もう楽器を触らなくなってどのくらい時間が経ったのだろう。やっぱり音楽は聴くのもいいけど、自分で奏でてこそ面白い。
「フェンダー」のギター
歴史的名器、フェンダーの「ストラトキャスター」の使い手は数えきれないけれど、誰もが認めるレジェンドといえば、ジミ・ヘンドリックスしかいない。そういえば、ジミヘンのギターの深みや魅力って、オトナになってからやっと理解できたなぁ……と思っているOC世代に朗報がひとつ。
昨年、ジミヘンの誕生日だった11月27日に、新しいシグネチャーモデルが発売されたのだ。しかも、これまでなかった木目が美しいサンバーストタイプ。価格設定もオッサン的には十分リーズナブル。改めてジミヘンのリフを弾くことから始めるのに理想的なやつだ!

ジミ・ヘンドリックスみたいに弾け!
1960年代、彗星のごとくロック界に現れ、とんでもない衝撃を与えたジミヘン。左利きだった彼は、右利き用のストラトを逆さまに持って演奏していたけれど、シグネチャーモデルはそれを再現すべく、ヘッドもスラントブリッジピックアップもリバースデザインになっている。
「グレッチ」のギター

オトナにしか似合わないものって世の中にいろいろある。楽器でいうならグレッチのギターである。ホロウ・ボディと呼ばれる、内部が空洞になった独特の構造で、ボディが大きいのが特徴。だから、華奢なカラダの若者には似合わないのか!? いや、最大の理由はそこじゃない。やっぱりゴージャスだから、それに尽きる。
なかでもピカイチなのは、「世界一美しい」と称される「ホワイトファルコン」だ。純白のボディに、これでもかというぐらいにゴールドパーツがあしらわれている。だけど少しもイヤラしくない。そればかりか、溜め息が出るほど格好いい。開発者のジミー・ウェブスターが手掛けた1955年の初代モデルを再現したヴィンテージ・セレクト・エディションは、希少ながらまだ購入が可能だ。買うならオトナになった今しかないぞ!

ジョン・フルシアンテみたいに弾け!
孤高の天才ギタリスト、元レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョンも、ホワイトファルコンの愛用者。1999年リリースのアルバム『カリフォルニケイション』のタイトル曲をライブで披露する際は、必ず「ホワイトファルコン」だった。上半身裸でこれを奏でる姿は、ロック界の名シーンと言いたい。
「ギブソン」のギター

エレキギターの代名詞ギブソンの「レスポール」は1952年に誕生し、’60年に生産は一度ストップしたものの、’68年に再発。その際にボディ材がメイプル・トップとマホガニー・バックに変更されて、結果サウンドも新たになった。その’68年の「レスポール カスタム」こそ、とりわけロック・ミュージシャンたちから信頼が厚い。
昨年は、レスポール再発から50周年。それを記念した復刻モデル「50th Anniversary 1968 Les Paul Custom」が世界300本限定で発売された。

スラッシュみたいに弾け!
「レスポール」が世界一似合うギターヒーローといえば、文句なしでガンズ&ローゼズのスラッシュだろう。レスポールを持ったら、まず「スウィート チャイルド オブ マイン」のリフを弾いてしまうOC世代は多いはず。演奏しづらいけれど、ストラップは長めがやっぱり基本なんだよなぁ。
「ゾディアックワークス」のギター

日本の歴史上で最も有名なシグネチャーモデルのギターといえば、布袋寅泰の「テレキャスター」と言って間違いなかろう。あみだくじのような幾何学模様をペイントしたギターは、BOØWY世代なら全員知っているはずだ。
35年以上の布袋さんのキャリアは、ほぼこの布袋モデルとの歴史と言っても過言ではない。中学生の頃にどうしてもこのギターが欲しくてたまらなかったオトナたちよ! 少しずつ進化してきた本人監修最新版が購入可能だ。
初めて市場に登場した’85年から、ボディの形以外、すべてが変わっているという。日本中の青少年をロックに目覚めさせたこのギター、弾くか弾かないかは別にして、記念碑的に手に入れておくのもいいかもしれない。

布袋寅泰みたいに弾け!
2016年にキャリア35周年を迎えた日本を代表するギタリスト。BOØWYはかつてのバンドブームの火付け役だったから、おそらく日本で最も多くコピーされたのは、布袋さんの作った数々のフレーズだろう。

布袋モデルの陰にこの人あり。松崎淳さんは、1986年、BOØWYの『ジャスト・ア・ヒーロー』時代から布袋モデルを手掛けるエンジニアだ。’92年に独立し、現在は自身の工房兼メーカー、ゾディアックワークスを運営している。布袋さんとの親交は30年以上続く。[画像をもっと見る]
鈴木泰之=写真 遠藤 寛=スタイリング 川瀬拓郎、長谷川茂雄=編集・文