端正な顔立ちながらどんな役でも多彩に演じ分ける山田裕貴さんは、アラサーになってから癖の強い役も演じるように。そこで独特の存在感で演じてきたマンガ原作のキャラをご紹介します。

端正な顔立ちと特徴的な声、驚異的な身体能力、そして主演、脇役問わずどんな役でも多彩に演じ分ける演技力で人気の山田裕貴さん。今回は、俳優集団D2およびD-BOYSのなかでも突出した活躍を見せる山田さんは、学園ラブコメ作品などの主人公のライバルキャラ役などもよく演じていました。

そして、アラサーになってからは、さらに癖の強い役をやるようになった山田さん。これまでその独特の存在感と実力で演じてきた「マンガキャラ」を振り返ります。
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『山田裕貴ファースト写真集「山田裕貴」』 (東京ニュース通信社)

via 『山田裕貴ファースト写真集「山田裕貴」』 (東京ニュース通信社)

『東京リベンジャーズ』龍宮寺堅(ドラケン)

和久井健先生による『東京卍リベンジャーズ』は、ヤンキーもの×タイムスリップSFというジャンルミックスが行われた斬新なヒット作です。原作では中学生たちが中心の物語でしたが、さすがに実写化では無理があったのか設定は高校生に変更。

そういった改変は実写化で失敗するパターンの定番ですが、『賭ケグルイ』『ぐらんぶる』『映像研に手を出すな!』など数々の実写作品をしっかり形にしてヒットさせてきた英勉監督の手によって、実写版『東京リベンジャーズ』は原作とはまた別の見どころが多い作品となりました。

4巻の29話までの話が実写化された映画では、主人公のタケミチが東京卍会の抗争に巻き込まれて死んだ元恋人・ヒナを救うために過去を改変するストーリーが中心となっています。そこで重要になってくるのが、山田さん演じる東京卍会の長・佐野万次郎(マイキー)のNo.2にして親友の龍宮寺堅、通称“ドラケン”の存在です。

原作よりもキャラの説明に費やせる尺が少ない実写映画版において、ドラケンとマイキーの関係性というストーリーの根幹部分がブレると全体的に納得度の低い話になってしまいます。その点、山田裕貴さんは、30代とは思えぬ若々しさとリアル高校生には出せない大人の気迫両方を体現し、「東京卍会」を仕切り、肝心なところを締めるNo.2キャラとしてこれ以上ない存在感を発揮しました。持ち前の身体能力を活かしたアクションシーンの身のこなしのキレも、見どころです。

初登場のキヨマサに制裁を加える場面から、怖いけど憧れてしまうヤンキー像を体現しており、「この人がいなくなれば組織は違うものになる」という設定を一発で納得させるキャラ造形になっています。

『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』山田武志

実際に交番で勤務していた泰三子さんの実体験も交えたリアルな交番勤務婦警の仕事と日常を描いたマンガを実写化したコメディ&サスペンスドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』は、2021年夏に放送され大いに話題になりました。

山田裕貴さんは役名も山田の熱くてちょっと馬鹿な若手刑事を演じています。今や主演も張る売れっ子ながら、助演でもサラッと馴染む山田さんの名演が光りました。

戸田恵梨香さん演じる藤部長と三浦翔平さん演じる源部長ら濃ゆい面接からいじられる、ちょっと常識人ながらも天然な原作通りの山田が再現されています。山田裕貴さんの役のなかでも一番素直で親しみやすいキャラで、コメディリリーフや事件捜査に意外な活躍を見せる重要人物でした。

Huluオリジナルストーリーで描かれた、過労状態すぎてこれ以上なく馬鹿になった山田のかわいさも見ものです。

『ホームルーム』愛田凛太郎

千代先生の全く先が読めない学園サイコラブコメホラーを実写化したドラマ『ホームルーム』で、山田裕貴さんは主人公の爽やかイケメンど変態教師の愛田凛太郎を演じました。凛太郎はイケメン若手教師として女生徒から「ラブリン」と呼ばれる人気ぶりですが、彼が愛せるのは「純粋」で「天然素材」な化粧っけもない生徒の桜井幸子のみ。

そして、変態・凛太郎は彼女を守る「ヒーロー」になるために、自分で桜井に様々な「イジメ」をしかけ、教師として救っていたのですが…。原作のサイコ味あふれるイケメンぶりを見事再現した山田裕貴。様子がおかしすぎるストーリーの中心となる教師を嬉々として演じています。持ち前の爽やかさと親しみやすい特徴的な声で、どれだけサイコでも教師の場面ではいい先生に見えてしまうのが怖いです。

実は桜井の方からも数々のサイコ行動をしかけているというぶっ飛んだ設定も、魅力的な山田裕貴が中心にいたからこそ、ギリギリ説得力を持って保たれていたと思います。

番外編:『HiGH&LOW』シリーズ 鬼耶高校番長・村山良樹

明確な原作はないですが、山田さんが演じたなかでドラケンよりも2次元ヤンキーキャラのあるあるを詰め込みまくっているのが、LDHが手掛けるエンターテイメントプロジェクトの『HiGH&LOW』で演じたヤンキーグループの一角、超不良高校の鬼耶校定時制番長の村山良樹です。

不良としてのし上がるために転校してきて、他生徒の拳100発を受ける荒行に耐えて初めて番長になりました。

そんな猛者なのに普段はユルユルのけだるそうなしゃべり方で、おちゃらけ者で、戦いのときだけギラギラの狂犬モードになるという設定モリモリぶり。初期に主人公(コブラ)に負けているのに、小者化せずにずっと重要人気キャラとしてストーリーを動かしています。

それも、山田さんがこの役に熱意をぶつけて、アドリブも交えてどんどんキャラの魅力を増やしていった結果でしょう。鬼耶校スピンオフの『HiGH&LOW THE WORST』が作られたのも、村山さん人気あってこそです。愛嬌のある後輩役から迫力ある不良、そしてサイコな役まで……漫画原作ならではの癖が強い役柄でも説得力をもって演じ切る山田さんの演技。歳を重ねていくごとに増える演技幅の広さで、これからも長年活躍していく俳優になることでしょう。

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