【美しい日本語クイズ】「音り」は何と読む?もちろん「おとり」ではありませんよ!日本人らしい感性が光る話
小学校で習うのに読めない漢字クイズ♪
【問題】
「鼻め」なんと読むでしょう?
thinking time♪
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正解は…「はじめ」でした。
初耳です(笑)。
ただ、この「鼻(はじ)め」という読み方は、常用漢字表に掲載していない「表外読み」なので、あまり見かけないかもしれません。ですが、漢字辞典で「鼻」を調べると、ちゃんと載っているんですよ。

画像出典:辞典オンライン『漢字辞典』
意味をみると、
①はな。息をしたり、においを嗅いだりする器官
②はじめ。はじまり。はじめて。
と書いてあります。
「鼻」に、「においを嗅いだりする器官」という意味のほか、物事の「はじめ」や「はじまり」といった意味があるなんて、知りませんでした。
でもなぜ、「鼻」に「はじめ」「はじまり」の意味があるのでしょう?
「鼻」に「はじめ」「はじまり」の意味、なぜ?

画像出典:フォトAC
調べてみると…。
古代中国に「母親の胎内で最初に形づくられるのが鼻」という考え方があったからみたいです。
人間は、まず”はじめに”、「鼻」から作られるというわけですね。
鼻を「はじめ」という意味で使った「鼻祖(びそ)」という言葉もあるそうで、元祖や始祖と同じ、「最初に物事を始めた人」を意味するそうです。
そして、「鼻」という漢字で、もうひとつ興味深いことがありまして…。
古代中国で、「鼻」を表す漢字は、この「鼻」じゃなかったんですって。
顔のパーツ”はな”を表す漢字は「鼻」じゃなかった!?
古代中国で、顔のパーツの”はな”を表す漢字は、「自」だったそうです。
「自」という漢字は、正面から見た鼻の形を表した象形文字なんだそうですよ。

画像出典:漢字の成り立ちイラスト【日本語初級クラス「みん日-U.5」】
ですが、古代中国の人たちは、自分自身を示すとき、自分の鼻を指さしたり、鼻をおさえたりしていたことから、「自」という漢字は次第に「おのれ・みずから」という意味で使わるようになっていきました。
そのため、新たに”はな”を表す漢字を作ることになり、「自」の下に鼻息の音を表す擬音語「畀(ヒ)」をつけて、「鼻」としたそうです。
「自」がもともと「鼻」を意味する漢字だったから、「息」や「臭」に「自」が入っているんですね。
そして、これ。

画像出典:イラストAC
欧米人から大笑いされるこのジェスチャー。
日本人特有だと思っていましたが、古代中国人から始まったんですね。びっくり。
欧米人は、自分を示すとき、自分の「心」を知ってほしいという意味を込めて、自分の胸を親指で指したり、軽く手を胸に当てたりするそうなので、日本人のこのジャスチャーは奇妙に感じるみたいです。
わたしも何度か笑われた経験があります。そんなに笑わなくてもいいのにと思うくらい…苦笑。
学校で「自分を示すときは、鼻や顔を指さすように」と教わるわけではないのに、多くの日本人が自然にやっていますよね。これが、文化なんでしょうね。しかも、三千年も前の古代中国がルーツだなんて、おもしろいなぁ。
ということで今回は、「鼻め」の読み方についてご紹介しました。