細身な服=きれいめ。そんな方程式が常識だった世を生きた大人にとって、「ユルいきれいめ」な服は歓天喜地、まさにカラダも心も喜ぶ思いだろう。
定番を新鮮に。言うのは簡単だけどさ……と思いがちだけど、実は実践するのはかなり手軽。必要なのはゆったりめのBDシャツ、選択肢は2つ。羽織りか、タックインか。
タックインの着こなしサンプル①
「バナナ・リパブリック」
ストレッチが利いた、細畝コーデュロイ仕立てのこちらは、ダークトーンと相まって季節感ある落ち着いた印象。

さらっと羽織り、インナーやボトムスをモノトーンでまとめて、素材の表情の変化を楽しむのがベターだ。ボタンを開けても襟が崩れないのが、BDならではのメリットかも。
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「インディビジュアライズド シャツ」

仕立てに定評のあるシャツランドから、通常よりも身頃やアームにゆとりを持たせた“オーバーサイズドシャツ”を。

そのシルエットを存分に堪能できるよう、薄手の生地を用いた。柄は、少しカワイげのあるギンガムチェックで。味が出てきた40代の顔に、これがよく馴染むんだ。
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「Jプレス オリジナルズ」

タータンチェックのウール地を使った、トラッドの旗手らしいデザイン。程良いボリューム感の秘密は、裏地に採用したキルティング。

保温性もあるから、気温の不安定な時季から冬場まで重宝する。それはさておき、羽織ってもシルエットが崩れないのも大きなアドバンテージ。
ガバッと羽織った着こなしサンプル②
「トミー ヒルフィガー」

パネルごとにカラーを切り替えたクレイジーパターンに、フロントに入るエンブレムの刺繍。

要素は正統なNYブランドらしくプレッピーなのに、そのアプローチは遊びが利いていて、教科書どおりの無難なヤツとはまるで違う。インナーを選ぶときは、そこにもう1色を足すようなイメージで。
三瓶康友=写真(人物) 鈴木泰之=写真(静物) 来田拓也=スタイリング MASAYUKI(The VOICE)=ヘアメイク 今野 壘=文