「Camp Gear Note」とは……

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近年、どんどん便利に進化してきたアウトドアギアの中で、タープは昔から変わらないシンプルな構造の道具だ。

タープの設営には普段よく使う蝶結びや固結びも使えなくはないが、状況によっては結び目の強度不足でほどけてしまったり、逆に結び目が締まり過ぎてほどきにくくなってしまったりする。

▶︎ ついでにCheck!
「ひとりで15分以内!」 タープを手早くスマートに張れるようになる6つのポイントそこで今回は、数あるロープワークの中でも、タープに便利な結び方を2種類に絞って学んでみよう。

どちらも強度は十分だけれど、結びやすく、ほどきやすい。タープ以外にもアウトドアでは役立つ場面が多い結び方なので、ぜひこの2つをマスターしてみよう。


①タープと本体の連結に使える「ふた結び」

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

用途が多いので覚えておくと便利な「ふた結び」。


タープ本体の四隅や真ん中には、「ループ」と呼ばれる輪っかが付いている。ここにロープ(ガイライン)を結びつけて使うのだが、おすすめの結び方は「もやい結び」と「ふた結び」。

“キングオブノット”とも呼ばれる結び方の大定番「もやい結び」の紹介はほかに譲るとして、ここでは同じくらい手軽に結べてほどきやすく、出番も多い “隠れキングオブノット”とも呼ぶべき「ふた結び」の手順を紹介する。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

わかりやすいよう、少し太めのロープを使っている。


まず、ループにロープの先端を通す。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

先の長さが短いと結びづらいので少し余裕を持っておこう。


次に元のロープに巻きつけるように輪を作り、先端を輪の内側に通す。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

巻きつけて、輪の中を通す。


続いて、もう1度巻きつけて、同じ形をもう1つ作る。


タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

この形になったら正解。


結果、締める前の結び目が、フリーダイヤルのマークのようになっていればOK。あとは結び目を寄せながら、両方から引っ張って引き締めたら完成だ。

しっかりテンションがかかれば、これだけで十分な強度を得ることができる。一方で、もとにかかっているテンションを緩めれば、とても簡単にほどくことができるのもポイント。これは覚えておくと、ほんとに便利!
▶︎ついでにCheck!
ロープワークの大定番「もやい結び」を簡単解説
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②コブを作って止めたいときには「8の字結び」

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

もやい結びやふた結びと並ぶくらい出番が多いのが8の字結び。


「グロメット」と呼ばれるタープの丸い金具は、基本的にポールの先端を差し込むための補強パーツだが、タープに先ほどのようなループがない場合は、ここにロープを通して使うこともできる。

その場合、前述のふた結びを使ってもいいのだが、コブを作って止める方法を使うとよりお手軽。このときに便利な結び方が「8の字結び」だ。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

穴にロープを通して折り返しておく。


結び方は、まずグロメットにロープを通す。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

慣れるまでは少し長めにロープを出しておいた方がやりやすい。


次に、ロープを折り返し、8の字を描くようにもとのロープに先端を巻きつける。


タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

写真の向きの場合、輪の中に上から入れて、下に抜く。


先にできた輪の中に先端を通す。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

もとのロープと先端の両方を引っ張り、結び目を締める。


最後は両方から引き締めて完成。先端はある程度余るくらい余裕を持っておくと抜けづらい。

初めは8の作り方に少々戸惑うかもしれないが、慣れてしまえばさほど苦労せず作れるだろう。

いちばん簡単な結び方「止め結び」でもコブは作れるが、適度な大きさの抜けづらいコブを作るなら、8の字結びが最適

この結び方も非常に用途が多いので、覚えておいて絶対に損はない。
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③ ポールの先端にかける輪には「二重の8の字結び」を

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

こちらも同じく「8の字結び」が活躍する。


8の字結びは、じつは「強度の強い輪を作る」用途で使われることが多い。テントポールを立てるための輪をロープで作るのにも、強度が高く、ほどきやすい8の字結びを応用すると便利だ。

ここではポールから2本のロープを引き出したいので、2本のロープを重ねて8の字結びをする「二重の8の字結び」にトライしてみよう。


タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

ロープを真ん中で折り返すと、同じ長さのロープが2本張れる。


まず、使いたいロープを真ん中で折り返しておく。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

折り返した二重ロープで輪を作る。


この二重のロープを、先ほどの8の字結びの要領で同じ形に結んでいく。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

先ほどの8の字結びと手順は同じ。


輪を作り、先端を元のロープに巻きつける。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

結び目がこのような形になれば正解。


輪の中に先端を通して8の字型を作り、両方を引き締めたら完成。結び目から出ている小さな輪をポールの先端に引っ掛けて使う。

タープ設営に使える超基本のロープワーク「ふた結び」と「8の字結び」は覚えておこう!

ロープが抜けづらくなるちょっとしたテクニック。


ちなみに、ポールの先端にロープをかけるときは2回巻きつけると抜けづらくなるので覚えておこう。

この二重の8の字結びは、クライミングの命綱などにも使われる結び方なので、強度の高さは折り紙付きだ。



欲張って一度にいくつもの結び方を覚えようとすると、頭の中がこんがらがったロープのような状態になって、いつまでたってもロープワークは上達しない。

タープに関しては、まずはこの2つの結び方だけ覚えておけば十分。よく使う結び方に慣れてきたら徐々に次、というように使える結び方を増やしていくのが上達のコツだ。
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