肉を焼くという調理法は一見シンプルに見えますが、だからこそ技術の仕上がりに大きな差が生まれます。その最大のポイントは、なんといっても"火入れ"の時間と加減。
イタリアンの川越シェフがYouTubeで披露していた見事な火入れのコツを参考に、さっそく作ってみました。

【結論!しょうが焼きは川越シェフ流がいい】2種のお肉の組み合わせ・焼き方・煮詰め方…最適解だった

かつて予約の取れないイタリアンレストラン「TATSUYA KAWAGOE」のオーナーシェフを務めていた川越達也さん。現在はフードコーディネーターや料理講師として活躍する傍ら、YouTubeチャンネル『川越シェフだよ。』での発信も続けています。基本的な料理のコツをとても分かりやすく紹介していて、とても参考になります。

川越シェフの「チキンステーキ」の材料と作り方

【材料】※1~2人分
鶏もも肉…1枚(300~340g目安)
ローズマリー(生)…1本
無塩バター…15g
にんにく…1かけ
塩…少々
レモン(国産)…お好みで
オリーブオイル…小さじ1
黒こしょう…少々
付け合わせ(あればルッコラ、パセリなど。今回は生のパセリを使っています)

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


冷蔵庫から出したばかりの鶏肉の場合は、ラップで包み、皮目を下にして500Wの電子レンジで40秒加熱します。その上で余計な脂や筋を取り除き、厚いところには切れ目を入れておきます。
にんにくは3等分にスライスしておきます。

【作り方】※調理時間:25分
1. 鶏肉の両面に、塩と黒こしょうを多めに振ります。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


2. フライパンにオリーブオイルをひき、にんにくとローズマリーを入れます。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


3. 皮目を下にして鶏肉を入れて中火にかけ、パチパチと音がしてきたら弱火にし、肉をヘラなどで軽く押さえながら焼きます。


【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


4. 極弱火にして、にんにくとローズマリーを鶏肉の上に乗せて香りを移し、ときどき裏を見て白い部分があったら上から押すようにしてじっくりと焼きます。油を肉の表面にすくってかけるなどしながら、慌てず10分以上焼きます。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


5. 裏返し、にんにくとローズマリーを乗せて1分焼きます。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


6. 中火の弱にして裏返し、1分経ったら極弱火にします。さらに1分30秒経ったら中火にして裏返し、1分焼きます。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


7. 弱火にして30秒焼き、中火にして裏返して1分焼きます。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


8. 中火の強にして、1分経ったら弱火にしてバターを加えます。1分経ったら強火にして裏返し、バターを絡めて火を止め、器に盛り付けます。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


9. そのまま肉を2分休ませ、レモン、付け合わせのパセリを乗せて、残った油をかけて、出来上がりです。

【川越シェフの“火入れ術”】真っ当に旨い「チキンステーキの焼き方」に挑戦!時間と火加減を全公開!


しっかりと時間をかけて焼いたためか、フライパンから取り出した肉はけっこう肉肉しい質感がありました。川越シェフの言う通りに2分休ませてから切ってみると、肉汁も落ち着いていて断面にしっとり感もあり、そのまま口へ運ぶと、香ばしく焼けた皮目のカリッとした食感と、肉の弾力のある食感の両方が感じられました。

肉は火を通し過ぎると水分を失ってパサパサになりがちですが、ちゃんと火加減をコントロールすることで、こんなにおいしくなるのかと驚きです。
ローズマリーとにんにくの香りもしっかりと肉に移っていますし、最後にまとわせたバターの風味が食欲を刺激する一品です。

あまりにおいしかったので、思わず追加でもう1枚焼いてしまったほどです。それぐらい感動的な味わいでした。

ローズマリーは肉料理ととても相性のいいハーブで、独特の香りを持っています。香りが強いので羊肉などの臭みの強い肉にも効果的で、このレシピのように枝ごと生のまま一緒に焼くと、肉にもローズマリーの香りが移って、とても香り豊かになります。

乾燥した状態でも使えますし、乾燥させたものを粉末状にして塩と混ぜれば、自家製のハーブ塩としても楽しめます。

生のまま日持ちさせるのはけっこう大変ですが、使い切れないときは細かく刻んでソーセージやハンバーグに混ぜ込むと、ちょっと高級そうな香りがしておいしく感じられます。もし手に入るようでしたら、ぜひおススメしたいハーブのひとつです。

料理において時間はとても重要な要素ですが、これほどまで時間を意識して調理したのは、自分の中では初めてだったかもしれません。時間をかけて焼くことで、蒸したり煮たりしているのと同じ効果があると、川越シェフが動画の中で説明していましたが、しっかりと焼くことで、肉の旨味を内側に閉じ込め、外に逃がさないことが大事です。

牛肉のステーキなら中が赤いままでも問題ありませんが、鶏肉は内側にもしっかりと火を通す必要があります。ここで火加減を間違えてしまうと、せっかくのステーキが台無しですので、ゆっくりと時間をかけて、内側の温度をコントロールすることがポイントです。


本来なら常温に戻してから焼き始めるところですが、冷たい肉を電子レンジで温めるといったワザもとても参考になりました。

いつもよりワンランク上のチキンステーキが出来上がりますので、ぜひ作ってみてください!
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