コケ(苔)は地衣類(ちいるい)を代表するもので、下草(したくさ)とともに和風の庭には欠かせない素材です。上手に使いこなして、素敵な庭づくりをしましょう!

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コケとは

コケ(苔)は、湿った地面や岩などに、はえつくばるようにして成長する、葉緑体を持つ植物の一種です。
一般的に「コケ植物」と呼ばれるグループの総称です。


地衣類とは、地表の全体を覆っていく高さのごく低い植物の総称で、グランドカバー(下草)の一種です。

和風の庭の地衣類でもっとも美しいのは、京都の日本庭園に多く見られるコケ類、特にスギゴケです。ただし、コケ類は気候風土を選ぶため、乾燥する土地や都会などでは生育が困難なので、注意が必要です。

スナゴケ

和風の庭づくりの素材「コケ」を解説!
葉に透明尖が発達した形状で、日当たりの良い岩状の土上に生育しています。

シノブゴケ

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細かな枝葉の分かれた形状が美しく、茎の長さは20cmにもなります。

カモジゴケ

和風の庭づくりの素材「コケ」を解説!
葉の上部が細い溝状で、乾くと鎌のような形に曲がるのが特徴です。

フデゴケ

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基部から針状に伸びた葉の形状が特徴です。葉は乾いても縮れません。

ハイゴケ

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葉の上半部が強く鎌状に曲がり非対称な形状。日当たりの良い場所に生育します。

コケの庭の施工手順

①施工前。
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②整地します。場合によっては、既存の土壌を掘削搬出し、客土として山砂などを入れます。
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③石を敷いて植栽します。
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④竹垣(写真は建仁寺垣)をつくります。
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⑤ベースとなる築山を造成します。
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⑥コケを張っていきます。
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⑦1~2週間で施工完了。環境にもやさしいコケ庭のできあがり。
完成!
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●客土(きゃくど)
土壌が植栽に適さない場合に、他から良質の土壌を持ち込むこと。

●築山(つきやま)
盛り土によって庭園内に設けられた小高い山。

●土壌(どじょう)
土のもつ性質。

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