「チタタプ」の意味

「チタタプ」(ちたたぷ)とは、アイヌ文化の料理。魚や肉など何度も叩いて細かく切り裂き、味をつけたもの。たたき料理の一種で、なめろうやタルタルステーキに近い。

またこの料理を作るため、材料をたくさん叩くこと。

料理名の由来はアイヌ語で「我々がたくさん叩いたもの」。
「ci(=我々、私たち)」「tata(=たくさん叩いた)」「p(=もの)」。正式な発音では、最後の「プ」が小さくなる。表記が難しいため、本記事ではすべての音を同じサイズにしている。

野田サトル氏によるマンガ『ゴールデンカムイ』に登場し、知名度が上がった。

両手に一丁ずつ包丁を持ち、「チタタプ、チタタプ」と言いながら調理する。またその場にいる全員が順番に叩く様子などが描かれている。

「チタタプ」の由来・語源

アイヌ語で「我々がたくさん叩いたもの」。
素材となる魚や肉をたくさん叩いて細切れにする調理方法に由来する。

「チタタプ」の活用

「ゴールデンカムイで知ったチタタプを食べたくて、アイヌ料理屋さんに行ってみました」

「肉はチタタプすればするほど美味しくなる」

「今夜のメインディッシュは、チタタプしたサケです」

「チタタプしたマグロを焼いてハンバーグを作るよ」

「ジビエレストランでチタタプ体験やってる」

「チタタプしてる推しの画像はこちら」

▼たくさん叩く理由
チタタプで材料をたくさん叩く理由として「魚や小動物の骨まで砕き、無駄なくすべてを食べ切れる」「老いた動物の固い肉も、柔らかく美味しく食べられる」などが挙げられる。基本的には生肉を調理しそのまま食べるものだが、細かく叩いた材料を汁物「オハウ」の具とすることもある。

▼チタタプの主な食材
チタタプに使用される食材は多岐にわたるが、いずれもアイヌの生活圏で捕れやすいものである。

魚:サケ、マス、ニシン、イワシなど
肉:リス、ウサギ、エゾシカ、カワウソ、ヒグマなど

▼チタタプは家庭で作れる?
『ゴールデンカムイ』の流行と共に、作中でも印象的な「チタタプ」は注目を集めた。

アイヌ料理店、北海道料理店、ジビエを取り扱う料理店を中心に、チタタプを提供する店も増えている。レシピ自体はシンプルであるため、材料によっては自宅での調理も十分可能に思われるが、寄生虫や細菌などのリスクもある。

特にシカ肉を使用する場合、E型肝炎ウイルスのリスクは深刻である。
そのため本来は生食を基本とした料理だが、加熱調理をはじめとした各種対策は怠ってはならない。専門店によってはチタタプ作りを体験できるコースもあるため、より気軽に楽しみたい人は検討すると良いだろう。

▼『ゴールデンカムイ』内のお約束料理
チタタプは作中でたびたび登場するため、『ゴールデンカムイ』ファンにはおなじみの料理である。

作中の調理シーンがグッズ化されたり、扉絵やおまけのネタに用いられたりと公式展開も多い。2018年には新宿で開催されたコラボイベントで「鶏のチタタプ オハウ仕立て味噌風味」が提供されている。
また2023年に横浜・大阪で開催された体験型イベント『ゴールデンカムイ 黄金遊戯』では、杉元とアシリパと共に新鮮なサケを手に入れるミニゲーム『チタタプって言えぇ!!』も用意され話題となった。

▼実写映画でも話題に
2024年に公開された、実写映画『ゴールデンカムイ』にもチタタプは登場している。
本作のフードコーディネーター・はらゆうこ氏が担当。アイヌ民族料理研究家・三神直美も監修を手掛け、材料の選定からリアリティを追求した。

また、アイヌ語・文化監修を務めた秋辺デボ(アシリパの大叔父役)が、チタタプをする包丁の角度や速さも指導し、こだわりの料理シーンに仕上げられている。

ヒンナ(ひんな)

ニシパ(にしぱ)