>連載「オーシャンズ X:幸せな離婚編」を読む
離婚という作業は、パワーを要する大仕事だ。くっつけるよりも引き剥がす方が手間というのはおおむね本当のようで、しばしば「こりごり」「ウンザリ」というキーワードが耳に届く。
前回、離婚した人にとっても婚活パーティが有用であることは示した通りだが、本稿では参加者たちのモチベーションについて考察を深めてみよう。
離婚した男女の婚活パーティへの参加が増えている。理由は?
「もう一度誰かと一緒に人生を歩みたい、子供が欲しいという方が多いです。『子供をあきらめていた』という方でも、お子様がいらっしゃる方と出逢うことで子育ては可能になりますので。そのほか、高齢化が進むなかで将来に不安を感じ、老後を考えてパートナーを探す方もいらっしゃいます。熟年離婚や死別などが原因で、パートナーと離れてしまった方もいて、シニア婚活も活発になってきていますよ」。
前回に続き、こう教えてくれたのは業界大手のPARTY PARTYを運営する、IBJの広報・椎名さんだ。では、離婚した男女が「婚活したい」と感じるのはどんな瞬間なのだろう。
「ひとりでの生活が寂しくなったときや、魅力的な異性と出会ったとき、老後への不安を感じたとき。またはお子様に母親ないしは父親を作ってあげたいという親心で再婚を踏み切る方もいらっしゃいます」。
離婚直後には思い立たずとも、離婚後数年、あるいは数十年経って、再婚へのモチベーションが上がるケースも少なくないそうだ。
再婚したいと考える男女の共通点とは?
「20代~70代の方まで、パーティによってさまざまな世代の方が参加されています。男女ともに仕事に積極的で、忙しく過ごされる方が多いのですが、それでもご参加いただけているのは、結婚へのモチベーションの高さからだと思っています」。
離婚後すぐ再婚に踏み切る人もいるが、モチベーションの高さは年数とは関係はない。自分のタイミングで“再始動”するからこそ、いつでも場が開かれている婚活パーティは格好の場所といえるだろう。
また仕事に忙殺されているのは寂しさを紛らわせるためではなく(離婚直後はそうかもしれないけど)、むしろバリバリ仕事をこなすバイタリティのある人こそが婚活に踏み出せる……という見方もできそうだ。
そんな彼らが求める“条件”も、初婚のときとは変わっていることが多いとか。
「初婚と比べてお相手へ求める条件が変わったとおっしゃる方が多いです。たとえば、初婚時はお相手の年収や容姿等を気にされていた方が、再婚時には『家事に積極的な男性』あるいは『きちんと話し合いができる女性』など、その人の内面を重視される傾向があります。ですので、パーティ中も、そういった面をチェックされる方が多く、実際に『(内面を見るために)こんなパーティを開催してほしい』とご要望をいただくこともあります」。
離婚の理由が人それぞれであるように、再び出会いを求める理由もまた人それぞれ。しかし2度目(もしくはそれ以上)ともなると、自分に適した相手を見定める精度は高くなる。
では、婚活パーティではどういう人が幸せを掴めるのか。
[取材協力]
Party Party
東証一部上場のIBJが運営する、婚活パーティサービス。月間参加者数6万人以上が参加する。全国各都市で毎日婚活パーティを開催中。離婚経験者向けのテーマやサービスも充実している。
www.partyparty.jp/
吉々是良=文 石井あかね=イラスト