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トヨタ自動車が誇る高級車で、誰もが知っている国産ショーファーカーの代表と言えば、やっぱりトヨタ「センチュリー」じゃないだろうか。

ロールス・ロイスやベントレーといった海外の雲上ブランドのような派手さはなく、むしろ日本らしい奥ゆかしさや侘び寂びを感じる高級車。


名前は知っていても詳細は意外に知らないセンチュリーの凄さを、しっかり解説していきたい。


平安に江戸。古来の様式を取り入れた豪華仕様

国産高級車トヨタ「センチュリー」の輸入車にはない豪華仕様と、意外と知らないその歴史

トヨタ「センチュリー」。2008万円~


初代センチュリーは、自動機織り機を発明し、教科書にも載るほどの偉人であり、現在のトヨタの礎を築いた豊田佐吉の生誕100年を記念して、1967年に発売された「日本を代表するショーファーカー」だ。

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「購入するには審査に通る必要がある」なんていう都市伝説があったほどの超高級車で、当時の内閣総理大臣専用車としても使用された。

1997年に登場した2代目は、日本の市販乗用車として初のV型12気筒エンジンを搭載したことで車好きにも大きな注目を得た。

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しかもそのV型12気筒の完成検査では熟練者が聴診器を使って診断するなど、トヨタが誇る職人の中でも選ばれた匠たちによって生産されることも話題となった。

そんなトヨタの、いや日本の技術の粋が集められたセンチュリーの3代目(現行車)は、2018年6月に登場した。

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一目でセンチュリーとわかるが、クラシカルというより、むしろモダンなエクステリア。

それでいて「平安時代の屏障具(へいしょうぐ)の柱にあしらわれた面処理の技術を採用」なんて具合に、日本の美意識が強く意識されている。

フロントグリルに輝く鳳凰マークは初代から職人による手彫りの金型が使われ、現行型では江戸彫金の流れを汲む現代の工匠が伝統を継承し、進化させた。

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また4色あるボディカラーのハイクオリティぶりは言うまでもないが、中でも新色の「神威(カムイ) エターナルブラック」は漆の黒を表現するため“研ぎ”と“磨き”が加えられている。


具体的には7層の塗装に対して、漆塗りを参考にした、流水の中で微細な凹凸を修正する「水研ぎ」が3回。その後、鏡面仕上げが施されている。

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メインである後席は、天井が他より高い折り上げ式の天井に。そこに座る人が格上であるということを示す、武士の時代からある建築様式だ。

しかも天井に張られた織物は「紗綾形(さやがた)崩し柄」。卍を組みあわせたこの柄は、「不断長久(絶えることなく長く続く)」という意味があり、家の繁栄や長寿を願う文様とされている。

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御料車にも使われる最高峰のこだわり

もちろん快適に過ごすための機能も十分に揃っている。

運転席と助手席の間に大型の液晶パネルが配置されたエンターテインメントシステムが搭載され、12chオーディオアンプと20個のスピーカーによって臨場感あふれる音響を楽しめる。

また後席アームレストには7インチタッチパネルが備わり、オーディオや空調、シート角度、カーテンの開閉等の操作が行える。

後席の中でもメインとなる助手席側は、フットレスト機能付オットマンが前席の背後に備わり、助手席を電動で動かしながらオットマンを好みの位置に調整できる。
 
国産高級車トヨタ「センチュリー」の輸入車にはない豪華仕様と、意外と知らないその歴史



搭載されたパワートレインはV型8気筒5Lエンジンにモーターを組みあわせたハイブリッドシステム。

5Lという大排気量エンジンを使用するにも関わらず、JC08モード燃費13.6km/Lなのは、さすがのトヨタクオリティ。


VIPにふさわしい高い静粛性を実現するため、防音材は熟練の匠によって隙間なく組み付けられ、もちろん万が一に備えて強固なボディやエアバッグ、衝突被害軽減ブレーキをはじめとした最先端の安全性能が備わる。

国産高級車トヨタ「センチュリー」の輸入車にはない豪華仕様と、意外と知らないその歴史



乗り心地だって当然VIP仕様。

常にフラットな乗り心地を実現するための電子制御式エアサスペンションは当たり前で、乗り心地に特化して開発された専用タイヤや、足回りを取り付ける部分に備わるクッションであるブッシュの素材、形状までこだわられている。

ちなみに2代目の途中から、センチュリーは天皇陛下や皇族が乗る特殊車両「御料車」のベース車として選ばれている。

当然現行型の3代目も、皇族の方々を乗せることを前提として開発された。つまり、日本車の最高峰として開発された車だ。

国産高級車トヨタ「センチュリー」の輸入車にはない豪華仕様と、意外と知らないその歴史



だから、上記で書き切れない“こだわり”が無数にある。

毎朝センチュリーがお迎えに来てくれる日を夢見て、まずはセンチュリーのタクシー(あるよ!)を探すところからはじめてみよう。
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