食う“寝ず”遊ぶカリフォルニア●旅先(=非日常)で得るインプットは、男の日常のアウトプットに大きな影響を与える。1981年生まれ、一児の父、オーシャンズ世代ど真ん中のトラベルエディター伊澤慶一さんは、だから今日も旅に出る。
カリフォルニアに男が惹きつけられるのはなぜか。自由そうだから? 気候がいいから? それとも……その答えを探すべく、今回はロサンゼルス、オレンジカウンティ、パームスプリングスに行ってきました。
まずはロサンゼルス。国際空港もあり、必ずゲートウェイになるこの街をスルーするわけにはいきません。でも、ロサンゼルスはあまりに大都市すぎて、僕も毎回ぶつかるのが「どのエリアに泊まるか問題」です。
観光ならハリウッド、買い物ならビバリーヒルズ、リゾートならビーチ沿いのサンタモニカやヴェニスビーチ……どこも魅力的なだけに悩ましいのですが、僕が最近拠点にしているのは「DTLA」。ダウンタウン・ロサンゼルスです。

初めてダウンタウンに滞在したのは3年前。エースホテルやホテル・フィゲロアなど、古い建物をリノベーションしたセンス抜群のホテルが1万円台(シーズンで変動)から泊まれることがわかり、コスパの良さに惹かれてやってきました。


ところが、実際にダウンタウンで数日過ごしてみると、ホテルのまわりにはイケてるカフェやバーがいっぱい! 実はダウンタウンは「コーヒーキャピタル」と呼ばれるほど、良質なコーヒーを淹れてくれるカフェが密集しており、また、予約が取れないほどの超人気レストランや、360度絶景が見渡せるルーフトップバーがあるなど、ロサンゼルスでも屈指の「食」が充実したエリアだということがわかりました。

つまり、朝のコーヒーと夜の酒が欠かせない大人の男にとってダウンタウンは相性抜群。行く前は治安も心配でしたが、スキッド・ロウと呼ばれるエリアには近づかず、夜遅い移動はタクシーやUBER(ウーバー)を使うことで、今のところ僕は危ない目には遭っていません。そんなダウンタウンの朝にオススメなコーヒーショップを3軒ピックアップ!
NEXT PAGE /美味しい朝食なら「コグノセンティ・コーヒー」
まずは「コグノセンティ・コーヒー」。LA近郊の、カルバーシティで誕生した人気カフェで、現在はサウスパークと、こちらのダウンタウン店、3店舗を展開しています。“コグノセンティ”とは英語で「専門家」「目利き」を意味するのですが、その店名と比べてもいっさい遜色ないほど本格的なコーヒーを、経験豊富なバリスタが淹れてくれます。


以前は西海岸のさまざまなロースタリーのコーヒー豆を扱う店だったのですが、現在は自家焙煎もしており、それをLA土産にするのもオススメです。


食事も美味しくて、トーストの上にルッコラを乗せた「エッグス・イン・ア・ホール」は大好きな朝食です。
COGNOSCENTI COFFEE
120 E 8th St, Los Angeles
https://www.cogcoffee.com
ヘルシーコーヒーの世界代表「グラウンドワーク・コーヒー」
オーガニックコーヒーブランド「グラウンドワーク・コーヒー」も要チェック。農薬を一切使わない有機栽培にこだわり、LA市内で店舗やスタンド、トラック販売、ファーマーズマーケットへの出店など、幅広く展開する人気ブランドです。

僕のお気に入りは、ファッション・ディストリクトにあるこちらの店舗。ショッピングエリアに近いので買い物の途中に立ち寄ったり、座席数も多いので数時間ノマドワークしたりと、朝以外にも使い勝手抜群です。

メニューには、どれがデイリーフリー(乳製品不使用)やグルテンフリー(小麦粉不使用)、ビーガンメニューなのかはっきり明記されていて、ヘルシーエリートなLAローカルから信頼を得る理由がわかります。


ちなみに、ここのコーヒー豆は、ホールフーズやエレウォンなどのオーガニック系スーパーマーケットでも販売されているので、カフェに行けない人はお土産として調達するのも得策。LAを代表するコーヒー豆ですよ。
GROUNDWORK COFFEE
811 Traction Ave, Los Angeles
https://www.groundworkcoffee.com
西海岸のブランドコーヒーといえば「スタンプタウン」
LA発ではないのですが、西海岸で圧倒的ブランド力を誇るコーヒーロースター「スタンプタウン」も外せません。オレゴン州ポートランド発祥のスタンプタウンは、いわゆるサードウェーブコーヒーの先駆的存在。

世界中から良質な豆を探しては、生産者とダイレクトかつフェアなトレードを行っており、徹底した豆と生産過程へのこだわりを見せています。そんな姿勢から、ロサンゼルスの本格派とされるカフェでは、広くスタンプタウンのコーヒー豆を用いています。

ここダウンタウンの店舗には、お土産にも人気のコーヒー豆がズラリと揃います。ちなみにスタンプタウンではコールドブリュー(水出し)コーヒーも人気。日本ではなかなか味わえないので、ロサンゼルスの気持ちいい環境で飲む、まろやかな“冷コー”をぜひ堪能してみてください。


STUMPTOWN COFFEE ROASTERS
120 E 8th St, Los Angeles
https://www.stumptowncoffee.com/
以上、コーヒーキャピタル“DTLA”のなかでも、特に人気のカフェでした。ダウンタウン滞在の唯一のデメリットは、1日のカフェイン摂取量がどうしても増えてしまう点。行きたいカフェが多すぎるから仕方ないんですけどね。次回は、美味しい酒が飲める夜の店を紹介します!

伊澤慶一●1981年生まれ、一児の父。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。