた、「ポトフ」。使う野菜やお肉の種類や量に決まりはなく、その時にある具材をたっぷりのコンソメスープで、じっくり煮るだけの鍋料理でした。

野菜は丸ごと煮ることで、驚くほどやわらかくなり、焼いたり蒸したりするよりも、格段に甘味や旨味が出ます。とてもおいしく仕上がっていましたよ。

また、今回は鶏もも肉を使いましたが、1時間半ほど煮込むとほろほろに。鶏の脂がスープに移って、お肉はヘルシーな味わいになりました。志麻さんは豚のスペアリブを使っていましたが、脂身や軟骨が付いた部位でも、さっぱりいただけそうです。

時間はかかりますが、ふつふつとした火加減をキープして煮込むだけなので、時間がある時に、ぜひ挑戦してみてくださいね。
その時、冷蔵庫にある食材で作れるので、残っている野菜やお肉がごちそうになります。

スープがたっぷり出来るので、残った分はカレー粉を加えてカレースープ、トマトを加えてトマトスープにしても。また、マカロニを加えてパスタスープにするなど、アレンジしてもおいしくいただけますよ♪

<参考文献>
WEB

『ヨーロッパ史入門~ポトフの歴史・フランス料理史~』
https://europa-japan.com/cooking/france-cooking214/entry4228.html
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