「弊社の看板娘」とは……

土木や建築の仕事を称する「ガテン系」という言葉が生まれたのは1991年。その11年前、まさにガテン系の職人にターゲットを絞った「ワークマン」の1号店がオープンしている。


今回訪れたのは、そのワークマンの進化系として2018年に誕生した「ワークマンプラス」。

「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

JR立川駅の北口にある立川栄町店。


ワークマンプラスは職人用の商品のほかに、一般客用にアウトドア、キャンプ、スポーツグッズなども扱っている。

出店のきっかけは「ワークマンで溶接工の方用の服を買ったけど、焚き火の火の粉がついても焦げないから便利!」というSNSへの投稿だったという。

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店頭には山積みの軍手。


10組で178円。安すぎないか。

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店内には看板娘の姿。


さっそく、ワークマン女子にご登場いただきましょう。
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看板娘、登場

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「よろしくお願いします」。


今回の看板娘は広報部の伊藤磨耶さん。入社当初は店舗の店長として配属されたが、2019年に現在の部署に異動。
このようなメディア対応も任されている。

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ふだんは上野の東京本部に勤務。


さて、伊藤さんが生まれ育ったのは福岡県小郡市。母親がピアノ講師だった影響もあり、3歳からバイオリンを習い始めた。

「最初は子供用の小さいバイオリンを買ってもらって、成長するにつれてだんだん大きくしていくんです。歴代のバイオリンは今も大切に取ってあります」。

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まさに音楽一家だったのだ。


「リチャード・クレイダーマンのデビュー曲、『渚のアデリーヌ』が好きです。落ち着いた曲調が途中から激しくなったりして。家族でよく行っていた中華屋さんがあって、そこで流れていたというイメージですね」。

大学卒業後はマスコミに就職したいと思っていたが、BtoBではなく、お客さんの声がダイレクトに伝わってくるBtoCの仕事がいいなと考え直し、小売系の企業を探したそうだ。

「入社後は現場を知るために、店長として全国の直営店を回るというのがワークマンのシステムなんです。
私も福岡、広島、熊本、岐阜とあちこちに赴任しました。最初は失敗ばかりでしたが、慣れてくると楽しい思い出ばかり。観光もできるし、ご当地の美味しいものも食べられるし」。

そんな磨耶さんは子供の頃からアウトドア好きで、現在も時間を見つけてはキャンプ場に出かけているという。

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奥多摩にある氷川キャンプ場は直火の焚き火が楽しめる。


秩父の長瀞ではカヤックも体験した。 

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ワークマン勤務は天職なのではないだろうか。


ところで、磨耶さんを推薦してくれたのは、直属の上司である丸田純平さん。彼女のことをこのように評する。

「基本的にはおっとりとした性格ですが、メディア向けに商品を紹介するときは人が変わったようにハキハキ話します。自分の業務以外の本もよく読んでいるので、仕事熱心だなと思いますね」。

「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

ワークマンのSNSを統括する丸田さん。

--{}--というわけで、満を持して店内を案内してもらいましょう。まずは、職人さん用の靴コーナーから。用途によって仕様が異なるという。
 
「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

こちらは素足感覚で穿けて、ゴム底が滑りにくいので、建設や土木などの作業に快適な靴。屋根作業の際に滑りにくい加工が靴底になされている。

 
「面白い商品もありますよ。入社当初に『なんだこれは!?』と思ったのが『TAKEバイザー』です」。

 
「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

夏場、作業用のヘルメットにはめ込むと日除けになるというアイデア商品。

 
「防塵マスクの品揃えも豊富です。コロナの初期は一般の方にもよくお買い求めいただきました」。

「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

なるほど、そういう使い方もあるのか。


一般の方といえば長靴も人気だという。
今は日常でも履きやすいデザインになっており、もともとは職人さん用に開発されたものなので、性能も保障付きなのだ。
 
「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

キャンプや音楽フェスの現場でも活躍しそう。


そして、冒頭にも書いたようにワークマンプラスはアウトドアグッズも充実している。

たとえば、下の「EXTRA GUARD」はオイル加工を施した牛革のグローブで、テント設営時のペグ打ち、薪の調達、焚き火の火おこしなどのシーンで重宝する。
 
「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

税込980円とお求めやすいお値段。


「ソーラーパネル付きのモバイルバッテリーランタンも人気です。夜でも最大400ルクスの明るさで周囲を照らしてくれます」。

「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

もちろん、スマホの充電もOK。


さらに、キャンプギア展開の発端となったのが「500ml専用真空保冷ペットボトルホルダー」。当初は夏場の屋外で作業する職人さんのために開発したものだ。

「夏場にペットボトルを冷やして現場に持って行ってもすぐにぬるくなってしまいます。でも、これに入れておくと5、6時間は冷たい状態が続くんです」。


「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

2019年の夏に販売を開始したところ、即完売したそうだ。


「ウェアでは自社ブランドがあります。スポーツ系は『ファインドアウト』、登山や釣りなどのアウトドア系は『フィールドコア』、防水機能に特化したレインウェアは『イージス』といった具合にジャンルごとに分けています」。

アウトドアで使える「エアシェルジャケット」は薄くて軽く、耐水性に優れている。税込2900円。
 
「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

傘要らずの一品。


また、ワークマンでは購入した商品に社名などを入れるサービスも行っている。

「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

料金は店舗によって異なるが、立川栄町店はこの価格。


ここでアウトドア用のウェアを買って、「石原たきび」と入れてもらうこともできるわけだ。素敵じゃないか。

2022年3月現在、ワークマンは560店舗、ワークマンプラスは369店舗を展開している。そこに加わったのが2020年に1号店がオープンした新コンセプトストア、「#ワークマン女子」だ。
4月28日にオープン予定の銀座店を含めると計12店舗となる。
 
「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

2021年6月にオープンした「#ワークマン女子 ポンテポルタ千住店」の店頭。


進化し続けるワークマン。そして、磨耶さんはその魅力を世間に伝え続ける。最後に読者へのメッセージをお願いします。
 
「ワークマン」の看板娘が、一般客に防塵マスクが売れた理由を教えてくれた

客層は変われど、創業当初のコンセプトは揺らがないんですね。


[取材協力]
ワークマン
www.workman.co.jp
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