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振り返れば1980~’90年代は国産スポーツカーの黄金時代。そして今、その頃のジャパニーズスポーツカーが世界で、そして特にアメリカで大人気なのだ。


実はアメリカには通称「25年ルール」と呼ばれるクラシックカー登録制度があり、通常は右ハンドル車の輸入・走行が認められていないが、初年度登録から25年以上経過すれば輸入・走行がOKとなる。

そのため今から25年以上前、つまり1997年以前にデビューした日本車をアメリカの愛好家たちが買いあさっているというのだ。

そんな数ある黄金時代の至宝から、国産車ファンなら知っておくべき7台の日本代表を紹介しよう。


ワイスピで人気が高まったトヨタのスポーツカーの頂点

海外で爆売れ中の90's国産スポーツカー名作7台。あの頃、どれが好きだった?

トヨタ「スープラ」(中古車価格は約330万~2450万円)



トヨタ「スープラ」

「ザ・スポーツ・オブ・トヨタ」というキャッチコピーで登場したトヨタ屈指の2ドアスポーツカー、A80型「スープラ」。

最高出力280馬力だけど、チューニング次第で500馬力超にしても壊れにくいタフな3L直列6気筒ツインターボエンジンや、ドイツ・ゲトラグ社製の6速MTが用意されていた。

映画『ワイルド・スピード』第一作では主人公のブライアンが愛車として乗ったことで、今に続くアメリカでの人気が高まったといわれる。

ちなみに映画の劇中車は昨年55万ドル(約6040万円)で落札された。


最強のスポーツカーと言われた日本の至宝

海外で爆売れ中の90's国産スポーツカー名作7台。あの頃、どれが好きだった?

日産 「スカイラインGT-R」(中古車価格は約480万~1700万円)



日産 「スカイラインGT-R」

日本最強のスポーツカーと言われたR32型「スカイラインGT-R」。

2568ccの直列6気筒ツインターボエンジンは、開発テスト時には軽々と300馬力を超えていたが、当時の自主規制により280馬力にされたと言われている。

この有り余るパワーを2輪ではなく4輪に伝えつつ、コーナリング時は曲がりやすいようFRのように走れる、当時としては最先端の電子制御式4WDシステム「アテーサE-TS」が搭載された。

全日本ツーリングカー選手権では1990年~1993年の間、29戦29勝とまさに無敵。後継のR33型、R34型も海外での人気も高い。


セナもステアリングを握った国産唯一の“スーパーカー”

海外で爆売れ中の90's国産スポーツカー名作7台。あの頃、どれが好きだった?

ホンダ「NSX」(中古車価格は約640万~2550万円)



ホンダ「NSX」

今だに国産唯一の“スーパーカー”とも言われるホンダ「NSX」。
--{}--フェラーリ「365BB」やランボルギーニ「カウンタック」と同じく、リトラクタブルライトを備え、エンジンを運転席の後ろに積むミッドシップレイアウトが採用された。

ターボなど過給器に頼らず自然吸気で8200rpmまで回る3L V型6気筒は、最高出力280馬力を7300rpmという高回転域で、気持ちいいサウンドとともに発揮する。


また世界初となるオールアルミ製モノコックボディが採用された。開発時にはアイルトン・セナが鈴鹿サーキットを走ってアドバイスし、販売後は愛車にしていた。


’90年代のハイテク満載の一台

海外で爆売れ中の90's国産スポーツカー名作7台。あの頃、どれが好きだった?

三菱「GTO」(中古車価格は約90万~400万円)



三菱「GTO」

一見ミッドシップマシンのようなフォルムのフロントにエンジンを収め、前後トルク配分が45:55に設定されたフルタイム4WDを搭載した「GTO」。

3L V型6気筒エンジンのツインターボ仕様では最高出力280馬力を発揮する。

50km/h以上で後輪を前輪と同方向に操舵して安定感を高める4WS(四輪操舵)や、80km/h以降でリアスポイラー等を自動で可変して車体が浮き上がるのを抑えるアクティブエアロシステム。

さらにスイッチで排気音を変えられるアクティブエキゾーストシステムなど、バブル時代の日本を象徴するような“ハイテク”満載のスポーツカーだった。


今もなお美しいピュアスポーツカー

海外で爆売れ中の90's国産スポーツカー名作7台。あの頃、どれが好きだった?

マツダ「RX-7」(中古車価格は約90万~400万円)。デビュー時の車名は「アンフィニRX-7」。



マツダ「RX-7」

コンパクトで容易にハイパワーが引き出せるロータリーエンジンを搭載したFD型「RX-7」。

13B型ロータリーターボエンジンはデビュー時こそ最高出力は255馬力だったが、後年ついに280馬力を発揮するように、マツダは年々この車の熟成を図った。

ボディの中央に極力エンジンを寄せるフロントミッドシップレイアウトを採用し後輪を駆動させる。

そのハンドリング性能は、キャビンが小さくて曲面が美しいスポーツカー然としたフォルムに違わず、まさにピュアスポーツだった。

デビューから30年以上経っても美しいフォルムには、国内外にファンが多い。


世界で勝つためのベースモデル

海外で爆売れ中の90's国産スポーツカー名作7台。あの頃、どれが好きだった?

スバル「インプレッサWRX STIバージョン」(初代の中古車価格は約125万~740万円)



スバル「インプレッサWRX STIバージョン」

4ドアの5ナンバーサイズで世界と戦ったのが、1992年にデビューしたスバル「インプレッサWRX」。
--{}--WRC(世界ラリー選手権)に勝つためのベースモデルとして開発され、これをスバルのモータースポーツ部門であるSTIがSTIバージョンとして仕上げて販売した。

その後も世代を重ね、現在では「WRX」の車名で日本だけでなく海外でも販売されていて、昨年は日本より先にアメリカで新型が披露されたほど、海外での人気が高い。



ジャイアントキリングを目指した小兵

海外で爆売れ中の90's国産スポーツカー名作7台。あの頃、どれが好きだった?

三菱「ランサーエボリューションI」(IとIIの中古車価格は約240万~500万円)



三菱「ランサーエボリューションI」

インプレッサのライバルであり、「小さいのに大きな海外スポーツカーに後塵を浴びせることもできる」いかにも“日本車”な一台が、三菱「ランサーエボリューション」、通称「ランエボ」だ。

インプレッサWRXと同じく1992年にデビューした“エボI”から始まり、2015年に販売が終了した“エボX”まで10代に渡り生産された。

スープラ同様、ランエボも映画『ワイルド・スピードX2』の主人公ブライアンの愛車に抜擢された(エボVII)ことで海外での人気が高まった。
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