農にまつわるリアルを伝えるドキュメンタリー連載。情熱をもって地元で「農」を盛り上げる「人」にスポットを当て、いま起こっているコトをお届けします。
第十三弾は、米の新品種『サキホコレ』の味わいを活かした、秋田の新たな郷土の味。JA秋田おばこ女性部が考案したお米サンドイッチを紹介します。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.10】宮崎県日向市の”伝説”の味を次代へ!「つきいれだんご」

自慢の米をもっと食べてもらいたい

秋田県南東部に広がる仙北平野は、全国有数の米どころ。
主力品種の『あきたこまち』に加え、令和四年からは、秋田県が開発した新品種『サキホコレ』の作付けが、本格的にスタートしています。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


「かめばかむほどうまみ成分が広がるし、米粒もつやがあって大きい。一回食べただけで、リピーターになってくれる人も多い米なんです」

誇らしげに話すのは、JA秋田おばこ女性部の部長・佐藤啓子さん(63)。
そんな自慢の米をもっと食べてもらいたいと、五年には、女性部のメンバーと共に米料理のレシピ開発に取り組みました。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


『サキホコレ』は、食味に徹底的にこだわって開発された米。おいしさを左右するタンパク質の含有量にも厳しい基準を設定。
作付け地域や生産団体なども厳密に決められています。

食味のよさに加え、暑さに耐性があるのも特徴。
昨年の猛暑でも、一等米比率は九割を超えました。


「まさに次の世代へつなげていく米です」と、JA営農企画課の桜庭真悟さんも期待を込めます。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


秋田の味覚をぎゅっと凝縮

レシピのテーマは「秋田らしさ」です。
秋田特産の漬け物いぶり大根(いぶりがっこ)をみじん切りにし、クリームチーズと和えた具を挟むのがポイント。

彩りには、ホウレンソウとレタス、そして甘辛く仕上げたいり卵と鶏そぼろ。
焼きのりで包んで切り分けるさい、きれいな断面にするには少し工夫が必要です。

「重要なのは土台づくり。ご飯は焼きのりの上に四角く広げ、土手を作るように。中央に、くぼみをつけておきます」

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


慣れた手つきでご飯を広げ、レタス、鶏そぼろ、いり卵、ホウレンソウを重ねます。
いぶり大根とクリームチーズの和え物を、ラップに一個分ごとに取り分けておくのは、メンバーで試作を重ねるなかで生まれたアイデアです。

お米の粒感が口いっぱいに!

さまざまな研修会や講座で培ってきた知識が、今回のレシピ開発にも生かされました。
サキホコレサンドのレシピは、JAの産直施設「しゅしゅえっと まるしぇ」でのイベント時、来店者に配布して好評を博しました。

では実食です。


ほおばった瞬間、口に広がるいぶり大根のくん製香と、濃厚なクリームチーズの風味。他の具材の味や食感も楽しみつつ、なおかつ米の粒感がしっかりと感じられる「サキホコレサンド」。
米のおいしさや力強さを、改めて感じられる逸品です。

「サキホコレサンド」の作り方

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


材料(4人分)

ご飯 450g
鶏ひき肉 200g
卵 3個
ホウレンソウ 1/2束
いぶり大根 60g
クリームチーズ 50g
レタス 1枚
焼きのり(全形) 2枚
〈A〉
砂糖 小さじ1
塩 少々
〈B〉
めんつゆ 大さじ2と1/2
砂糖 大さじ1
みりん 小さじ2

1.卵に〈A〉加え、いり卵を作る。鶏ひき肉を炒めながら〈B〉加え、汁けをとばして鶏そぼろを作る。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


2.ホウレンソウをゆで、水けを絞って細切りにする。いぶり大根はみじん切りにし、クリームチーズと和える。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


3.ラップの上に焼きのりを敷き、中央にご飯を四角くなるよう広げる。レタス、鶏そぼろ、
いり卵、ホウレンソウ、いぶり大根の和え物の順にのせ、ご飯をかぶせる。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


4.具材を包みこむように、焼きのりの四隅を折りたたんでいく。ラップで包み形を整え、斜め半分に切って完成。

【田園日記~農と人の物語~ Vol.13】米のおいしさ 、力強さを感じる「サキホコレサンド」


※当記事は、JAグループの月刊誌『家の光』2024年9月号に掲載されたものです。
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