「蕃茄」「赤茄子」は何て読む?実は5つも漢字表記を持つあの有名野菜です!
野菜の漢字クイズ「桜桃」ってなんて読む?
桜に桃と書いて何て読む?どんな果物?
「桜桃」
ヒントは、果樹園の宝石。果物のルビーと呼ばれる見た目もかわいいフルーツです。
正解は…

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「オウトウ」
「さくらんぼ」の正式名称です。
オウトウよりさくらんぼの方が一般的に知られた呼び方ですね。見た目も愛らしく、甘酸っぱいさくらんぼは果物の中でも人気者。今回はさくらんぼが人気になった歴史とともに詳しく紹介します!
歴史は?
さくらんぼはカスピ海沿岸付近が原産地で紀元前から栽培されていたというから驚きです。
当時は全国でさくらんぼの栽培が試みられましたが、山形県以外ではほとんどが失敗。その理由は、気候です。さくらんぼは霜に弱い。そして果実は雨に打たれるとだめになってしまいます。さくらんぼが実る頃は梅雨時なので、軒並み栽培がうまくいかなかったのでしょう。山形県は霜害・台風被害の比較的少ない地域なので、さくらんぼが定着し、現在ではさくらんぼ王国とまで言われるようになったのです。もともと、さくらんぼは生食が難しく、缶詰用に栽培されていたようです。(下記画像はさくらんぼのシロップ漬け)

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佐藤錦の歴史
では、現在のように生食中心となったさくらんぼはどんなふうに誕生したのでしょうか?
生食さくらんぼの代名詞といわれるのが「佐藤錦」です。佐藤錦の生みの親は山形県東根市の佐藤栄助氏。もともと醤油醸造業を営んでいましたが、さくらんぼ栽培へ切り替えたというのです。
品種改良を始めてから16年後の1928年に佐藤錦が誕生するのですが、命名する際、佐藤氏は東北の地名を入れようとしました。でも佐藤氏の品種改良を応援してきた友人の苗木商岡田氏より、発見者の名前を入れたほうが良い。と押されて「佐藤錦」となったというエピソードが残っています。
1975年ころからはさくらんぼの食用需要が増加したのに加え、栽培方法も雨除けハウスが導入されて生食が可能になったといわれています。

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さくらんぼが宝石といわれる理由
さくらんぼが果樹園の宝石といわれる理由は見た目の美しさだけではありません。四季折々にさくらんぼがちゃんと育つように、さくらんぼ農家が手塩にかけて育てているのです。機械化できない手作業でさくらんぼは美しくおいしい果実になるのですね。
例えば、一番忙しい収穫期、さくらんぼの木1本につき何個の実がなるかご存じですか? なんと5000個~1万個も実るんです。その小さな実一つ一つを大切に手摘みで収穫されているのです! さくらんぼが宝石といわれるのも納得です。

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由来は?
今ではさくらんぼのほうが一般的な呼び方ですが、正式名称は「オウトウ」といいます。
「オウトウ」はさくらんぼを含めた樹全体を表し、「さくらんぼ」は果実を表します。
旬は?
さくらんぼの旬は初夏。6月~7月頃です。
生産地は?
さくらんぼの7割が山形県で生産されています。ついで山梨県約6%、北海道約5%と続きますが、1位と2位以下の差が大きく開いています(2018年調べ)。
どんな種類がある?
今回は代表的な2品種をご紹介します。
佐藤錦
味も人気も不動の1位です。山形県内でも栽培が7割を超え、海外でも人気の品種です。甘みと酸味のバランスに優れていて、贈答用の高級品からお求めやすいものまであります。

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紅秀峰(べにしゅうほう)
佐藤錦と天香錦(てんこうにしき)を掛け合わせた品種で、大玉品種。酸味が少なく糖度が高いので、人気の品種です。

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選び方は?
表面がピーンと張って光沢があるものがおすすめです。実は大きいほうが良いですが、張りがなかったり、しなびているものは鮮度も味も落ちています。軸が太くてきれいな緑色をしているのも大事なチェックポイント。

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保存方法は?
さくらんぼはとってもデリケートな果物なので保存には不向き。もし保存するなら、さくらんぼは常温10~15℃くらいの環境で保管しましょう。でもさくらんぼが出回る時期は夏なので、地域によっては15℃をはるかに超えてしまうこともありますね。その場合は冷蔵庫で保存になります。ここで注意! さくらんぼは高温だけでなく、強い冷気や乾燥、低すぎる温度も苦手です。パックを新聞紙で包んだり、果実をクッキングペーパーに包み、さらにポリ袋などに入れて乾燥対策をして冷蔵庫の野菜室で保存するとよいでしょう。
栄養素は?
さくらんぼは比較的カリウムが多い果物です。カリウムは細胞内の浸透圧を調整してくれる働きがあります。さくらんぼが出回る6月から7月は梅雨から夏になる季節の変わり目。気候の変化に体調不良を感じる方も多くなる時期ですね。水分代謝による不快を感じる時には、さくらんぼの持つ栄養素がおすすめです。さらにはさくらんぼの適度な酸味とみずみずしい食感は気分を和らげるお助けになるかもしれません。

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おいしい食べ方は?
さくらんぼは買ったらできるだけすぐに食べるのがおすすめです。食べる直前にサッと氷水でさらすとおいしく食べられます。
さくらんぼは冷やしすぎたり水に浸けおきするとうまみが感じられなくなります。なので、冷蔵庫に入れっぱなしにせずに、さっと水にさらして食べるのがおいしい食べ方なのです。

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最後に…
いかがでしたか?大切に育てられて私たちの手元に届くさくらんぼ。普通に食べても甘酸っぱくおいしいさくらんぼが食べられますが、保存の仕方や洗うタイミングなどでとびっきりおいしいさくらんぼを食べて下さいね!
≪参考文献≫
WEB:
果物情報サイト 果物ナビ https://www.kudamononavi.com/
eo健康 https://eonet.jp/health/special/special37_4.html
厚生労働省eーヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
山形県ホームページ (pref.yamagata.jp)
山形ものがたり
https://www.pref.yamagata.jp/020026/kensei/shoukai/yamagatamonogatari/sangyou/sakuranbo.html
さくらんぼの話のタネ
https://www.pref.yamagata.jp/140032/sangyo/nourinsuisangyou/nogyo/nousambutsu/sakurambo/tane.html
おいしい山形推進機構事務局 山形県農林水産部6次産業推進課
山形のさくらんぼ物語
http://www.yamagata.nmai.org/crops/umaimono/fruit/cherry.html
おいしいさくらんぼ の食べ方はこちらのサイトもご参考に↓
達人レシピ 氷水でさくらんぼの甘みが引き立つ!さくらんぼ狩り式のおいしい食べ方 農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2006/producer02.html