高級クラブやホストクラブのイメージが強く、一般人では手が出せないような高級なお酒という印象があるドンペリ。
高級シャンパンの代名詞でもあるドンペリはなぜこんなにも高いのか、誕生秘話も含めてその理由に迫ります。
ドンペリは有名な高級シャンパン
ドンペリは、世界的にも有名な高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」のことを指します。
ドンペリを詳しくご説明する前に、まずはシャンパンについて少し解説していきます。
『発泡性のワイン=シャンパン」だと思っている方も多いかと思いますが、実はこれは間違い!!
シャンパンは“フランスのシャンパーニュ地方で造られている、かつぶどうの種類や醸造方法など定められた規定をクリアしたもの”が名乗ることのできる名称なんです。
このシャンパンの誕生に「ドンペリ」の名前の由来にもなったある人物が大きく関わっています。
●シャンパンの生みの親「ドン・ピエール・ペリニヨン」

シャンパンの誕生に大きく貢献した人物がベネディクト会の修道士「ドン・ピエール・ペリニヨン」です。
17世紀のフランスシャンパーニュ地方は、赤ワインの産地として知られていました。
しかし、寒冷なシャンパーニュ地方では、樽で保管しているワインが秋に発酵が止まり、春に再発酵する「2次発酵」という現象による泡の発生が悩みの種だったそう。
そこで立ち上がったのがドン・ピエール・ペリニヨン。
彼はこのワインの2次発酵を抑えるために尽力、また、恵まれた気候のブルゴーニュ地方の赤ワインには、シャンパーニュ地方に赤ワインでは対抗できないと判断し、良質な白ワインの生産に邁進したそうです。
第一に、彼は再発酵しにくい黒ブドウから白ワインを作り出す圧搾機を開発し、白ワインでも泡の発生が起きにくくする技術を確立することに成功。
さらに、ガラス瓶やスペイン産の“コルク栓”を使用することで空気に触れにくくしたり、気候条件によってワインの味が左右されないように異なる畑や品種、年に造られたワインを調合して毎年同じ味のワインにする研究も実施。
石灰岩の地盤に地下倉設備を作らせ、1年中一定の温度でワインの熟成ができるような環境作りにも貢献したのです。
このような彼の努力のおかげで、シャンパーニュ地方はフランスで1番の白ワイン産地へと成長したのでした。
しかし、彼の並々ならぬ努力をもってしても約10%ほどの確率で泡のある白ワインが生産されてしまいました。
●発泡性の白ワインがシャンパンの原形に!

ですが、この発泡性の白ワインこそが現在のシャンパンの原形だと言われているのです。
発泡しない白ワインの生産を目指したドン・ピエール・ペリニヨンの思いとは裏腹に、発泡性の白ワインが輸出先のイギリスの貴族たちの間で話題になります。
というのも、当時貴重だった白ワインの中で10%しかない発泡性の白ワインは、逆に超貴重なものと捉えられたそうなんです。
彼が発泡性の白ワインを目指したわけではありませんが、彼が非発泡性の白ワインの開発をしたからこそ生まれたシャンパン。
その功績を称え、フランスの有名シャンパンメーカー「モエ・エ・シャンドン(Moët et Chandon)」が最高級シャンパンに「ドン・ペリニヨン」と名付けました。
このような歴史があって、最高級シャンパン「ドンペリ」が世の中に出回るようになったのです。
ドンペリはなぜ高い??

ではどうしてドンペリはこんなにも高いのでしょうか?
もちろん圧倒的なブランド力を誇っていることに間違いはありませんが、実は他にも理由があるのです。
●かなり手間のかかる製法
ドンペリは全てヴィンテージシャンパンと呼ばれるもので、1番お手頃な「ドン・ペリニヨン ヴィンテージ」であっても7年も熟成されます。
さらに価格が上がるごとに年月をかけて熟成が行われます。
そもそもシャンパンは、製造工程にも相当な手間がかかっています。
しかも、ドンペリの場合はそれに加えて熟成に多くの時間をかけているため、その分値段が高くなるのです。
また熟成期間が長ければ長いほど生産量が少なくなり希少性が高くなるため、1本数十万もの高値で取り引きされるなんてこともあるんです。
●ブドウの収穫年が限られているから
一般的なシャンパンは品質を安定させるために、様々な年に収穫されたブドウで造られたワインを混ぜています。
しかしドンペリは1年間で収穫されたブドウしか使用しません。
そのため、その年のブドウの出来によって生産量も左右されるのです。
なんとブドウの出来を見て生産しない年もあるんだとか。
だからこそ通常のシャンパンよりも手間や労力がかかり、値段が上がる傾向があります。
ドンペリは、ホストクラブや高級なバーで飲まれるために高いのでは?と考えてしまいがちですが、実は製法や原料にもとてもこだわった高品質なシャンパンなのです。
クセが少なく万人受けする味わいのため、日本では国賓を招く宮中晩餐会の乾杯酒にも採用されています。
ブランド力だけではなく、実力も認められているからこそ、ここまでの人気を誇っているんですね。
ドンペリを飲んでみよう
ここまでドンペリに詳しくなってしまったからには飲んでみたいですよね。
「どうせお高いんでしょう…?」と思ったそこのあなた!!
頑張れば手の届くドンペリも実はあるんです。
今回はお手頃価格なドンペリから、ドンペリらしい高価格なものまでまるっとご紹介します!!
【お手頃価格】ドンペリニヨン 白

熟成期間は7年、生産量も比較的多く入手しやすいです。
味わいとしては酸味が強く、意外にも辛口。
しかしドンペリの凄さは酸素に触れ、時間をかけて飲むことで味や風味が驚くほど変わるところなんです。
ドンペリ本来の良さを味わいたいのなら冷蔵庫で冷やしすぎず、少人数でじっくりと楽しんでみてくださいね。
【中価格帯】ドンペリニヨン ロゼ 2005

「ピンドン」という愛称で人気となっている可愛らしい桃色のシャンパンです。
シャルドネだけでなく黒ブドウも使用しているため、少し熟成期間が長くなります。
オレンジのような爽やかな苦味と、スパイシーで刺激的な味わいを楽しめるんだそう。
しかしドンペリシリーズらしく、全体的なバランスが良く、長い余韻を楽しめる1本に仕上がっています。
【これぞドンペリ価格!】ドンペリニヨン P3 ヴィンテージ

「ドン・ペリニヨン P3 ヴィンテージ」はなんと25年以上の熟成期間を経た、もっとも高価なドンペリです。
価格はぶどうの品質や製造年によって変動するため、年によって価格が変わります。
ぶどうが高品質であるほど、また製造年が古いほど高価格になっていきますよ。
なかなか手の届かない価格ですが、1度くらい飲んでみたいですね…!!
まとめ
いかがだったでしょうか。
なんだか遠い存在だったドンペリも歴史や高価格な理由を知るだけで少し身近な存在になったのではないでしょうか。
もちろん、簡単に買える価格帯のものではありませんが、プレゼントや自分へのご褒美に贈ってみるのはアリかも…!?
一度は飲んでみたい憧れのお酒、ぜひ特別な1日に味わってみてはいかがでしょうか。