「いっけな~い! 遅刻遅刻!」とパンを咥えて走る少女について、“ルーツ”を知っている人は少ないと思います。“パン咥え遅刻少女”は、一体いつから存在するのでしょうか?
漫画やアニメで誰もが1度は目にしたことがあるだろう「いっけな~い、遅刻遅刻!」と“パンを咥えて走る遅刻ギリギリの少女”。ベタだと思いつつも、何かが始まりそうな予感にワクワクしますよね。しかしそんな“パン咥え遅刻少女”は、一体いつから存在するのでしょうか?
こちらの記事では毎回エンタメ作品にまつわるトリビアをご紹介。今回は“パン咥え遅刻少女”について探っていきましょう。
パン咥え少女のルーツは?
類似シーンを発見。でも食パンじゃない?
2014年に放送された『西川貴教と松井玲奈が突然アニメとマンガとゲームばかりの番組をはじめた件について』(TOKYO MX)では、“パン咥え遅刻少女”のルーツを本村三四子先生の『パティの初恋』(1967年発表/集英社)という作品だと紹介。『パティの初恋』では確かに、パンを咥えて慌てて家を出る少女の姿が描かれています。ただし、咥えているのは食パンではなくコッペパンでした。他にも「高橋亮子先生の『つらいぜ!ボクちゃん』(1974年発表/小学館)じゃないの?」「『フジ三太郎』(朝日新聞出版)とか『サザエさん』(朝日新聞出版)にも出てきた気がする」といった声が。

『つらいぜ!ボクちゃん 』1巻(小学館)
via 『つらいぜ!ボクちゃん 』1巻(小学館)実際に、さまざまな近いシーンは過去の作品に存在していたようですが、"食パン""遅刻というシチュエーション"、さらにその後、"男性とぶつかって恋に落ちる"のすべてを満たしたものは発見できていない様子。「オリジナルがどれって言いきれない。イメージの中だけで作られた概念みたいなものなのでは?」といった意見も飛び出しています。
“パン咥え遅刻少女”定番化のきっかけは?
この"パン咥え遅刻少女"のイメージがより広く浸透したのは相原コージ先生・竹熊健太郎先生の『サルでも描けるまんが教室』(以下、『サルまん』/1989年発表/小学館)だとも言われています。「Lesson9.ウケる少女まんがの描き方」の例として、セーラー服を着た少女が食パンを咥え「ちこく、ちこく」と家を飛び出すシーンが。『サルまん』のキャラが該当シーンを指し「これ以外、ウケる出だしはあり得ない!」と断言しているのです。また比較的最近のアニメファンの間では、「エヴァがきっかけで知った」という人も。
1995年に放送されたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)最終話では、食パンを咥えて全力疾走する綾波レイが登場しました。

『けいおん!コンパクト・コレクション』Blu-ray
via 『けいおん!コンパクト・コレクション』Blu-rayその後もアニメ『けいおん!』(TBS系)で主人公の唯がパンを咥えて登校するなど、様々なアニメやマンガで登場し多くの人に知られるようになり、今でもネタとして引き継がれているようです。誰もが知ってる少女は、概念だったのかもしれない……。実はとんでもなくミステリアスな存在だったのかもしれません。
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