「シダープランク」=「針葉樹の板」

厚さは1cmほどあれば十分だが、厚みがあるほうが反り返りにくい。
「シダー」とは針葉樹、「プランク」とは板のこと。名前から「針葉樹の板を使った料理」であることがわかる。しかしこれだけでは、どんな料理なのかを想像するのは難しいだろう。簡単に説明すると、水をたっぷり吸わせた木の板に食材を乗せる、板ごとグリルして蒸し焼きにする料理のこと。木の板が燃えてしまわないか心配になるが、水分を含んでいるので燃えずに鉄板代わりになってくれる、という仕組みだ。え、まだイマイチ想像がつかない? では、早速作ってみよう。
大きい食材には長め、小さい食材には短め。長さには特にルールはない。
まずは、厚さ1cmほどの板を用意する。樹種はなんでも良い。しかし、食材を乗せるので表面にコーティングや加工のされていない無垢材を選ぼう。この板に食材を乗せて焼くので、長さは食材に合わせて決める。食材はある程度ブロック状で使ったほうが見栄え良く仕上がる。使用するグリル台からハミ出さないかもチェックしよう。
ひたひたの水に漬け込んでおく。
カットした板は水に漬け込んでおく。1~2時間ほど、じっくり水を吸わせたいので、ここまでの作業は出発前に済ませておくといいだろう。ジッパー付きの袋を使うと便利だ。油と調味料で食材全体をマリネする

ここでもジッパー付きの袋が活躍する。
続いて、食材の準備に取り掛かろう。食材は板に乗せるものであれば、なんでもお好みでOK。調理時は蒸し焼き状態になるので、じゃがいもや蓮根など、厚みのある根菜類でもしっかり火が通る。色味のある食材を選んだほうが、仕上がりは美しい。
軽くシャカシャカ。子供に手伝ってもらうのもあり。
食材、オイルと好みの味をジッパー付きの袋に入れ、全体をよく混ぜ合わせる。板の上で蒸し焼きにすると、燻製と同じように木の良い香りが食材につく。この香りを楽しむために、味付けはシンプルに塩コショウがおすすめ。食材がパサつきづらくなるので、オイルは少し多めに入れるのがコツだ。
主役食材を1つ選び、引き立て役の組み合わせを考えてみよう。
アルミホイルを蓋代わりにする

これくらいの厚みの食材なら、問題なく火が通る。
水に浸しておいた板を取り出し、軽く水気を切ってから食材を並べていく。
厚みのあるホイルが使いやすい。
並べ終えたら、板よりも1回りほど大きめにカットしたアルミホイルをフタ代わりに被せる。このとき、板の底面もホイルで包んでまないように注意。板が焼けてきてナンボの料理なので、あくまで上面だけを覆うようにしたい。あとはグリルの上に放置するだけ

調理は簡単。グリルの隅にでも放っておくだけ。
ここまでできたら、あとは完成したも同然。肉や野菜を焼いているBBQグリルの端に置いておこう。調理時間は食材の種類や厚みによるが、15~30分ほど放置しておくだけで完成する。
火力は熾火でこれくらいが目安(中弱火)。
火にかけると、水分が蒸発してシューっと音がし始め、針葉樹のなんとも良い香りが漂ってくる。
仕上げにハーブやレモンを添え、ブラックペッパーを振ると、さらにそれっぽい。
仕上がり具合が気になるところだが、あまりフタを開け過ぎるとせっかくの熱が逃げてしまう。ぐっと我慢しよう。出来上がったら、皿には盛らず、板のままいただくのがワイルドだ。少量ずつ何種類か作ったほうが、写真映えするだろう。木の板の準備さえ整えれば、誰でも簡単にできる「シダープランク」。仲間や家族とのBBQを盛り上げる秘密兵器として、ぜひこの連休にでも挑戦してみていただきたい。