『仮面ライダービルド』での好演が注目を集めた犬飼貴丈さん、赤楚衛二さん。美しいルックスを持ちながらも三枚目役をこなす犬飼さんと、そのカリスマ性で様々な作品に出演する赤楚さん、魅力的な二人の来歴や活躍に迫ります。
若手俳優たちにとって一種の登竜門となっている特撮テレビドラマ『仮面ライダー』シリーズ。近年では『仮面ライダーフォーゼ』に出演した福士蒼汰さんと吉沢亮さんが記憶に新しいところですが、彼らに続けとばかりに若手俳優たちは『仮面ライダー』に出演して、ブレイクのチャンスを狙っているのです。
そして、現在、再び『仮面ライダー』シリーズに過去に出演していた俳優たちが旋風を巻き起こしています。
DVD『劇場版 仮面ライダービルド Be The One コレクターズパック』画像
via DVD『劇場版 仮面ライダービルド Be The One コレクターズパック』より本稿で注目するのは2017年から2018年まで放映された『平成仮面ライダー』シリーズ第19作『仮面ライダービルド』に出演していた俳優たち。同作は、火星から持ち帰られた謎の箱・パンドラボックスの影響で、日本列島がスカイウォールと呼ばれる壁により、東都、西都、北都の3つに分断され、混沌を極めている世界が舞台。
秘かに東都の平和を守っている仮面ライダービルドの桐生戦兎は記憶喪失でありながら、高いIQを駆使して、様々な陰謀から世界を救おうとするのです。
本稿では、そんな『仮面ライダービルド』に出演していた“ライダー俳優”のなかから特に飛躍を遂げた2人の現在と当時の印象について、古参ファンのライターが語ります。
『仮面ライダービルド』桐生戦兎役:犬飼貴丈
『仮面ライダービルド』で主人公の桐生戦兎役に扮したのは、犬飼貴丈さん。1994年6月13日徳島県に生まれた彼は、母親から「顔だけは良いものに産んでやったんだから」と言われ、第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストに応募。総応募数13816人という中で、見事にグランプリを受賞した犬飼さんでしたが、なかなか仕事が決まらずに悶々とした日々を送ることになります。
いくつかのテレビドラマで端役を演じ続ける中で、2017年、主演という形で初の大役を手にすることになります。それが『仮面ライダービルド』桐生戦兎役でした。同役は記憶喪失の天才物理学者という、これまでの『仮面ライダー』にはなかった設定が施されており、かなり難しい役どころだったと思います。
しかしながら犬飼さんは、そんな難役を感情表現豊かに、そして等身大の演技で見事に演じ切り、その才能が開花。
特に中盤から終盤にかけての自らの行いや過去を悔やみ、再び歩き始める様には心を揺さぶられたのを覚えています。『仮面ライダービルド』出演中にはいくつかの劇場版にも参加し、俳優としてのキャリアを重ねた彼は、その後、連続テレビ小説『なつぞら』や海外ドラマの金字塔を日本がリメイクした『24 JAPAN』などで存在感を発揮。
また映画『ぐらんぶる』やテレビドラマ『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』などを代表例に、両性具有の美しさを前面に出すというよりは、独特な三枚目キャラを演じることに長けている印象で、コメディ演技も非常に得意としているところがあります。仮面ライダー俳優に見られる硬派なイケメン像とは異なる魅力が犬飼貴丈さんにはあると言えるでしょう。
DVD『ぐらんぶる』
via DVD『ぐらんぶる』俳優としてだけでなく、YouTuberとしても精力的に活動しており、2022年6月末時点で犬飼さんのチャンネル「THE 犬飼」の登録者が約19万人を記録しています。料理を作ったり、好きなマンガやアニメについて語ったり、ポケモンカードの開封動画だったりといった日常的なほっこり動画を多く投稿しています。
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via www.youtube.com『仮面ライダークローズ』万丈龍我役:赤楚衛二
『仮面ライダー』シリーズには、主人公ライダーに協力するもう一人の主役的な立ち位置として“2号ライダー”と呼ばれる存在が登場するのですが、『仮面ライダービルド』の2号ライダーである仮面ライダークローズ=万丈龍我役を演じたのが、赤楚衛二さんです。1994年3月1日愛知県に生を受けた彼は、十代の頃からモデルやタレントとして活動していました。当時の芸名は赤楚衛(まもる)でした。名古屋の男性グループBOYS AND MENの前身であるIKEMEN☆NAGOYAにも所属し、様々な経験を積んだと言います。
2013年にはサマンサタバサのメンズモデルオーディションでグランプリを受賞。活躍の場を広げていき、2017年、Amazonプライム・ビデオで配信された特撮ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ SEASON 2』にレギュラー出演。
主人公と行動を共にしていく中で、アマゾンと呼ばれる怪物たちへ複雑な気持ちを抱えていく長瀬裕樹役を好演しました。筆者が今でも鮮明に憶えているのが、同作で赤楚衛二という俳優を初めて観た時に、画面から伝わってくるオーラと脇役でありながら作品全体を支配したかのようなカリスマ性を大いに感じたことです。ただ画面に映っているだけで目を奪われる。こういう俳優がブレイクするのだなと思った瞬間でした。同時に、いつか彼は何かの作品で仮面ライダーになるかもしれないとも思いました。その予感が見事に的中し、2017年9月よりいわゆる“ニチアサ”の本家本元の『仮面ライダー』シリーズである『仮面ライダービルド』で仮面ライダークローズ=万丈龍我役を演じることになりました。
万丈というキャラクターは無実の罪を着せられた逃亡者で格闘家という、犬飼貴丈さん演じる戦兎とは正反対の好戦的なキャラクターでした。
Vシネクスト「ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ」60秒予告
via www.youtube.com赤楚衛二さんの熱い演技が見事にハマっている印象で、戦兎との凸凹バディとして大いに楽しませてもらいました。2019年には『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』というスピンオフ作品が登場するほどの人気を獲得。『仮面ライダービルド』出演後は、『ねえ先生、知らないの?』、『パニックコマーシャル』、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』、『彼女はキレイだった』など話題のドラマに次々と主演します。同時に『美食探偵 明智五郎』を初めとした作品で端役としても存在感を発揮しており、まさに引く手数多の若手俳優として現在頭角を現しています。
『仮面ライダービルド』に主演した2人の若手俳優が、いま、大注目の存在へと成長を遂げています。
ブレイク前から知っている俳優たちが人気を博していく過程を見るのって、なんだか子供の成長を見る親の気持ちのように、とてもうれしいですよね。
(執筆:zash)■赤楚衛二・渡邊圭祐に竜星涼も。仮面ライダー・スーパー戦隊出身俳優を振り返ろう!【2021最新】
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