「弊社の看板娘」とは……

近年、男性の美容意識が高まる中、メンズヘア専門の美容室に注目が集まってきた。

そのひとつが、メディアでも頻繁に紹介されている「MEN’SHAIR PERCUT(メンズヘア パーカット)」。
現在、全国に9店舗を展開する。

普通の美容室との違いは? 真相を探るべく、新宿店を訪れた。

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男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

場所は伊勢丹新宿店から明治通りを進んだ先。


階段を上り、店内を覗くとーー。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

看板娘発見。


さっそく、ご登場いただきますよ。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

「よろしくお願いします」。


こちらは美容師歴14年のスタイリスト、高橋りえさん。出身は茨城県のつくば市だ。

正月に帰省した際には毎年行くという板橋不動尊のおみくじを見せてくれた。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

「大吉しか入っていないのでは?」と思うほど大吉しか出ないそうです。


大分県の別府に祖父母が住んでおり、小学生のときは夏休みになると飼っていた犬を連れてひとりで遊びに行っていた。


「温泉の街なので家にお風呂がないんです。だから、いつもお祖母ちゃんと一緒に近くの温泉に入っていました。

お湯に浸かって家に帰るわけですが、その間に埃がつくような気がして……。大工のお祖父ちゃんがシャワー室を作ってくれたときは嬉しかったですね」。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

大分県宇佐市にあるアフリカンサファリの思い出。

--{}--その後、中学ではバスケ部に所属。ポジションはガードだった。

「人数が少なかったので全員レギュラーです。そして背が低かったのでガードでした。『SLAM DUNK』の登場人物で同じガードの宮城リョータが好きでした」。

高校時代には“運命的”な出会いがある。地元の「ブルーパフェ」という美容室でサロンモデルを始めたのだ。
ちなみに、クラスではブルパ派ともうひとつの美容室という二大派閥があったという。

「いつも担当してくれる女性の美容師さんが本当に素敵だったんです。髪も声もファッションも完ぺき。その頃に流行っていた超短めの前髪にいつもしていただいて、大好きでした」。

将来は人を幸せにする仕事に就きたいと考えていたりえさん。中学までは将来の夢が医者だったが思いを一新。美容師を目指すことにした。

「親に『美容の専門学校に行きたい』と言ったらめっちゃ反対されて。高校卒業後に2年間アルバイトをして、そこで貯めたお金で高田馬場にある美容専門学校の夜間部に入学しました。親にはすべて事後報告です」。

こうして、朝は都内でサロンモデル、昼はアルバイト、夜は学校というハードな日々が始まる。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

としまえんの奥にグランドがあり、毎年そこで行われる運動会が恒例行事。


当時はまだつくばの実家から通っており、長い通学時間の電車内ではニンテンドーDSが活躍した。

「やっていたのは『脳トレ』と『レイトン教授』です。ただ寝るのももったいないから頭を使おうと思って」。

学校では2年間とも同じクラス。夜間部で年齢もバラバラだが、お互いに切磋琢磨して絆を深めた。卒業後も定期的に集まっているそうだ。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

卒業写真の様子(前から2列目、右から2番目がりえさん)。


話は戻るがブルパのサロンモデルはすべて無料。しかし、成人式のセットをしてもらった際、憧れのお姉さんに初めて料金を払った。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

セットは朝5時頃から始まり、大満足の仕上がりに。


専門学校を卒業すると大手美容室に就職。表参道店に配属された。
「びっくりするぐらい大変」だったという。

「1年目は朝8時に店に行って鍵を開けて、夜は練習も含めて1時とか2時まで。基礎から技術を教えてくれたのは感謝していますが、遊びに行く暇はまったくなかったですね」。

しかし、一方で専門学校時代もタフな日々を送っていたため、「これが普通なのかな」とも思っていたそうだ。専門学校時代の話といい、根性で人生を切り開くタイプなのだ。

アシスタントから始めて4年後にスタイリストになった。その店で仲良くなった現在のオーナーと店長がPERCUTを立ち上げ、彼らに誘われてPERCUTに転職した。

男性特化を謳いながら女性も受け入れるサロンが多い中、ここは100%男性のみだ。

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もつ鍋とラーメンに目がない店長の手塚達也さん。


御社の看板娘、いかがでしょう。

「仕事面ではかなり真面目で手を抜きません。お客様との距離が近い接客のせいか、若い人からもご高齢の方からも人気ですね。
サロンワーク以外では、大雑把な僕が気付かないところをフォローしてくれています」。

りえさんは持ち前の愛嬌で誰とでも仲良くなれる才能を持っている。手塚さんとも家族ぐるみの付き合いなのだ。

ステキな写真も見せてくれた。

「2016年の夏に東京で働いていたスタッフが大阪転勤になるということで、手塚さんを含めた3人でレンタカーを借りて七里ヶ浜までドライブしたんです。サービスエリアで買ったコーラのラベルにあったメッセージが、たまたまそのときの状況にぴったりでした」。

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なるほど、「トモダチ」「ウキウキ」「感謝」。


PERCUTへの入社は2015年。以前の店も男性客をメインに担当していたので、業務内容に違和感はまったくなかった。

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昨今のメンズヘアのトレンドは、このような「センターパート」だそうです。


また、前職でスタイリストに昇進した際に贈られた革のケースを、いまでも大切に使っている。

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ハサミもクシも用途に応じて使い分けるのがプロの仕事。


ところで、りえさん。新宿のこの立地でカット税込3500円というのは安すぎませんか?

「男性専門にすることでコストが削減できるんです。無料のシャンプーまで含めて、施術はトータルで30分なので回転も速い。髪が長い女性だとカラー代も高くなりますし」。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

パーマの際に使うロッドもこれだけの種類がある。


さらに、希望の髪型を伝えるのが苦手な男性も多い。

流行がどんどん変化する中で、新しいパーマ技術やSNSでのトレンドなどを含めて相談に乗れるのもメンズヘアに特化した専門店ならではの強みだ。

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施術後のくつろぎの時間を過ごすシャンプー台。


なお、前職では旅行はおろか、遊びに行く時間もなかなか取れなかったというりえさん。完全週休2日で夏期休暇の時期も自分で選べる現職では、プライベートも謳歌している。

まずは、コロナ前の2019年の秋に行ったバリ島のウブド。

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1本のロープを腰に巻くだけの「Bali Swing」 で絶叫。


昨年の夏期休暇は1週間。沖縄で3泊し、大阪ではUSJを堪能、最終日は京都の街を散策した。

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清水寺に続く道で朝の空気を吸い込むりえさん。


同年の秋には天王洲にある寺田倉庫の『バンクシーって誰?展』に出かけた。

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チケットは持っていたが、長蛇の行列で入場までに1時間以上かかったそうです。


最後は大好きなグルメ。代々木八幡のベトナム料理店、「ヨヨナム」のカリカリ和え麺だ。野菜もたくさん食べられるので大満足な一皿。

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「無性に食べたくなるクセになる味」とのこと。


PERCUTには紹介した人、紹介された人に対する割引サービスもある。

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りえさんが書いた告知パネル(写真はモデルのsatoruくん)。


そんなわけで、ブルパのエピソードがじんわりといい話でした。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

男性専門美容室「PERCUT」の看板娘が、根性と愛嬌で人生を切り開いていた

日々研究を怠らない看板娘でした。



[取材協力]
MEN’SHAIR PERCUT 
https://percut-hair.com
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