パタゴニア「シンチラ」の誕生秘話
「シンチラが登場するまでは、山登りなどのアクティビティには吸水性や保温性、放熱性の高い天然ウールのウェアが重宝されてきました。でも、羊毛は雨に濡れると重くなるデメリットがあり、洗濯するのも乾かすのも大変ということで、パタゴニアが開発に乗り出しました」(パタゴニア日本支社のマーチャンダイジング担当・細野雅子さん)。
シンチラはリサイクル・ポリエステル100%。その実力は?

ポケットやトリムにはパタゴニアの大定番「バギーズ」の端切れ生地が使用されている。
パタゴニアのシンチラは、リサイクル・ポリエステル100%。ゴミになったペットボトルが原料になっているという。「パタゴニアのミッションは“環境に配慮する”というものから、“故郷である地球を救う”に変わりました。どんな素材が使えるのか使えないのか、製品を製造する過程でカーボンニュートラルはどれだけ実現できているかなど、かなり細かい計算をしています」。
2022年秋冬の製品開発ではコロナにおけるアジア人差別やジョージ・フロイドさんの暴行事件をめぐるコミュニティの分断も問題視され、「UNIFY」や「COMMUNITY」がシーズンのテーマとして取り入れられた。
--{}--薄くて暖かいからレイヤリングにも最適

(左から)「シンチラ・ベスト」1万6500円、「シンチラ・カーディガン」1万8150円、「シンチラ・ジャケット」1万9800円/すべてパタゴニア 0800-8887-447
袖のない「シンチラ・ベスト」はTシャツやロンTに合わせられるため、季節を超えて使える大人気アイテム。「シンチラ・ジャケット」はこれ1枚で十分に暖かく、日本の冬ならダウンジャケット変わりになることも。左胸にはジッパー付きのポケットが、フロントには2つのポケットが付いているため、手ぶらで出かけたい人にはおすすめ。襟やジッパー、裾の部分は形が崩れないよう、ナイロン製の縁取りが施され、耐久性もお墨付きだ。「シンチラについては、1980年代に出た初期のものを今もまだ着ているという方もいます。1枚あればずっと長く着ていただける耐久性も強みですね。デザインも普遍的なので、37年間もずっとロングセラーで人気なんだと思います」。
寒い日はジッパーを上に。

裏地もフリースで暖かい。フロントに付いている2つのポケットはジッパー開閉で落ちることがなく、スマホもすっぽり入る大きさ。
日本待望の新デザイン「シンチラ・カーディガン」

色は「セコイアレッド」「オートミールヘザー」「ブラック」の3色。
「シンチラ・ジャケット」「シンチラ・ベスト」と並ぶ「シンチラ・カーディガン」だけは、今までなかった新作のシンチラで、日本待望のデザインだという。「シンチラ・カーディガンは、アメリカや南米、韓国のスタッフが参加するグローバルミーティングで私たち日本のスタッフが提案したデザインです」。日本では男女問わず、ファッションにマフラーやスカーフを取り入れるスタイルが多い。襟のないデザインがきっと好まれるはずだと細野さんたちは他国のスタッフを説得し、今回ようやくその願いが実ったという。◇1枚あれば重宝するパタゴニアのシンチラ。本格的な冬を前に購入した方が良さそうだが、とにかく人気のアイテムなのでぜひ早めの購入を。