▶︎すべての画像を見るキャンパーたちの間で絶大な支持を得るフォルクスワーゲン「ヴァナゴン T4」だが、カメラマンの清水健吾さんの場合は基本的に“街乗り専用”だという。「都会の街乗りにヴァナゴンのキャンプ仕様が最高なんですよ」。
清水さんがそう語る深い理由とは……。
▶動画も見てね! 清水健吾●1979年生まれ。2015年清水写真事務所設立。現在はオーシャンズを始めとするファッション誌やカタログなどで活躍。
リビングもキッチンもベッドも備えた“遊びの天才”
「VAN」と「WAGON」をかけ合わせた造語の「ヴァナゴン」。清水さんが運転するのはT4シリーズの北米仕様車、ユーロバンCV。いわゆる“キャンパーモデル”である。「僕はカメラマンだから荷物も多いし、モデルさんやヘアメイクさんを乗せることもあります。要は機材車も兼ねた遊ぶ車って感じですね。ヴァナゴンに乗るのはこれで2台目。初代はキャンプ仕様じゃなかったので、一回は乗ってみたいということで、今度はキャンプ仕様にしました」。
清水さんのヴァナゴンは大きなポップアップルーフが特徴的で、大人2人が就寝できるスペースが広がる。車中にはキッチンがフルスペックで備わっており、冷蔵庫とコンロ、シンクが横一列に並ぶ。
運転席と助手席を回転させればテーブルを囲んだ一家団欒も可能だ。
後部座席の2列目と3列目のシートを倒せばフルフラットベッドになるし、車体の外部から引き出せるオーニング(タープ)を広げればリビングスペースまで確保できる。「ベッドルーム」「キッチン」「ダイニングルーム」「リビングルーム」を自由に使い分けできる、“遊びの天才”のような車である。
大容量の冷蔵庫、2口コンロ、シャワータイプの蛇口が付いたシンクを装備。未使用時はカバーを下ろせば見た目もすっきりする。
「買ったときは妻から『なんでこんなの買ってきたの?』ってツッコまれました(笑)。でも、今では家族みんながヴァナゴンを楽しんでると思います」。
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街乗りでヴァナゴンが活躍する乗る理由
これほど
アウトドア機能が充実したヴァナゴンを手にしたのに、なぜ街使いにこだわるのか。「僕は北茨城の田舎出身なんですよ。海も山もある環境で育ったので、アウトドアはもうずっと楽しんできました(笑)。今はたまに里帰りするだけで十分。それより都会の方がヴァナゴンの良さが発揮されると思っています」。例えば、コーヒー好きの清水さんは、撮影の空き時間にカフェへ寄ることが多い。
カフェ店内では、コーヒーを飲みながら写真データをパソコンに取り込んだり、メールの返信をしたりするなど、ちょっとした仕事を済ますことも多かったそうだ。
しかし、ヴァナゴンを手に入れて以降は……。「カフェの店内を利用することは完全になくなりました。テイクアウトして、車で飲んでいます。ランチもそう。仕事も車中のほうがはかどりますしね。東京の飲食店って、どこも混むじゃないですか。今は感染症もあるし。でもヴァナゴンなら、いつでも広々したプライベート空間を確保できます。意外かもしれませんが、これは都会でこそ使える車なんですよ」。
清水さんの行きつけは西新宿の町中華「登喜和」。特にお気に入りがこちらのオムライスである。
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ヴァナゴンに乗ってれば“目的地”も必要ない
「VW」のエンブレムはわざわざ古いタイプのものに変えてもらったという。「あえてピカピカじゃない状態で乗りたいんですよ」。
もともと仕事以外での遠出を好まない清水さんだが、子供たちのために観光地へ旅行することはあった。ただ、ヴァナゴンを手に入れてからというもの、遠出をする理由はますます減ったのだという。「このヴァナゴンに乗っていると、目的地が必要なくなってくるんですよ。近くの公園へ出掛けるのにも、ヴァナゴンに乗るだけで子供たちは喜びますから。これだけで遊びになるし、旅気分になれる。わざわざ遠出して遊ぶより、2~3時間でいかに思い切り楽しむか。東京からちょっと足を伸ばせば海や山もあるじゃないですか。その往復だけで満足できるのも、やっぱりこの車だからこそだと思います」。
ちなみに、清水さんのお気に入りスポットは新宿中央公園。オリンピックを機に美化計画が進み、見違えるほど綺麗に生まれ変わった。「新宿中央公園は東京で一番好きな場所です。
路上パーキングがあちこちにあるから車も停めやすいし、自然に囲まれながらご飯を食べたり、仕事したり、昼寝をしたり……緑も豊かで日陰も多いから、本当に最高のロケーションですよ」。
フルフラットベッドにすれば伸びやかに寝ることができる。ポップアップルーフと併せて大人4人の就寝が可能。
ヴィンテージ車は、車選びより店選びの方が大事
「当分はこのヴァナゴンで遊ぶ尽くす」と話す清水さんだが、実はもともと大の車好きで、これまで乗り継いできた車はこのヴァナゴンで10台を数える。過去には日産のビジネスセダンのAdやサニー、フォルクスワーゲンのパサートやレンジローバー、メルセデス・ベンツのS124などを乗り継いできた。購入するのは決まってヴィンテージ車である。「僕がこのヴァナゴンでお世話になったのは、神奈川県の『T-Works』というお店です。ヴァナゴンの取り扱いが充実している店で、サポートもすごくしっかりしているんですよ」。
ヴィンテージ車に故障は付き物。だからこそ、メンテナンスや保証サービスの内容が問われる。
ヴィンテージでも、過去に良く売れた車種なら代替パーツが見つかりやすく、比較的修理もしやすいという。「ヴィンテージ車は不調や故障が付き物。ちゃんとしたお店だと、いざというときもスムーズにコニュニケーションが取れるし、ちゃんと修理もしてくれるので、ストレスなく乗り続けられます。
『T-Works』はお店から500km以内であればレッカー移動も彼らがやってくれるので、安心して乗れますよね。何かあったときにちゃんと保証してくれる店かどうかは、ビンテージ好きにはすごく大事。究極、車選びよりも店選びの方が大事なんじゃないかと思います」。ヴィンテージオタクの金言、しかと胸に刻むべし。
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