アウトドアライフを謳歌したいオーシャンズ世代にとって、ラゲッジルームが広くてどんな道も踏破できる頼もしいSUVは理想の車だ。しかもキャンプ地だけでなく、街を流す際も映えるデザインであれば申し分なし。
今年6月にフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ「GLE」も、そんなファミリーカーの候補に挙げていいんじゃないだろうか。乗ってみれば、どこまでも走って行きたくなるくらい快適で、運転が楽で、けれど決して退屈ではない。平山祐介さんもインタビューでそんなことを言っていたっけ。
“GL”とはメルセデス・ベンツがSUVに関する名称で、その後ろにつくCやSは車格を示している。つまりGLEとは、セダンで言えばEクラスに当たるSUVってことだ。
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ハンドルを握ったのは3Lガソリンの直列6気筒エンジンに、電気モーターがアシストする450 4MATICスポーツ。車重は約2.4tもあるが、アクセルをひと踏みすると、そんなに重いことをすぐに忘れてしまうくらい力強く加速する。
それどころかこちらの意のままに、とはいえスポーツカーみたいにシャープすぎず、かといってミニバンのようにだるくなく、それこそEクラスセダンを操っているかのように、気持ちよく姿勢を変えてくれる。
乗り心地は極上のひと言。車体自体の基本性能の高さもさることながら、微細に車両をコントロールしてくれるエアスプリングと電子制御ダンパーなど、各種の最新デバイスがドライバーの知らないところで、0.1コンマ秒単位で働いてくれているからだろう。静粛性も高いため、ドライブ中は後ろに座った家族ともしっかり会話できるし、お気に入りの音楽を家のリビング並みに堪能できる。

いわゆる自動ブレーキをはじめとした先進安全システムは、安全性を高めるだけでなく、ドライバーが本来行うところを半自動化でサポートしてくれるから、長距離を走っても疲れにくかった。
加えて「ハイ、メルセデス」のCMで話題の、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も便利。

話しかけるだけで車内の温度調整や音楽をかけてくれるだけでなく、「○○まで行く」と言えばナビゲーションに目的地が設定される。これなら車をとめてナビ画面にいちいち入力しなくても、走行しながら目的設定ができるってわけ。
フルモデルチェンジで初めて3列目シートを備えたGLE。全長は5mに迫り、幅は約2mと大きくなり、無駄なラインを一切なくした引き算のデザインは威風堂々としている。

キャンプ地の湖のほとりに停めても、都心のホテルのエントランスに入ってもサマになりそうな雰囲気だ。
家族を乗せて、「ハイ、メルセデス」と走りながら目的地を設定し、高速道路に入ればスムーズな加減速で安全に走ってくれる。となれば、GLEを究極のファミリーカーとして認定しても、いいんじゃないかと思うのだ。
GLEなどプレミアムSUVのスペシャルコンテンツが見られる「SUVway」と、メルセデス・ベンツの公式サイトもチェック。
籠島康弘=文