見るモノ変わるメガネの世界
迫りくる老眼、ブルーライトとの戦い。年齢や時代とともに気になることが増えてきた目とメガネにまつわるアレやコレ。
キメキメじゃないのになぜだかさらっとキマっている。そんな独自のスタイルを紹介する連載「種カジのタネあかし」が人気の我らが“種さん”ことフリープランナーの種市 暁さん(46歳)。
なんでも最近、年齢による“あれ”でいよいよ近距離が見えづらくなってきているとのこと。
そんな折に編集部にタレコミが。ドイツが生んだアイウェアブランド、マイキータのショップでは、最先端の技術により、すごいことができるらしい、と。
早速、種さん&取材班が店舗を訪れることに。果たして……。
誰もが認めたくない40代の眼の話
――今日お世話になるのは、メガネ好きなら一度は訪れたいドイツ・ベルリン発のアイウェアブランドのマイキータです。種さん、ご存じでした?

種市さん「すみません! 存じ上げませんでした。というのも僕、視力は良くて学生時代からずっと2.0。なので、今までメガネとはまるで縁がなかったんです」※以下敬称略
――普段掛けているのは、サングラスですもんね。
種市「よろしくお願いします」
高橋さん「店長の高橋です。よろしくお願いします。早速ですが、種市さん、近くが見えづらいということで……」※以下敬称略
種市「認めたくないんですけどね。ろう……、あぁ、言葉にすら出したくないかも(笑)。花粉症でも言うじゃないですか。認めた瞬間花粉症になる、みたいな」
高橋「メガネを掛けると視力の低下が進む、という都市伝説みたいな迷信がありますが、科学的根拠はないと言われています。むしろ早期に対応したほうが、悪化の抑止にもつながりますよ。早く気付けてむしろラッキーなくらいです」

――種さん、具体的にはどのような自覚症状が?
種市「ご飯を食べるときに、米粒がぼわぁっとボケてしまって。あと、スマホもちょっと前に画面が大きいタイプに変えたんですが、見やすいというのが一番の理由なんです(苦笑)」
高橋「最初は誰しもが認めたくないんですよね。ずっと目が良かったという人ほどその傾向があります」
種市「今のままでもいいんだけどなぁ。目を使うのってサーフィンくらいだし(笑)」

――運転などでも使いますよね。
高橋「運転時はそれこそメガネでのサポートが必要です。前方やカーナビなどの遠近や、左右や後ろまでの広い視野を必要としますから」
種市「あ、最近は食品のカロリー表示もよく見るか(笑)。そのときはさらっと見たいね」
高橋「人間の受け取る情報は、視覚が80%を占めると言われています。見えていないと情報が入ってこない。子供ならば、見えにくいことが理由で本を読まなくなったり、大人ならば、カロリー表示自体を見なくなったり、と行動が消極的になることもあると言われています」

高橋「今回はせっかくですから、いろいろ検査をして老眼を矯正する方向で進めましょう」
種市「老眼……」
――言われてしまいましたね、今はっきりと。
種市「こうなったら、お洒落なアイウェアを1本新調するつもりで、トライしてみますか!」
高橋「では、まずはフレームを選びましょう」
種市「でもやっぱり、いざメガネを選ぶとなると気分がアガりますね(笑)」
NEXT PAGE /レンズの自由度がアップすれば、フレーム選びもテンションアップ!
――種さん、今回マイキータさんにお邪魔した当初の理由はレンズです。マイキータが採用するツァイス製レンズすごいらしいと……何がスゴいかは……高橋さん、お願いします。
高橋「はい。簡単に言うと、1枚のレンズで近視や乱視、そして老眼の矯正が可能です。また、のちほど触れますが、その精度が一般的なメガネレンズの25倍なんです」
種市「僕の両親が使っている、いわゆる遠近両用のタイプは、レンズの下半分に四角い老眼用の窓みたいなのがついているアレです」

――普通、それを思い浮かべますよね。
高橋「ツァイスのレンズは、独自の加工技術でシームレスな遠近の矯正と度数の最適化を可能としていますから、レンズに境目などは一切ありません」
種市「おお! そのレンズだと、選べるフレームに制約はあるんですか?」
高橋「ある程度天地幅があるものが望ましいですね。下側に老眼矯正が入りますので、縦の広さが必要なんです」
種市「サングラスのような色付きのレンズを選ぶこともできますか?」

高橋「はい、できます。


種市「なるほど。室内なのに、あの人暗いレンズして……みたいな目で見られないと」
高橋「ポイントは、普段どのように使われるかですね」
――日常欠かせない相棒とするか、ピンポイント投入のサングラス風に使うか。
種市「悩ましいなぁ。普段の感じで使うとすると、セルフレームのクラシカルなウェリントンに、やや濃いめのレンズ。メガネと割り切るなら、メタルフレームに薄いカラーも品があっていいなぁ」

――かつて、坊主頭にメタルフレームの伊達メガネを掛けていたという情報も入っていますが。
種市「知ってました? その過去。ビームスでディレクターになったばかりで、知的なクリエイティブ職のコスプレをしてたんですよ(笑)。でも、四十も半ばを超えた今、かえって似合う気がしてきました」
高橋「さすが種市さん、どれもお似合いになりますね」
種市「ありがとうございます(笑)。やっぱりセルフレームの太いタイプは、キャラが濃くなりすぎますね。どうせなら今掛けているものと違う雰囲気のものがいいし……。良しコレだ、シャンパンゴールドのメタルフレームに決めます!」

高橋「検眼後に最終チェックをしますので、ひとまずこちらで進めましょう」
――決め手はなんですか?
種市「上品な細いメタルの光沢感と、ほかのアクセとの相性。掛けないときは首から下げるので、そうしたアクセ感覚としても機能しますよね。

03-6427-5232)
フレーム選びにおよそ30分を費やした種さん。そこはプランナーの血が騒ぎ、入念にチェック。最後はズバリとメタルフレームに決定!
お次はいよいよ検眼の行程に。メガネ店で視力を測るのは初めてという種さんとツァイスの最新技術の出合いは、一体どんなことになるのか?
PROFILE
たねいちあきら●1972年生まれの46歳、東京下町出身。サーフィンを愛する海男。長年勤め上げたビームスを退社し、現在はフリーランスとしてブランドのコンサルティングやプロダクトのディレクションなどを手掛ける。連載中の「種カジのタネあかし」はコチラ!
種カジのこぼれ話満載のインスグラム@taneichiakiraも要チェック。
※マイキータとは
デザインと生産工程の両方を独自のアプローチで磨き続けるドイツ・ベルリン発祥のアイウェアブランド。商品の考案から製造、店舗への陳列まで、一貫したこだわりの中で生み出されるアイウェアは、進歩的ながらオーセンティック。道具としてもファッションピースとしても万人のニーズを満たすラインナップを揃える。
www.mykita.com
山本 大=写真 髙村将司=取材・文